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2024年10月2日(水)

兵庫県職員30人の告白“もの言えぬ空気”はなぜ生まれたか?

兵庫県職員30人の告白“もの言えぬ空気”はなぜ生まれたか?

兵庫県庁の職員が斎藤前知事らを告発した問題。その真相や前知事の動向などを巡り、今なお、騒動が続いています。しかし、そもそもなぜ、事態が深刻化する前に食い止めることができなかったのか?番組では、県庁の現役職員やOBなど約30人を独自に取材し、組織の中に“もの言えぬ空気”が広がった経緯を探りました。さらに、「公益通報」の制度がありながら、告発者が特定され、保護がなされなかった問題にも迫りました。

出演者

  • 江藤 俊昭さん (大正大学 教授)
  • 日野 勝吾さん (淑徳大学 教授)
  • 桑子 真帆 (キャスター)

※放送から1週間はNHKプラスで「見逃し配信」がご覧になれます。

兵庫県 職員たちの告白

2021年、行財政改革など、県政の刷新を訴えて当選した斎藤前知事。

兵庫県 斎藤前知事
「新しい兵庫県をつくっていく。これが何より大事だ」

人口減少が進み、さまざまな地域の課題が山積するなか、改革を強力に進めていくことが期待されていました。

市民(当選直後 2021年7月)
「年齢がまだ40代と若いし、今までにない風が吹くのかな」

「僕は期待していますよ。調整能力が高そうに思えました」

斎藤前知事は、就任1年で58の事業の廃止や見直しを行ったほか、当時、700億円かかるとされた庁舎などの再整備計画の凍結、県立大学の段階的な完全無償化を行いました(令和8年度完成予定)。
斎藤前知事が改革の司令塔としてつくったのが、10人程度で構成される新県政推進室です。以前は知事と各部局が個別に議論を重ねていた政策形成のプロセスを簡素化し、迅速な意思決定が行えるようにしたのです。

そして、その後は新県政推進室も形式化し、“側近”と呼ばれる少数のメンバーで物事を決めていくようになったといいます。

OB職員(幹部)
「密室で取り巻きだけで決めて、どんどん進めていく」
現役職員
「異論とか多様な意見を、別に求めているわけじゃない」

このことが“組織の健全さを欠く事態”を招くことになったと複数の職員が明かしました。
斎藤県政で部長級だったOB職員は、次第に“もの言えぬ空気”が生まれていったといいます。

OB職員(部長級)
「敵か味方か、賛成か反対か、白黒はっきりさせて、賛成のチームと反対に回るチームを分ける傾向があった。そうすると、いろんな意見がだんだん言いにくくなって、声が届かなくなる」

さらに、人事権をちらつかされて、圧力を感じたという職員もいました。前知事が打ち出した賛否が分かれる政策に意見を述べたOB職員。後日、県の幹部から、ある言葉を投げかけられたといいます。

OB職員(幹部)
「(ある幹部が)私のところに来られて、『斎藤県政に刃向かうんだったら辞表を書け』という迫られ方をした。『さもなくば服従しろ』。異論を言うと、排除、異動させられてしまったりするので、もう自然とイエスマンしか周りにいなくなってしまう。知事が、言葉が悪いかもしれないが、裸の王様みたいな立場になってしまった」

こうした空気のなか、職員たちは前知事の言動に違和感を覚えることがあっても、声を上げることができなくなっていったといいます。

今回の問題が起きた後に行われたアンケートでは、130人の職員が、前知事のパワハラの疑いがある言動を「目撃などにより実際に知っている」と回答。今回、取材に応じた複数の職員たちが口にしたのは、見て見ぬふりをした後悔でした。

現役幹部職員
「(パワハラ疑惑などを)看過していたということでいえば、批判はその通りだと思う。報復というか人事の面で見られた。そういうのを見ていると、管理職も声を上げにくい空気になったり、(声を上げることに)二の足を踏んでしまう。好転しないどころか悪化する」
現役幹部職員
「人間の心の弱さ、理不尽に異動させられることが怖い。異動させられることが不名誉だし怖い。そういうことで意見が言えなくなる。幹部が意見が言えなくなると、その部下も、さらに言えなくなる。こんなに危ういとは思わなかった。こんなに簡単に崩れるんだと」

ある職員は、“民意で選ばれた知事の意向に意見することは容易ではない”と吐露しました。

OB職員(幹部)
「何もできなかったふがいなさ、そういうものは感じるが、だからといって、じゃあ何ができたのか。根底から覆すようなことなんて、本当にできなかっただろうと思う。選挙で選ばれた人が、4年間はそこにいるわけだから。それは仕えないとしょうがない」

一連の混乱を受けて、今週、失職した斎藤前知事。
結果責任を認める一方で、改革は成果をあげたと訴えました。

兵庫県 斎藤前知事
「兵庫県を変えていってほしい、刷新してほしいという思いを受けた。自らの給与・退職金をカットして、自らの身を処するという形で進めていく中で、いろんな県政の改革を進めてきた」

議会や職員からの信頼を失ったという声については。

斎藤前知事
「県政3年間やっていく中で、心の中におごりであったり慢心があった。自分の行為が良くない点は、自分自身も生まれ変わって改めていく」

“もの言えぬ空気”はなぜ?

<スタジオトーク>

桑子 真帆キャスター:
斎藤元彦前知事は、出直し選挙に立候補する意向を表明しています。

兵庫県知事選挙には、他にも、医師の大澤芳清氏、参議院議員の清水貴之氏、そして、経済産業省の元官僚・中村稔氏が立候補する意向を表明している他、前尼崎市長・稲村和美氏が立候補する方針を固めています。
ここからは、自治体のガバナンスを研究していらっしゃる江藤俊昭さんとお伝えしていきます。よろしくお願いいたします。

今回の職員の取材からは、“もの言えぬ空気”が広がっていった実態というのが見えてきたわけですけれども、今、どんな問題意識を持っていらっしゃいますか。

スタジオゲスト
江藤 俊昭さん (大正大学 教授)
自治体のガバナンスを研究

江藤さん:
組織改革、今回の場合は行政改革ですけれども、かなり大きいことをやると批判も浴びるんですね。でも、今回の場合は、政治倫理上とかハラスメント上、大きな問題があった。VTRを見てもつらいですよね。これは、ただ単に“もの言えぬ空気”だけの、組織だけじゃなくて、個人の尊厳とか人権を侵害する、かなり大きな問題だというふうに思いますね。だから、こうしたものが出てくるというのは、恐らく、ここだけの話じゃなくて、頑張っている自治体は多いんですけど、時々、リーダーシップのあり方を誤解する長が現れると、こういう事態が生じて、今、マスコミでも大きな問題になっていると思うんですけど。選挙で選ばれたんだから、私は何でもできるんだというね、批判があってもやらなきゃいけない、これが政治家の使命だという議論があるし。あるいは、批判があっても、それを側近は支持しているわけですよね。あるいは、議会の多数派が推薦だとか支持をしていると、これを突き進むんだという、そういう意味で、リーダーシップの誤解が生じているんじゃないかなと思いますね。

桑子:
自治体の持つ構造的な問題とも言えると思うんですけれども、江藤さんは、自治体の中の構造的な問題として、ひとつ、「独任制」というところに注目されています。

地方自治体では、政策の立案や予算の執行人事など、行政のかじ取りに関する権限というのは、知事などの自治体のトップ、首長1人に集中しています。自治体の職員たちは、そもそも法律で首長に対する「補助機関」という位置づけになっていまして、住民に選ばれた首長の意思決定をサポートすることが役割になっています。この「独任制」ということ自体が悪いわけではないんですよね。

江藤さん:
もちろん、そうですね。「独任制」を、今回、「独善性」と誤解しているところがあるんじゃないかなと思いますね。独任というのは、住民が知事を選ぶ。これ、1人で任じられるから「独任制」なんですよ。議会のほうは多数の人たちを選びますよね。だから、議会というのは、いろんな人たちが、議員たちが討議しながら決定するというので「合議制」というんですね。制度的な話。そして、職員は補佐しますから、それを選挙で選ばれていないから「補助機関」と言っているんですけれども、ただ単に、人事で任命権とか指揮監督権というのがありますから、それだけを強く言ったら進まないですよね。職員は、本来、機関としては「補助機関」と言われますけれども、全体の奉仕者なんですね。やりがいを持つことが自治体にとって大事なんですけど、「独任制」を「独善性」と誤解するという。これは制度的には大きな問題だと思いますね。

桑子:
こういった仕組みの中で、では、首長に歯止めをかけるためにはどうすればいいんでしょうか。

江藤さん:
今回、結構マスコミが監視する役割がありましたけれども、地方自治の制度というのは、最終的には、対立があった時、調整する制度ってしっかり組み込まれているんですね。知事や議会を選んだって、やめさせることができるというリコール制度がありますし、今回は、議会のほうが不信任議決をやっていますね。知事のほうは解散させるということもあったりして、大きなことなんですが、それだけじゃなくて、日頃からちゃんとチェックするというシステムが必要ですね。そういう意味では、議会が質問をしたり、決算を行う時とか、今回、百条委員会がスタートしましたが、中途半端だったと思いますけれども。あるいは、監査委員というのが、財務だけじゃなくて行政の体質も監査できる。これを機能させなきゃいけないんですが、なかなか具体的に出ていないですね。

今日、大事なのは、条例で歯止めをかける。例えば、政治倫理条例とか、ハラスメントを防止、撲滅まで言っているんですね。そして、その条例で、そういうことはどういう基準にしていくかどうか。そして、その基準から逸脱したことについては、対応もそこの中に入れていくという。そういう意味では、徐々に出来上がった条例なんですけれども、まだまだ不十分なところがあって。本来は、窓口とか検証委員会というのは外で行わなきゃいけないんですけれども、それを第三者機関で行って、そういう制度を今後、構築する必要があるんじゃないかなと思いますね。

桑子:
そして、知事と職員の関係性はどういうふうにあるべきだと思いますか。

江藤さん:
やっぱり、リーダーシップはすごく大事なことなんですが、人口がどんどん増えてきた時は、強いリーダーシップで公共サービスをいろんなところに配分するという役割があるかもしれないんですが、縮小社会で人口が減っていくと、財源が限られていく。優先順位を決めなきゃいけないんですね。それから、公共施設の統廃合なんて、これは長だけが決めちゃうなんて無理ですよ。現場を知っている職員とか、住民とか、議員とかが議論しながら、熟議しながら決めていくということですね。まさに、自治体の中では、長が職員や住民の人たちをシンクタンクとして位置づけるところもある。そういう意味では、長のほうは、今までのリーダーシップの取り方、情熱だとか、判断能力とか、そして、結果責任だけじゃなくて、コミュニケーション能力がすごく求められているんじゃないかなとすごく思います。

桑子:
今回、兵庫県庁では“もの言えぬ空気”が広がる中で、県の元局長が斎藤前知事によるパワハラの疑いなどについて、報道機関などに文書で告発しました。

元局長の告発文書
パワハラの疑い・贈答品の受け取りなど、7項目

その後の兵庫県の対応は適切だったのか。職員たちの証言から見ていきます。

元局長の告発文書 県の対応は適切だったか

元局長が、当時の斎藤知事や片山副知事ら側近を告発した文書を報道機関などに送ったのは、2024年3月のことでした。
その後、斎藤前知事がその存在を把握。片山前副知事ら側近に告発者を捜すように指示し、内部調査が行われることが決まります。

片山前副知事(百条委員会 9月6日)
「(文書を)誰が出したのか、どういう目的で出したのか、知事から徹底的に調べてくれと話があったような記憶がある」

側近たちは疑わしい職員をリストアップ。パソコンに残されていたメールの履歴を調査します。3日後、文書を作成したのが元局長であることが突き止められました。

かつて人事課に在籍し、調査の内実を知る職員は、幹部たちが行った一連の対応に違和感があったといいます。

かつて人事課にいた職員
「書かれていることが事実かどうか、まず調べるのが通常だが、誰が書いたんだ、誰が情報を与えたんだという調査方法は、やっぱり異様というか、問題がありすぎて、問題しかない調査」

告発者を特定するために、片山前副知事が元局長に聞き取りを行った音声記録を入手しました。そこには、前副知事らの調査がどのように行われたのかが克明に記録されていました。

片山前副知事
「知事のパワハラ」
元局長
「それは、でも、対外的に出てないじゃないですか」
片山前副知事
「出てへんから、なんでそれを知っとるんやって聞きよるんやないか」
元局長
「いや、噂(うわさ)」
片山前副知事
「噂かい」

元局長は、情報を誰から聞いたのか尋ねられた際、「噂」と答えています。
しかし、同僚の職員たちによると、情報源を明かすことができない事情があったといいます。

元局長と親交あった職員
「うわさ話を集めて作ったのではないというのは事実。情報を出した人間も処分しようとしていたのかもしれない。『実際は誰かから聞いたんやけども、名前は出さんといてくれということで名前を出せないだけ』。私が聞いたので間違いないと思う」

そして、うわさ話と言うしかなかったという元局長に対し、片山前副知事は次のような言葉を口にします。


噂か、噂をまとめただけか。なるほど。

その後、告発文書は、信頼性の欠けた真実性の乏しいものであるとみなされていきます。

かつて人事課にいた職員
「状況からすれば、(うわさ話と)言わざるをえない。本人がそういう言葉を発したことを捉えて、うわさ話だということで、真実相当性があたかもないようにした、非常に恣意(しい)的、言葉じりを捉えた調査、判断だったとしか思えない」

調査が行われた2日後。斎藤前知事は記者会見で、自身の見解を公式に発表します。

斎藤前知事
「当該内容の文書については、事実無根の内容が多々含まれている。うそ八百含めて、文書を作って流す行為は公務員として失格」

県は、元局長がひぼう中傷性が高い文書を流出させたなどとして、停職3か月の懲戒処分にしました。

その後、百条委員会で専門家は「知事らの振る舞いは公益通報者保護法に違反する」と指摘しています。

公益通報者保護法では、通報者捜しをしないように求め、通報者に不利益な扱いをすることを禁じています。

上智大学 奥山俊宏教授
「公益通報に当たらないと判断したのは、拙速にすぎたと私には思われる。結果的に、あの告発文書には、公的に保護されるべき公益通報が含まれていることが今や明らかになってきている。私は、知事らの振る舞いは公益通報者保護法に違反すると思う」

元局長は処分を受けた2か月後、“死をもって抗議する”という旨のメッセージを残し、みずから命を絶ったとみられています。

同僚の職員は、意を決して上げた声がなきものとされた元局長の姿が忘れられないといいます。

元局長と親交あった職員
「『公務員失格』『うそ八百』というのは本人もショック。腹を立てたようなことは本人から聞いた。本当に、ご自身は悔しくてしかたないのがある」

斎藤前知事は、9月、NHKの番組に出演し、当時の対応に問題はなかったという認識を示しています。

兵庫県 斎藤元彦前知事
「3月に私はその文書を把握したが、その時点で文書の内容がひぼう中傷、事実と異なることが多々書かれているのもので、確かに今、考えれば、いろんな対応策はあるという指摘は分かるが、私としては当時の対応は、あれがベストな方法だったと考えている」

公益通報 声を上げやすい社会へ

<スタジオトーク>

桑子 真帆キャスター:
ここからは、公益通報の制度に詳しい日野勝吾さんにも加わっていただきます。よろしくお願いいたします。

今回の告発が公益通報にあたるかどうかというのは裁判にならなければ明らかにはなりませんけれども、いずれにしても、不正を告発された当事者が通報者を調べたりとか、処分を下したりとか、これはどうなんだろうと思うんですね。

スタジオゲスト
日野 勝吾さん(淑徳大学 教授)
公益通報の制度に詳しい

日野さん:
法律上、公益通報に該当するならば、通報者を捜したりとか、あとは不利益を与えたりとか、そういったことは禁止をされています。今回の問題の本質は、通報された側がそういった真実相当性だとか、公益通報の判断をするというようなことをしてしまう、この辺りが中立公平ではないという話になりますし、むしろ、そういったような経営トップに関する通報については、独立した形で中立公正な調査をしていくということが重要になります。

桑子:
自治体の公益通報の体制というのは、企業など、民間の組織に比べて、整備が不十分だということを日野さんは問題点に挙げていらっしゃいます。

企業では一般的に、内部通報窓口だけではなくて、独立した外部通報窓口や社外取締役など、複数の監視の目があります。一方で自治体は、この内部通報窓口に加えて、外部通報窓口も設けているところは決して多くはないんです。今回の兵庫県も、この外部通報窓口は設置していませんでした。どうしてこういう体制になっているんでしょうか。

日野さん:
法律上は、300人を超える従業員を擁する組織については内部通報の体制整備義務が課せられています。そこには、組織の中で、内部の通報ということで、窓口・受付から調査・是正に至るまで、体制を整備して下さいというようなルールになっています。一方で、外部のほうへの窓口というところは特に定めがありません。特に設置をしなければならないというルールではありませんので、その辺りで、民間企業の場合には、例えば、コーポレートガバナンス・コードという形で、行動指針の中で積極的に設置を求めています。一方で自治体のほうは、そういった強制力があるようなルールがありませんので、そういったところはもう少し外部のところも幅広に、心理的なハードルを下げるためにも、外部の窓口を置いていただきたいと思っています。

桑子:
告発した人をどう守っていくのか。今、国では公益通報者保護制度の見直しの議論が進んでいます。

この中では、公益通報を理由にした降格や減給などの不利益取り扱い、それから、通報者を捜すことなどに対して、罰則を設ける案が挙がっています。日野さん、これ、罰則を設けることで声を上げやすい環境というのは生まれていくんでしょうか。

日野さん:
通報者の方々は、最後、不利益を受けてしまうということは当然、想定もしていませんが、やはり非常に恐れています。ですので、抑止的な効果として、罰則をしっかりと置いていく。これは非常に重要なポイントだと思っています。これは、海外でも、例えば、ドイツやフランスにおいても罰則を付けておりますので、この辺りをしっかりと参考にして、今後の日本の法律の検討を進めていく必要があると思いますし、一方で、例えば、通報者の方が誰かを陥れようという意味で、乱用的な通報というところも懸念がありますので、この辺りは不正の目的かどうかというところの線引きをしっかりとしていく。今後の課題だと思っています。

桑子:
おかしいと思った時におかしいって声を上げられる社会であってほしいなと思うんですけれども、そのために必要なことはどういうことでしょうか。

日野さん:
やはり、今回の事案を風化させないためにも、まずは、この事件については公益通報が最初の発端だったというところをもう一度振り返る必要がありますし、公益通報者の役割、また、公益通報者保護制度の今後のあり方ということを一人一人がしっかりと考えていかなければいけない。また、組織側も真摯に声を聞くという姿勢が今後も必要になってくると考えています。

桑子:
今回のことが公益通報かどうか、もし裁判が行われたら明らかになっていきますけど、江藤さん、自治体の運営が健全にされるために、私たち市民はどういうふうにあるべきでしょうか。

江藤さん:
地方自治というのは民主主義の学校といわれているんですね。ここが空洞化したら全体がだめになっちゃいますね。政策も地方自治体は結構、多くのことをやっているんですよ。今回の場合は、危機管理というか、行政の体質問題で閉鎖的なんですね。これを開放型にしていかなければいけないということで、職員参加というのはもちろんなんですが、住民がそれにどう関わっていくか。選挙という手法はありますけれども、選挙だけではなくて、日常的に参加できるような空間、こういうのが必要ですね。そのためには、例えば、行政のほうでも手を挙げる公募制の議論とか、抽せん制なんかもできています。議会側も、議会の意見交換会もできている。ただ、参加、開放だけじゃなくて、成果を出さないとなかなか住民は参加しないですよ。

桑子:
どう参加していけるかですね。

見逃し配信はこちらから ※放送から1週間はNHKプラスで「見逃し配信」がご覧になれます。
2024年9月30日(月)

“新伝説”大谷翔平 史上初「50-50」の舞台裏

“新伝説”大谷翔平 史上初「50-50」の舞台裏

前人未到の偉業ですら、もはや通過点に過ぎません。メジャーリーグ史上初の「50-50」達成後も記録を更新し続ける大谷翔平選手。異次元の活躍を徹底分析!本塁打を量産しながら盗塁数を倍増させる、常識破りの「パワーとスピードの相乗効果」、その秘密とは?さらに、チーム関係者の証言からは大谷が悲願のワールドチャンピオンに向けて、ある“アプローチ”に挑む姿も明らかに。新伝説はいかにして生まれたのか。舞台裏に迫りました!

出演者

  • 井口 資仁さん (元メジャーリーガー)
  • 桑子 真帆 (キャスター)

※放送から1週間はNHKプラスで「見逃し配信」がご覧になれます。

大谷翔平“新伝説” 独自取材で迫る舞台裏

大谷の偉業達成を支えた1人、トラビス・スミスコーチです。
1か月ほど前、「50-50」を目指す決意を大谷から打ち明けられたといいます。

コンディショニングコーチ トラビス・スミスさん
「40-40を達成した時、大谷は冗談めかして『50-50もいけるかな』って言ったんだ。そして、付け加えた。『僕ならできる。絶対にやってみせる』」

今シーズン、10年で総額1,000億円以上というプロスポーツ史上最高額で名門ドジャースに移籍した大谷。

右ひじを手術し、指名打者での出場に限られる中で、こだわっていたのが盗塁だったといいます。

トラビス・スミスさん
「大谷とは、キャンプの時から盗塁の話をしていた。彼は自分の加速力をさらに伸ばせると気づいたんだ」

アメリカに渡って以来、パワーをつけようと体を大きくしてきた大谷。スピードに磨きをかけるため、鋭い前傾姿勢をとって、トップスピードに乗る練習を繰り返しました。

トラビス・スミスさん
「スタートの爆発力をどう出すか、僕たちは取り組んだ。上半身をいかに速く前に出すかにこだわったんだ」
実況
「大谷すごいスタート。快足だ。相手キャッチャーは投げられない」

スタートの加速力を磨いたことで、二塁への盗塁の平均タイムは、昨シーズンより0.3秒も短縮しました。

実況
「大谷走った。こんなに簡単に決めるとは」

今シーズン、盗塁の成功率は驚異の93%以上。ある場面では、ピッチャーが投球動作を始める前に走り始めていました。ドジャースの走塁コーチは、抜群のスタートの背景に、大谷のピッチャーとしての経験があると明かしました。

一塁コーチ クレイトン・マッカローさん
「投手の投球動作、体重のかけ方まで大谷は研究している。投手としての経験によって、相手の癖を細かく見抜くことができているんだ」

ランナーを背負った場面。ピッチャーは、バッターに投球するか、けん制するかで、グラブの位置や首の傾き、体が動き出す場所などに細かい癖が出るといわれています。
大谷は、タブレットなどでピッチャーの映像を繰り返しチェック。その癖を徹底的に見極めていたのです。

クレイトン・マッカローさん
「大谷の偉業は偶然ではない。肘(ひじ)のけがで投げられない分、盗塁を磨くために時間を使っていたんだ」

では、自己最多・54本のホームランを記録したバッティングには、どんな進化があったのか。

打線の中核としての期待を背負い、臨んだシーズン序盤。

実況
「空振り、変化球に手が出てしまった」

大谷は、際どいコースを攻められ、ボール球に手を出すケースが目立っていました。

これは、大谷がスイングした球のデータ。赤が濃いほど、割合が高いことを示しています。詳しく分析すると、ボールゾーンの球を打ったケースが3割以上に上っていました。

打撃コーチ ロバート・バンスコヨックさん
「大谷はボール球を振ることも少なくなかったが、それを厳密に見極める力をつけ、成果を上げた」

自分のバッティングに集中するため、6月から始めたのが、このルーティーン。打席に入る際、バットを使い、軸足の置き場所を確認します。常に同じ位置に立つことで、視点を定めることがねらいだといいます。

ドジャース 大谷翔平選手
「同じ位置で立つというのが一番大事なことではあるので、球場によって(バッターボックスの)ラインの太さが違ったりするので、そこで多少ずれたりすることがないようにしたいと思っています」

このルーティーンを取り入れて以来、ボール球を振る割合は減少。真ん中付近の甘い球をスイングする割合が上がったのです。

そして、終盤に量産したホームラン。
実は、その裏に盗塁が深く関わっていたことも見えてきました。
今シーズン、大谷に5本のホームランを許したロッキーズ。キャッチャーのストーリングスです。

ロッキーズ 捕手 ジェイコブ・ストーリングス選手
「ホームランに加え、盗塁があることで、僕たちはやられた。大谷が塁に出れば、かなりの攻撃力になるからだ」

大谷に53号のホームランを打たれた、9月22日(現地時間)の試合。

実況
「大谷がセカンドに走った。盗塁成功だ」

ロッキーズは序盤から、大谷に2つの盗塁を決められていました。

ジェイコブ・ストーリングス選手
「大谷を塁に出せば、返り血を浴びる。盗塁があるから、四球は二塁打や三塁打と同じ意味になるんだ」

そして、1点リードで迎えた9回の裏。先頭打者で迎えたのが、大谷。
塁に出したくないバッテリーは、ストライクで勝負せざるをえませんでした。

実況
「大谷、右中間にたたき込んだ。止めようがない」

盗塁の進化が相手の選択肢を狭め、ホームランを打つチャンスへとつながっていったのです。

ジェイコブ・ストーリングス選手
「彼が成し遂げたことはとてつもない。メジャーリーガーみんなが恐れおののいているよ」

今季の偉業を徹底解説!

<スタジオトーク>

桑子 真帆キャスター:
ここからは、元メジャーリーガーで、ワールドシリーズ制覇を2回経験されている井口資仁さんとお伝えしていきます。よろしくお願いいたします。

メジャーリーグ史上初めて、ホームラン50本、50盗塁の「50-50」を達成した大谷選手。この記録がどれだけの偉業なのか、こちらで見ていきたいと思います。
これまで「30-30」を達成したのは47人。それが「40-40」になりますと一気に6人にまで減るんですね。

大谷選手は、その記録を大きく上回り「50-50」まで到達。さらに更新を続けたということで、井口さんは日本のプロ野球でホームラン30本、40盗塁を達成されましたけれども、大谷選手のこの記録って想像されていましたか。

スタジオゲスト
井口 資仁さん(元メジャーリーガー)
ワールドシリーズ制覇を2回経験

井口さん:
いや、想像はしていなかったですね。「50-50」近くは行くだろうとは思っていましたが、これまで大谷選手は偉大な記録を達成してきていますが、それは投手と、そして、野手として、二刀流という中での結果でしたから。今回の「50-50」という数字は、これまでMLB、歴代で誰もできなかったことを達成していますし、そのさらに上を行っていますから。これ、今までの野手全体を見ても、はるかに上を行きましたね。

桑子:
あと、両立というのは難しいことなんですか。

井口さん:
そうですね。ホームランバッターのパワーと盗塁のスピードというのは、やはり真逆の位置にありますので、これをまた両立したというのはすごいことだと思いますね。

桑子:
井口さん、2024年のキャンプで、実際に大谷選手の練習をご覧になったということですけれども、どういうところが印象的でしたか。

井口さん:
非常にスタートの練習に力を入れてるなというのが分かりましたね。その中で2024年、盗塁数を増やしたいということで、非常にスタート、いかに少ない歩数で加速をするかという練習をしていたのが印象に残っていますね。

桑子:
走塁に力を入れていたわけなんですね。それで、実際にシーズンが始まりましたと。フォームに変化を感じられたということで、実際にやってみていただきたいと思います。

井口さん:
一塁と二塁を結ぶ、このラインがありますよね。2023年までは、ここに足を平行に置いていたんですね。なので、どうしてもスタートを切る時にセカンドのほうに体を向けますから、タイムのリスクというのがありましたけれども。

2024年は、一歩後ろにすることによって、すでに体がセカンドのベースのほうに体が向いてるんですね。なので、非常にスタートを切りやすい。ここでタイムをかなり削減できたということになると思いますね。

桑子:
でも、それだけ、戻る時というのは、かなり大きく戻らないといけないですよね。

井口さん:
はい。そう思うんですが、ラインよりもかなり後ろに立ってるんですよね。

後ろに立つことによって、真横ではなく左の前にベースに戻るようなイメージになるので、戻ることに対しても、そんなに気を使わなくて済むようになりましたね。

桑子:
絶妙な位置を取って、この数字にたどりついたと。ありがとうございます。
実は、この盗塁というのは、メジャーリーグ全体でも増加傾向にあるんですね。その要因の1つがベースの大きさです。

右は昨シーズンよりも前にもともと使われていたベースなんですが、昨シーズンからは一回り大きくなりました。一辺当たり、およそ7.6センチ大きくなったことで、塁間の距離が短くなったんですね。このルール変更によって、大谷選手も盗塁の数を伸ばしているという指摘もあるんですけれども、ここで見ていただきたいのが、盗塁の成功率なんですね。

ルール変更のあと、昨シーズンと比べましても、今シーズンは20ポイント近く高くなって93.6%。これ、ものすごい高い数字ですよね。

井口さん:
これは非常に高い数字だと思いますね。

桑子:
なぜ、こんなことができるんでしょうか。

井口さん:
これは、しっかりと、やはり投手の癖だったり、バッテリーの配球を見ながら、確信をもって確実にスタートを切れているということですよね。

桑子:
あとは、到達する位置にも注目されているということで。

井口さん:
そうですね。スライディングなんですけど、やはりベースが大きくなったことによって、ある程度、足を入れるスペースができてきているんですよね。そこにしっかりとまっすぐ足を差し込んでいるという形になりますね。なかなかスライディングの練習というのはキャンプとかではできないんですけれども、2024年、走っている中で、さらにスライディングの技術というのが上がってきましたよね。

桑子:
実戦を重ねながら技術も上げていっているという。

井口さん:
走りながら、どこにタッチに来るかというのを予想しながら、足をそこに入れていくという作業ができていますね。

桑子:
大谷選手の偉大な記録は、この「50-50」だけではないんですね。9月30日にレギュラーシーズンを終えた大谷選手の成績をまとめました。

もう、1位と2位しかないんですよね。まだ試合が残っているチームがあるので確定はしていませんけれども、ホームラン王と打点王のリーグ二冠はほぼ確実です。打率は1位とわずかな差で2位。三冠王も目前に迫っていたんですよね。他にも得点、出塁率、そして、出塁率と長打率を足したOPSも1位だったということです。井口さんは、今回の成績の中で注目されているところはどこでしょうか。

井口さん:
「50-50」に注目が集まりすぎましたが、やはり、ホームランですよね。2023年はア・リーグ、2024年はナ・リーグでホームラン王を取ったということ。打率も2年連続で3割を打ったということで、しっかりと打率もホームランも残せているということになりますよね。あとは打点ですかね。1番で130打点ですから、とんでもない数字だと思います。

桑子:
どれもとんでもないということがよく分かります。
こうして華々しい成績を残した大谷選手ですけれども、実は、表立った成績に表れないところでも、チームに貢献する好プレーを続けていたことも見えてきました。

すべては勝利のために

今シーズン、大谷が見せていた、もう一つの姿。

実況
「おっと!バントの構えだ!怪物のような男が駆け抜ける!まさか、こんなことまでやるなんて!」

相手の意表を突くセーフティーバント。ランナーがいる場面では右方向へのバッティング。自分はアウトになってでも、ランナーを進めます。必ずしも記録や数字につながらない、チームのためのプレーにも積極的だったのです。

大谷翔平選手
「状況によって、それが生産的なアウトならまったく問題ない。今日のアウトはどちらかというと、そういうアウトだと思う。そういうアットバット(打席)が多くなると、チームとしても波に乗ってくると思う」

こうした意識は走塁にも。
大谷が二塁にいる場面。

実況
「大谷のスピードで抜け目なく三塁を奪った!左中間のフライでタッチアップ成功なんて大谷だけ!」

紙一重のタイミングで三塁を陥れます。
こうした大谷の貪欲なプレー。ドジャースに来てから、特に磨きがかかったとチームメートは見ていました。

ドジャース テオスカー・ヘルナンデス選手
「彼は自分の数字なんて気にしていない。勝利のために何ができるかだけなんだ。だから、今年のチームにとって、彼はとても特別なんだ」

大谷が徹したチームプレーは、名門ドジャースが目指す野球そのものでした。
チームが至上命題とするのは“ウイニング・ベースボール”。勝利のために、スター選手でも次につなぐ意識を強く持ってプレーします。勝利へのなみなみならぬ意識が、すべての選手に徹底されているのです。

ドジャース デーブ・ロバーツ監督
「“ウイニング・ベースボール”に集中させることが私の仕事だ。チームを勝たせるためなら、何でもやるという姿勢に全員が賛同していて、それが信頼につながっているんだ」
ドジャース ムーキー・ベッツ選手
「私はあらゆる方法でチームの勝利に貢献できると思っていて、常にそういう責任感を持つことは、とても重要だと思っているよ」

“ウイニング・ベースボール”で地区首位を走ったドジャース。
大谷が望んでいたヒリヒリした9月が訪れました。
シーズン終盤、追いすがったのは2位のパドレス。3ゲーム差まで迫られていました。

優勝がかかった直接対決の3連戦。
ここに、大谷の姿勢が象徴的に表れていました。
初戦を落とし、追い詰められた第2戦。3対3で迎えた6回の攻撃。

実況
「先頭打者スミス、四球を選んだ!」

2人がフォアボールを選んで出塁し、チャンスで大谷に打順が回りました。
追い込まれてからの5球目。

実況
「ゴロだ!転がしてセンター前にヒット!大谷の勝ち越し打!」

大振りせずにセンター返し。これが決勝点となりました。

ドジャース ギャビン・ラックス選手
「大谷は追い込まれたら、バットを短く持ってヒットを狙う。彼はチームに火をつける男なんだ!」

勝てば地区優勝が決まる3戦目でも、流れを引き寄せたのはドジャースの勝利への意識。
中心にいたのは、大谷でした。
7回、同点に追いつき、なおもワンアウト、一塁二塁。

大谷翔平選手
「本当にヒットを打つことだけ考えて、自分の打席に集中しよう」

3球目、アウトコースの球を、あえて右方向に引っ張りました。仮にアウトになっても、ランナーを進めようというバッティング。一、二塁間を抜け、勝ち越しのタイムリーになりました。さらに、一塁ランナーも果敢に三塁へ。ミスを誘い、大谷も二塁へ進みます。続くベッツもフルスイングせず、だめ押しのタイムリー。パドレスを突き放しました。

3年連続の地区優勝を決めたドジャース。
実は、この3連戦、大谷にホームランはありませんでした。

ドジャース デーブ・ロバーツ監督
「翔平は常にチームのことを第一に考えている。それこそが彼を、さらに優秀な野球選手にする。バッティングはこれまでになく良くなっている」
大谷翔平選手
「本当に全員いい仕事をして、いいゲームだと思うので、ポストシーズンに向けて、まだまだ頑張っていきたいと思う」

チームのための役割 今後も期待

<スタジオトーク>

桑子 真帆キャスター:
井口さんは、特にシーズン終盤の大谷選手の様子って、どういうふうにご覧になっていましたか。

井口さん:
ホームランも盗塁も常にチームが勝つためにということを常々言っていますし、もちろん自分自身の数字の目標設定もあると思うんですけれども、その中で一打席一打席、チームのための役割というのを果たしていますよね。こういう姿がチームにも浸透してきて、どの選手もやっぱり大谷選手に対してはリスペクトをしていますよね。

桑子:
本当に認めているのがよく分かりますよね。さあ、10月からはワールドチャンピオンをかけた戦いが始まります。今後の動きを見ていきたいと思います。

ドジャースは、この先、地区シリーズ、そして、リーグ優勝決定シリーズを勝ち進んで、ワールドチャンピオンをかけたワールドシリーズへと進むことができます。

直近のドジャースの成績を見てみますと、昨シーズンまで11年連続でプレーオフには進出しているんですけれども、ワールドチャンピオンになったのは2020年、たった一度だけなんですね。しかも、この間で5回は地区シリーズで敗退しているんです。ドジャースでもという感じがしますけれども。やはり、レギュラーシーズンとポストシーズンというのは大きく違うものなんですか。

井口さん:
そうですね。ここは本当に短期決戦になりますし、1か月はあるんですけれども、この中で、いかに勢いに乗れるかというところだと思うんですね。ドジャースは地区では優勝しているんですが、勝ち上がってくるチームというのはワールドカードシリーズで勝って上がってくるチームなので、いつも、この勢いに負けてしまっているんですよね。そういう意味では、ドジャーススタジアムで初戦が始まりますから、1回の裏の大谷選手1番という役割は非常に大事になってくるのかなと思いますね。大谷選手が出る出ないで、チームの勢いが全く変わると思いますね。

桑子:
ここでも勝負強さが求められる大谷選手。でも、ここで期待できますよね。

井口さん:
もちろん、そうですね。これまでの活躍というのは、われわれの想像をはるかに超える活躍をしていますし、やはり、こういう重要な試合になればなるほど、力を発揮する選手だと思っていますね。

桑子:
記憶に新しいのは、2023年のWBCでの活躍ですけれども、その成績もご覧いただきながら、大谷選手に何が求められて、どういう結果を出してほしいかというのをぜひ伺えますか。

井口さん:
やはり、この9月でも、チームの成績、そして、個人成績がある中で集中力を増して結果を出しましたから、このポストシーズンも含めて、しっかりと大谷選手がチームを引っ張っていくということが、いちばんの大谷選手の役割にはなりますよね。

桑子:
それをかなえてほしいところですし、2024年のプレーオフは日本選手が本当に多く出場するので、そのあたりも楽しみですね。

井口さん:
楽しみですよね。やはり最終的にはワールドシリーズで、日本人同士の対戦を見てみたいですよね。投手陣が多いんですけれども、非常にみんな調子がいいので、楽しみです。

桑子:
井口さんはどんな楽しみ方をしたいですか。

井口さん:
やはり大谷選手の打つところを見てみたいですし、日本人同士の対戦がいちばん見てみたいですよね。

桑子:
そうですね。かなり盛り上がることになりそうですよね。ありがとうございます。
大谷選手のプレーオフの初戦は10月6日です。これまで、本当に想像をはるかに越える活躍で私たちを驚かせてきましたから、このプレーオフでどんなプレーを見せてくれるのか、楽しみにしたいと思います。

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