死ぬこと以外に予定はない。
目覚めたら高知にいた。東京在住の女性A様から「一緒に高知のむろと廃校水族館に行こう」と誘われたからだ。A様とは、以前、坂爪圭吾(私)に電話かけまくり放題デイを開催した時に、はじめて会話をした。莫大な遺産を引き継ぎ、働かなくていいだけのお金があるのだが、仕事をやめるのがおそろしくて仕事中毒みたいになっていると言った。私は「行きたい場所はありますか」と聞いた。A様はむろと廃校水族館と言い、そのまま仕事をやめて、一緒に高知に行くことになった。
私は、自分を開放して生きている。私を好きに使ってくれと思っている。発情した女性風に言えば「私をめちゃめちゃにして!」と思っている。はじめましての人に会う時は、ドキドキする。どんな人が来るのだろうと思う。相手は私のことを知っているが、私は年齢も何も知らない。不思議なことに、この暮らしを長く続けていると、待ち合わせ場所に行った時に「あ、この人だ」と一発でわかる。顔なんて見たことはないのに、勘でわかる。A様は愉快な女性だった。A様は「私はオタクです」と言った。自分のことを己と言った。自分のことを己って言う女の子いいなあと思った。
A様はレシピ本を見るのが好きだと言った。お菓子のレシピ本を見て「きゃー!このクッキー可愛い!」とか思った後に、さて、焼きそばでも食うかとなると言った。見る人が見たら「クッキー食わないんかい!」となるのだろうが、A様に言わせると、それはそれ、これはこれ、己の筋は通しているということになる。カッコいい女である。私はA様に聞いた。私の友達に、丁寧な暮らしに憧れながら汚部屋に暮らし続けている女がいる。彼女は「ちゃんとしなくちゃ!」と自分を責め続けているのだが、そんな人をどう思いますかと。A様は、たった一言「せんさーい!」と言った。デリケートな人ですねと言って、ぶった斬った。
デリケートってこう言う時に使う言葉なんだなと感銘を受けた。A様は言った。私は、デリケートになると生きていけない一族の女だ。デリケートを強制してくる人を、ぶった斬って生きてきた。土産を見るのは好きだが、土産をあげる人間はいない。人付き合いは諦めた。人間関係は全捨てした。頑張ったけど無理だった。この世の中には、そんな風にしか生きられない人間ってのがいるんだよと。私は「潔い」と思った。令和の武士だ。私は「私は一緒にいて大丈夫なのですか」と野暮なことを尋ねた。A様は「坂爪さんは深入りしないからいい」と言った。認められた。わーい。やったー。嬉しい。だが、もしかしたら人間扱いされていないだけかもしれないと、戦々恐々した。
私は基本的に虚無にまみれた虚無たろうで、何処にいても虚無、何をしても虚無、人生的に特段やりたいことも行きたい場所もない、虚無に覆われた男だ。人生的にやりたいことも行きたい場所もないのだが、A様のように魅力的な存在から「ここに行こうぜ」と誘われると、虚無が虚無でなくなり、人生の面白さや生の醍醐味が与えられる。一人ぼっちで高知に来ていたら、私は永遠の暇人だった。一人だと別にどうでもいいやと思うことも、誰かと一緒なら「やろうぜ!」とか「食おうぜ!」となる。同じ世界を生きているのに、一人の時と、誰かといる時で、輝き方が全然変わる。私は、自分を開放して生きている。私を好きに使ってくれと思っている。発情した女性風に言えば「私をめちゃめちゃにして!」と思っている。これから東京に行く。死ぬこと以外に予定はない。
おおまかな予定
11月7日(木)東京都中央区界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
バッチ来い人類!うおおおおお〜!
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