- はじめに
まず、このページの内容は当サイトの趣旨(インドの言語の学習支援)からは著しく逸脱していることをお断りしておく。
将来的にはこのページは当サイトから削除し、別の形で公開することになるかもしれない。
ただ、とりあえずは当サイトの雑感集に居候させておくことにする。
私事になるが、2005年の春、まんどぅーかは立て続けに「内田クレペリン検査」(以下「クレペリン」と略)なる適性検査を受けるはめになった。
まんどぅーかは長年塾講師や高校の非常勤講師をしてきたが、
思うところあってバス運転士への転職を画策し、
数社のバス会社の採用試験を受けた。
そのすべての会社でクレペリンを適性検査として実施するのだ。
恥ずかしながら最初の面接で落ちた会社もあるので、クレペリンを受けなかった会社もあるが、
その会社に受かっていればたぶんその後の選考の過程で受けることになったのだろう。
おまけ。なんとまんどぅーかは、勤務中の某私立高校でもクレペリンを受けるはめになった。
その私立高校が非常勤講師の数名を整理する口実として講師全員に「来年も働きたいなら試験を受けろ」と試験を実施したのだが、
その科目がなんとクレペリンだったのだ。
「教科や教育学の試験をするならともかく、よりによってクレペリンなんて」と憤慨したが、
いろいろ調べてみると、都道府県の教育委員会が実施している教員採用試験では、
けっこう多くの都道府県がクレペリンをやっているようである。
採用試験でなくても入社した新人にクレペリンを受けさせるところもあるし、
学校で生徒に受けさせるところもある。
ちなみにこの私立高校では、主に就職を志すコースに入学した生徒全員にクレペリンを受けさせている(だからその余りを講師に課したんだね)。
そんなわけでクレペリンはけっこう受検機会が多い検査だと思う。
しかし、クレペリンで何がわかるのかといった情報は非常に乏しい。
クレペリンを実施している日本・精神技術研究所は、
原則として個人向けの検査をしておらず、
企業や学校などしか相手にしない。
そして「素人が自己判断するのは危険」という名目で、
どういう判定の仕方をするのかを一般には公表していない
(後述のように個人受検の道は1つだけあるし、判断基準・方法も一応公開されている)。
採用試験として課された場合は、
どういう判定が自分になされたかが受検者には知らされずじまいになってしまう。
本来、クレペリンは性格分析テストなのだから対策をたてる必要はないはずだが、
就職難の折から、できるだけよい結果を出したいと思うのは受検生の当然の心理である。
バス会社や教員試験関係の掲示板を見ると、
クレペリン対策に頭を悩ませている人はずいぶん多く、
情報の不足から不正確な知識も横行している。
よかれと思って行った作為で逆に不利な結果を招いた人も多いようだ。
たとえば、まんどぅーかが某社で出会ったある人は、
作業曲線のギザギザを嫌って、わざと右側をきれいにそろえていた。
しかし後述のように、ギザギザはできるのが当たり前なのであり、
右側がきれいにそろっているのは逆に非定型と判断され、
不利な判定が出る。
この場合は「物事に感動せず、反抗的・不熱心な態度」と評価されてしまうのだ。
リクルート活動でもしない限り今後はクレペリンなんて受けることはないだろうが、
ちょうどいい機会に、
まんどぅーかが考える「内田クレペリン検査攻略法」をまとめておくことにした。
クレペリンに悩む人の参考になれば幸いである。
なお、当然のことながら、これはあくまでまんどぅーかが私的に考えた攻略法である。
今後もしまんどぅーかがクレペリンを受けることになれば、
以下のような攻略法で臨むことになるだろうが、
これをやったことであなたにどんな不利が降りかかろうと、まんどぅーかは責任をとらない。
あくまで自己責任でやってもらいたい。
- クレペリンとは?
「クレペリンって何?」という人はまず、実施している日本・精神技術研究所のサイトの説明を読んでもらいたい。
類似のテストにたとえば日本心理テスト株式会社の実施している「スーパークレペリン」などがあるが、
とりあえずここでは日本・精神技術研究所の実施している内田クレペリン検査のみを扱う。
説明を読んでいただければわかるように、
1桁の足し算の結果の下1桁をずーっと書いていく検査であり、
よく「足し算耐久レース」などと揶揄される。
用紙は横長で、上半分と下半分にそれぞれ17行116列の数列が書いてあるので、
合図に合わせて各行の数列の隣り合う2つの数の足し算の答えの下1桁を、
その数の間に書き込んでいく。これを左から右にやっていく。
1分間たったらその行はおしまい、次の行に移る。
こんな感じで前半15分、休憩5分、後半15分の検査をやる。
各行の作業時間はぴったり1分間だが、
最終行だけは、スタートから15分目で号令がかかるので、
誤差の累積により異様に短くなるかもしれない。
検査の前に数分間、やり方の説明と練習の時間がとられている。
この説明や合図はまるごとCDに吹き込まれていて、
検査はこのCDの説明や合図にあわせて行う。
筆記用具はHBの鉛筆2本。シャープペンシルは不可。なぜ不可なのかは後述する。
誤答した場合は消しゴムで消さずに斜線をひいて正答を書いて先に進む。
うっかり行飛ばしをした場合には戻ることなく先に進む。
また、1行すべて終わった場合(まずありえない)には次の行に進む。
だから検査用紙は2行分余計にあるわけだ。
この足し算の作業量の変化や誤答数(上記の作業で訂正すれば誤答ではない。
直していない誤答のこと)などから、
その人の性格を判断しようというわけである。
ではどのような点からどのような性格判断がなされるのだろうか。
前述のように日本・精神技術研究所ではこの判断基準を一般には公開していない。
あくまでこの研究所に判定してもらうのが原則である。
が、説明にもあったように、判定法の講習会を開いているので、
まるきり判断基準が非公表というわけではない。
が、この講習会は平日の1日7時間×4日間連続、89250円(!)もするので、
おいそれと受けるわけにはいかない。
また、土屋書店というところから『内田クレペリン検査完全理解マニュアル』という本が出されている(2004年版、2005年版というふうに毎年新たに出ているようだ。
以下の説明では「本」「この本」などという)。1575円。
本には検査用紙がついていて、
これに2040円を同封して現金書留で日本・精神技術研究所に送ると判定をしてくれる。
これがクレペリンの個人受検の唯一の方法である。
なお、この本以外にも研究所からいくつか書籍が出ているようだが、
一般の書店で入手しやすいのはこの本のみである。
これから書くまんどぅーか流・クレペリン攻略法は、
この書籍に書かれている情報をもとにまんどぅーかが考えたものである。
詳しくはこの本を読んでもらいたい。
- 判断の概略
各行のどこまで計算が終わったか、
一番右側の答えのところを線でつないでいくと、
作業量を表す曲線ができあがる。
この曲線の形状をもとに性格を判断するわけである。
- まずは作業量。一般的には多ければ多いほどいい。
もちろん各行の作業量にはムラ・バラツキがあるはずだが、
前半・後半の各行の作業量がおおむねどのあたりにあるかで次のように区分する。
区分 | D | C | B | A | マルA |
前半 |
-10 |
10-25 |
25-40 |
40-55 |
55- |
後半 |
-15 |
15-30 |
30-45 |
45-65 |
65- |
判断 |
はなはだしく不足 |
かなり不足 |
いくらか不足 |
不足はない |
水準が高い |
境界線のあたりをうろうろしている場合の区分法など、詳細はこの本を参照のこと。
この作業量だけでも、知能・処理能力・積極性などの判断ができる。
それが上の表の「判断」のところである。
「いくつできたか数えるのが大変」と思うかもしれないが、
検査用紙の裏側には数字が書いてあるので透かしてみればわかるし、
実は検査用紙の表側をよーーーく見ると、
前半と後半のしきり線のところに、
意味不明の短いタテ区切り棒がいくつか立っているのがわかる。
これがまさに上の表の区分なのである。
受検の際に参考にしていただきたい。
マルAは前半55以上、後半65以上だが、検査用紙の約半分にあたる。
とりあえずは「検査用紙の右半分にかかるのをめざしてがんばる」というのが簡単でよい。
上の表でわかるとおり、後半のほうが判定が厳しい。
後半のほうが作業量をこなすことができると期待されているわけだ。
私などは「後半は疲れてきて作業量が落ちるはず」と思っていたが逆なのである。
とりあえずクレペリンは後半が勝負ということをキモに銘じていただきたい。
- 誤答の数。
答えはもちろん点検され、誤答にはマルがつけられチェックされる。
誤答があまりにも多いと、上記の作業量のランクが下げられてしまう。
もちろん誤答はないにこしたことはないが、
誤答ゼロというのも大変である。
一度受検すればわかるがクレペリンはけっこうしんどく、
終わりのほうになると意識がもうろうとしてきて、誤答してしまうものである。
それをいちいちケチをつけられたのではたまらない。
実は誤答の検査には隠されたポイントがあるのである。
- まずは前半・後半とも11行目の誤答数が調べられる。
- どちらかの行に誤答が3個以上あった場合は、
誤答のあったほうの前後の行(10・12行目)および、
前半・後半とも2行目の誤答数を調べられる。
- ここでチェックしたすべての行で誤答がある場合は「誤答の多発」という判定をうける。
- これ以外でも誤答が多く出ていれば「誤答の多発」という判定をうける。
というわけで、特に2行目、10~12行目あたりがポイントなので、
これらの行では多少作業量が減ることになっても、気持ちをひきしめて臨み、
誤答を減らすように努力したい。もちろんその他の行でも誤答していいわけではないが。
また、わずかな誤答なら出て当たり前なので、
斜線をひいて訂正する時間が惜しければ、
誤答に気づいても(たいていの誤答は、書いた直後に「あっ、しまった」と気づく)ほうっておくという作戦も考えられる。
- 作業曲線の形など。
作業曲線は通常は次のようになるはずである。
- 前半・後半ともある程度のギザギザを伴う。
- 前半はおおまかにはU字あるいはV字型(つまり最初と最後の行はたくさんでき、途中がバテている)になり、後半はゆるやかに下がる形になる。
- 後半のほうが前半より量をこなしている。
- 後半の最初の行が最大作業量をマークしているはずである。
逆に次のような特徴は非定型としてチェックの対象になり、
概略、次のような判定をうける。
具体的にどの程度であれば非定型とみなすかはけっこう難しい。
詳細はこの本を見ること。
- 誤答の多発……自己の制御が難しい
- 大きな落ち込み……一時的に放心、思考硬直化が起こる
- 大きな突出……一時的に気持ちが高ぶる
- はげしい動揺(ギザギザ)……情緒不安定
- 動揺(ギザギザ)の欠如……無感動、反発、不熱心な傾向
- 後半作業量の下落……気力の衰弱、疲労回復力の低下
- 後半初頭のいちじるしい出不足……気乗りが遅い
- 作業量のいちじるしい不足……基礎能力が低い
というわけで、前述のように、右側を意図的にきれいにそろえてはいけないのである。
あまり作為的なことはしないことである。
- 総合判定。
作業量、誤答数、作業曲線の形(非定型の状況)から24の型別に分類し、判定を出す。
膨大になるので省略。この本を参照のこと。
- いよいよ対策
以上で、クレペリンの大ざっぱなポイントがわかったと思うので、
以下はまんどぅーか流の対策を考えてみる。
- 後半がんばる……上にのべた通り、クレペリンは後半が勝負。
疲れてしまう傾向の人は、前半はセーブしてでも後半に賭けたい。
- 多少の誤答は気にせず量を優先……誤答訂正もけっこう時間をくうので、多少の誤答は気にせず無修正で先に進む。
コンスタントに右半分にかかる自信のある人は訂正してもよい。
なお、誤答チェック行(2、10~12行目)には要注意。
- 鉛筆は持ち替えない……鉛筆は2本以上渡されるはず。持ち替えていると時間をくったりテンポを乱したりするので、前半で1本、後半で1本使う。
先がまるまっても気にしない。
なお、いいかげんな会社ではシャープペンシルでもOKというかもしれないが、
シャープペンシルは絶対にマズい。
芯が折れたり減ったりして、ノックするのにかなり時間をとられ、作業量に多大な影響を与えるし、動揺につながったりする。
念のため必ず削った鉛筆を2本以上用意するようにしたい。
- 雑念を振り払って集中する……雑念が起こるとけっこう量が減るし、誤答やモタツキにつながる。
- 余計な作為はしない……受検中にいろいろなことに気を配ろうとして余計な作為をしてもムダ。
作業曲線の形が悪くなって非定型と判断されるのがオチ。
作業量も減ってしまう。
ともかく後半の作業量を増やすことと、
(特にチェック対象行の)誤答を減らすことに専念するのがよい。
- どうしても気になるなら1回練習する……
一番最初の受検では勝手がわからないので、
「いつこの足し算耐久レースは終わるんだ」と思って余計に疲れてしまう。
このページや日本・精神技術研究所のページの説明を見て要領を得ておく。
どうしてもというならこの本を買ってきて練習してみるとよい。
なお、号令は正確に行われなければ正しい判断はできないので、
まるっきり一人で受検するのはつらい。
この本に載っている号令のタイミングにあわせて自分で号令テープなどを作成しておいて、
いろいろな妨害が入らない深夜などにやるとよい。
- 結果を公表してほしい
それにしても立て続けにクレペリンを受けた私はさすがに疲れた。
週に3回受けたこともある。
こういうのは大学入試センター試験みたいに、公的な機関で一度だけ受検して、
そこで必要なだけ成績票を出してもらって各会社に持ち込めるようにしてほしいな。
ま、一生のうちでこういうのは何度もないんだろうけどね。
それから、単純な足し算とはいえ、かなりしんどい検査なのだから、
その検査結果を本人にも開示してほしいよね。
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