女優、橋本環奈がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「おむすび」(月~土曜前8・0)で28日、橋本演じる米田結が幼い頃住んでいた神戸で、阪神・淡路大震災に遭うシーンが放送された。放送では地震が発生したときの様子が描写され、避難所の様子も登場。多くのエキストラが参加した上で当時さながらに再現されている。X(旧ツイッター)ではこの日の放送後、「地震の描写」がトレンド入りした。
この日の放送(第21回)では、地震のシーンの前に、画面右下に「このあと地震の描写があります」とテロップで注意喚起がおこなわれた。また、同ドラマの公式インスタグラムによると、避難所シーンのエキストラには、当時被災した経験を持つ人も参加しているという。
Xでは「画面に『このあと地震の描写があります』って出た。確かに今見ていて、自分でも思ったよりしんどいかも」「テロップが小さく出て、覚悟はしてたけど、やっぱり、やっぱりきつい…」「地震の描写がリアルだったな。最後のおむすびを持ってきてくれたおばちゃんのシーンで泣いてしまった」という感想が投稿されている。
また、地震そのもの以上に避難所の描写に強い印象を受けた人たちも多いようだ。「地震の描写よりも、被災した皆さんが小学校に避難した様子がきつかった。階段に呆然(ぼうぜん)と座る人たち、パジャマにコートを羽織ってる人、防災意識が高くなっている今とは違い、厚いシートやテントなんか用意されてないものね」「ダメだ、どうしたって泣いてしまう。地震の描写は覚悟していたけど、避難所の様子をこんなにきちんと描いてくるなんて。どの人たちも大人しく整然としていて、悲しみや不安をそれぞれに抱えている」といった声が投稿されている。
★以下ネタバレあり
同ドラマは、橋本演じる福岡県の糸島で育ったギャルの米田結が、栄養士となり、現代人が抱える問題を食の知識とコミュ力で解決していく物語。結は神戸生まれだが、震災での被災をきっかけに父・聖人(北村有起哉)の出身地・糸島に6歳のときに一家で移り住んでいる。
放送では、1995(平成7)年1月17日午前5時46分。天井の電灯が揺れ始め、次第に激しくなる。幼い結(磯村アメリ)と姉の歩(高松咲希)が寝ている部屋ではテレビが台ごと倒れ、衣装ケースも倒れ、天井が落ちてくる。歩は寝ている結に覆いかぶさって守る。ガタガタという地震で多くの物が揺れる音、ガラスの割れる音、地鳴りのような音響…。早朝の街も灰色でほこりっぽい様子だ。
一家の避難先の宝井小学校では、階段にも避難してきた多くの人たちが座り込み、夜になると体育館や教室でわずかな明かりを頼りに過ごす。結たちも寒い中、床板の上で毛布にくるまって過ごした。早朝に発生した地震だったため最後の食事は前夜の夕食という人も多く、みんな空腹だ。
暗い中、地元ボランティアの女性らからの炊きだしのおむすびが届いて、避難者たちは感謝の声に沸き立つ。人数分には足りなかったが、みんなで分け合って食べる。持ってくるまでに道路が寸断されるなどで冷え切ってしまったが、結や歩もおむすびを口にする、というシーンが描かれている。