この春、インターネット上のある学術出版社のサイトが「怪しすぎる」と研究者の間で話題になった。本拠地を「北海道」と称し、日本の研究者に論文投稿を呼びかけているのだが、論文は一本も掲載されていない。査読(論文の内容チェック)がずさんで粗悪な学術誌は「ハゲタカジャーナル」と呼ばれる。このサイトも、これから羽ばたかんとするハゲタカ誌の「卵」なのでは――。
ハゲタカ誌は、研究者から受け取る掲載料を目当てにした悪質なビジネスだ。記者はこれまでもこうした横行を取材してきた。調べてみるとサイト運営者は「私たちは学術誌の出版社です。原稿投稿をご招待いたします」と、おそらくは機械翻訳であろう日本語を使っていた。
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