Reconstruction from brain activity

 MRIで脳をスキャンし、脳の視覚野の血流を測定することで、その人の「見ているイメージ」を電気的に再現するという、SFのような技術が開発されました。いわば読心術の進化系ともいえる画期的な脳のイメージングプロセスを開発したのは、カリフォルニア大学バークレー校の研究者たち。
 動画では、被験者たちの視覚したイメージと再現された画像を比較することで「脳内イメージの電気的な再現」をデモンストレーションしています。

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 科学者が「心の映画の窓を開く」と表現するプロセスは、スキャンされた被験者の脳内イメージを、コンピュータを介して視覚的なパターンに変換するという工程で行われます。
 神経科学者ジャック・ギャラン教授は、「これは脳内イメージを再構築する技術へ向けての飛躍的な一歩です」と語っています。

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 この驚くべき技術は、脳卒中の患者や昏睡状態の患者、あるいは口頭で語ることが不可能な人々の心を理解するための使用を期待されています。しかし10年以上も以前から、人々の思考や意識を読み取る技術に関しては専門家から警告が発せられて来たのだそうです。

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 これまでは対象者に白黒の写真を見せながら、視覚野の脳活動を記録するという研究がおこなわれてきました。研究を行ってきたギャラン教授と仲間たちは、長い時間をかけて、被験者が見ているイメージを高い精度で予測し、再現するための計算モデルを構築する努力を行ってきました。

 そして彼らの最新の実験では、脳内で発生される信号をデコードすることによって、動画を再現する段階にまで進歩しました。彼らはこれまでの困難な問題のいくつかを解決したと語っています。

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 動画では、被験者の見ている映画や動画の再現を試みています。



 こちらの動画は、ランダムなYouTubeのビデオ18万秒のライブラリを使用して得られたもの。これらの再構成された映像の品質は、各被験者から記録された脳活動データの質に多少の依存はみられるものの、プロセスは一貫性があることを示しているそうです。



 研究者の一人であるシンジ・ニシモト氏は語ります。
「映画で示される形を運動情報がどのように脳活動にマップされるかについて、我々はピクセルごとのモデルを構築しました(中略)。そして、心の中に“おこなわれていた”ことのイメージを、ぼんやりとだが認識できるレベルの再現が実現できたのです」

(source.Mail Online)

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