ヘリフ選手への非難が高まると、前述の情報が広まりだした。国際ボクシング協会(IBA)のリークとされる情報は、ヘリフ選手は女の子として生まれ育ったが、実は「XY染色体」を持つ人だというものだ。「性分化疾患」(=生殖器や性器が通常の性染色体とは異なって見える)らしいともいわれたが、実情は依然不明なままである。
この不明さが問題の火元となっている。
さらに、今大会で国際オリンピック委員会(IOC)は、「(スキャンダル続きの)IBAのガバナンス体制には問題がある」として、五輪競技の管轄権を剥奪した。
これが問題を一層ややこしくしている。
IBAは3日、ヘリフ選手、林選手の2人には出場資格がなかったと発表。2023年の世界選手権時に「女子選手に対し、不当なアドバンテージがある」ため失格となったという。
一方、IOCはIBAの決定を認めなかった。では、その判断基準は何かといえば、ほぼ「パスポートの性別」のみという、信じ難いものなのである。
さらにヘリフ選手が前回の東京五輪でも女子として出場しながら、圧倒的強さを見せていなかったことや、「性分化疾患」の不可解さも問題を複雑にしている。