パリ五輪が「炎上」続きだ。
まずは開会式の一幕が「キリスト教への冒瀆(ぼうとく)」だとしてカトリック関係者らの反発を招いた件だが、ついにバチカン(ローマ教皇庁)までもが3日、「いくつかの場面に悲しんでいる」との声明を発表した。
選手村では、菜食中心の食事が不評を買ったり、冷房が有料だったり。競技も、セーヌ川で泳いだトライアスロン選手の体調不良など、トラブル続きである。
そんな中で、日本選手の活躍ぶりは素晴らしいが、柔道の判定については首をかしげる場面が多かった。メダルのいくつかを不当に逸したと思った日本国民は少なくないようで、フランスという国に対し、日本人が抱くイメージも相当悪化したといえる。
連日の「炎上」の中でも、とりわけ物議を醸したのが女子ボクシングだろう。66キロ級ではアルジェリアのイマネ・ヘリフ選手、57キロ級では台湾の林郁婷(リン・ユーティン)選手という、ともに男性特有の「XY染色体」を持つとされる2人が、メダル獲得を確実にした件である。
本件では当初、世界規模で「誤解」が広がった。多くの人がヘリフ選手をトランスジェンダーだと思い込んだのだ。かくいう私も最初そう思った。今回のパリ五輪が、開会式からして「LGBTQ礼賛」だったことからの反射的誤解だったかもしれない。