個人情報保護法の改正を巡り経済界がルールの緩和を求めている。AI時代を見据えたデータ活用を念頭に置くべきだとの声が官民それぞれから出るものの、議論の行方は見えないままだ。慶応大学法学部の山本龍彦教授は、野放図なプロファイリングやセグメンテーション(分類)によって、人間の自律的な意思決定がゆがめられるリスクに警鐘を鳴らす。浮かび上がるのは憲法の理念を欠いた日本のデジタル政策の危うさだ。(取材・構成は伴正春)...
ご登録で全文お読みいただけます。
今なら無料体験キャンペーン実施中です。(~11/15)
個人情報保護法、規制と執行すべての合理化を 宍戸教授
3年ごとに実施する個人情報保護法改正をめぐる議論が混乱している。消費者保護のため課徴金制度などの導入を検討していたところ、経済界が規制強化に強く反発。6月に個人情報保護委員会が中間整理案を公表した後で、7月から有識者検討会が始まる異例の展開となった。同検討会を含め、長年データガバナンスをめぐる多数の政府会議に参画してきた東京大学の宍戸常寿教授(憲法学)に話を聞いた。(聞き手は伴正春) 経営陣が知
理念なき「ハリボテ規制」の限界 ルールと憲法を読む5選
個人情報保護法などデジタル時代の実情に合わせたルールの検討や見直しが進んでいます。憲法の理念や考え方からみると、どうあるべきなのでしょうか。NIKKEI Digital Governanceで公開した記事の中から、デジタルルールと憲法をめぐる記事5本を選びました。 個人情報保護法、規制と執行すべての合理化を 宍戸教授 3年ごとに実施する個人情報保護法改正をめぐる議論が混乱している。消費者保護のた
個人情報保護法、波乱の「3年見直し」 個情委 vs 経済界
個人情報保護法(個情法)が2025年に改正される見通しだ。とはいえビジネスへの影響も多い同法の見直しは一筋縄ではいかない。法律を所管する個人情報保護委員会が打ち出した改正方針に経済界や自民党は早くも不満の声を上げている。内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室で15年の個情法改正にかかわった三浦法律事務所の日置巴美弁護士は、当局と産業界との対話が欠けたまま進む今回の見直しの危うさを指摘する。 始まっ