現代の防人~日本を守る国産AI奮戦記(15)

漫画家鳥山明氏の命を奪った「急性硬膜下血腫」AIで防げなかったか?

「看護師が交代で勤務するなか、すべての患者を常に同じレベルで見守るのには限界があります。 KIBITを用いた転倒転落防止ソリューション『Coroban(コロバン)』は今まで人的に対処してきた転倒転落リスクに、AIで立ち向かうシステムです。人間ではなくAIがリスク予測を行うので、均一で客観的な判断を行えるとともに、従来のリスク評価と同等の精度での転倒予測が可能になります」(山下氏)

Corobanは入院患者の日々の看護記録をKIBITで解析して、看護記録の文章のなかから「転倒の予兆」を感知する。そして転倒転落の可能性を事故の1-7日前に予測してアラートをあげる。医療機関では、アラートの対象となった転倒転落の危険性のある患者を集中的にケアすることで、転倒転落を防ぎ、看護師の業務負荷の軽減もはかる。

Corobanは高齢者の転倒転落を未然に防ぐ、日本の社会課題を解決するAIツールだが、解析対象は医療機関の「入院患者」のみ。残念ながら現代のAIの力をもってしても、自宅などでの転倒を防ぐことは難しい。

だが、今後AIがさらに進化して、高齢者の家族が家庭内での日ごろの行動を記録したり、高齢者自身が行動を記録することで、転倒転落を予測できるようになるかもしれない。高齢の親、ひいては数年後の自分自身の健康寿命を維持するためにも、AIのさらなる進化・サポートを望みたい。

【FRONTEO】自社開発AIエンジン「KIBIT(キビット)」を用いた多様なAIソリューションとサービスを提供するデータ解析企業。本社・東京。元海上自衛官の守本正宏氏(代表取締役社長・CEO)が2003年8月創業。膨大な量のテキストデータや複雑なネットワークの中から重要な情報を抽出・解析して、各分野のエキスパートの高度な判断を支援する。リーガルテック(法務技術)、ビジネスインテリジェンス、ライフサイエンス、経済安全保障の各領域で事業を展開している。2007年6月、東証マザーズ(現:東証グロース)上場。

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