★阪急電鉄正雀工場の入換用バッテリー機関車★BL1
2か月以上前になりますが、久々に春の阪急レールウェイフェスティバルに参加してきました。何度も行っているので、今回は午後から1時間だけ、バテロコ目当てです。
前回の秋のフェスティバルに引き続き、正雀工場の車両入換用蓄電池機関車BL1が展示され、記念撮影もできるようになっていました。BLは以前屋外走行を撮影しておりブログでも紹介していますが(→こちら)、細部をじっくり見ることはできませんでした。フェスティバルでのBL展示は毎年行われるわけではなく気まぐれですので、間近で観察する絶好の機会となります。
まずは連結器。自動連結器ですがナックルが下に伸びていますね。連結相手が空気バネの車両の場合、検査中は空気を抜いているので車高が下がるため、こうなっています。
次は台車牽引治具。前掲のブログ記事で、一見そっくりに見えるBL1とBL2の違いがどこかという話をしましたが、実はこの台車牽引治具が唯一の相違点なのです。上写真のBL1の治具は大阪寄に付いていますが、BL2のそれは神宝京寄に付いています。今度見る機会があったら見比べてみてください。
足周り。自重25tで低速走行しかしない2軸機関車のため、簡易な構造です。外観から、平軸受かもしれないですね。どうでしょう?
こちらはBL1の神宝京寄。台車牽引治具は未装備です。
こちらはBL1の大阪寄の非公式側。運転台の着席部とは反対側になるため、死角確認用にボンネット先端やキャブ側面にミラーが付いています。
ボンネット屋根上にはアンテナが付いています。スタッフに訊いてみたところ、入換作業中に工場との通信で使用するそうです。これがあるお蔭で、手旗信号を持った入換掛が機関車先端部に乗って誘導する必要もありません。BLの端梁にステップが付いていないのはこのためです。この機関車のスペックは鉄道ピクトリアル2012年2月号に掲載されておりますが、雑誌掲載時に他の機関車とメッシュを揃えるために捨てているデータがあるので、この機会にご紹介しましょう。
- 製 造 者 : 新トモエ電機工業
- 製 造 年 : 2011年3月
- 製造番号 : BL1 STS120-251411 / BL2 STS120-251412
- 全 長 : 7,050mm(連結面間)
- 全 幅 : 2,700mm
- 全 高 : 3,200mm(レール面上)
- 自 重 : 24t(バッテリー5.4t含む)
- 主電動機出力:DC450V 80kW×2台
- 蓄電池容量: 320Ah/5hr 480V
- 充電用電源: 三相200V 60Hz 70KVA
※取材に基づく。引用の際は本記事を出典として明記願います。
■2017年12月4日追記
新トモエ電機工業の公式資料より、諸元を引用します。
- 寸 法 : 上記の通り
- 自 重 : 25t
- 被牽引重量: 120t(30t/両×4両)
- 走行速度 : 最大15km/h(単車、平坦)、最大10km/h(120t牽引、上り勾配12/1000)
- 微速モード速度:0.2km/hr(時速0.2キロメートル)
- 電 動 機 : DCブラシレスサーボモーター DC450V 80kW×2台
- 制動方式 : 常用…サーボブレーキ+油圧ディスクブレーキ
非常…サーボブレーキ+油圧ディスクブレーキ+負作動油圧ディスクブレーキ - 蓄 電 池 : 鉛蓄電池 VCF320型 320Ah/5hr 480V
- 充 電 器 : 地上据置型 準定電圧方式(3相 200V 70kVA)
- 安全装置 : 走行レバーデッドマン方式、警報器、非常停止ボタン、電動ワイパー、砂撒装置、サイドミラー
続いて、工場建屋内の車両移動機「SCARAB」。軌陸両用で枕木方向に動くこともできます。入換用機関車と同じくバッテリー駆動です。
こちらが運転台側。メーカーは「ニチユ」のロゴがある通り、神足(現 長岡京)に工場のある日本輸送機製です。もともと入換用機関車(BL1,BL2)も同じニチユ製でしたが、2011年3月に本記事で紹介している新トモエ電機工業製のBL1,BL2に置き換えられました。
連結器は神宝京寄にのみ装備。工場建屋外に引き出すのはBL1、BL2の役割なので、工場建屋内での車両移動はこれで充分なのでしょう。
SCARABの運転台。制御盤は重機に近いですね。
今回のイベントのP6乗車体験は、いつものように900形を連結しておらず単独走行でした。
サイドビュー。単独なので、普段900形が連結されて見えない京寄の顔も見られます。
イベントが終わると、入換タイム。
P6がホーム側に出てきました。
重厚感がありますね。
やっと見られた、京寄のお顔。BLとP6だけでもイベントに参加した甲斐がありました。
こちらは2300形の動態保存車でしょうか。編成は2301+2352でした。最後に、歩いて東吹田検車場へと赴き話題の架線作業車を見物して、帰路につきました。
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