横浜市青葉区の住宅で住人の男性（75）が殺害された事件で、実行役が奪った現金の「回収役」で関与したとして、神奈川県警は3日、東京都足立区関原2、職業不詳、木本未穂容疑者（30）を強盗殺人容疑で逮捕したと発表した。逮捕は2日。
捜査関係者によると、木本容疑者は「秘匿性の高い通信アプリで指示を受けて回収に行った」と供述。神奈川県警は、回収された現金が事件の指示役側に渡った可能性があるとみて調べている。
逮捕容疑は、仲間と共謀して10月15日ごろ、横浜市青葉区の後藤寛治さんの住宅に侵入。後藤さんに暴行を加えて殺害し、現金約20万円を奪ったとしている。木本容疑者は「一緒に強盗したことは否定する。犯罪で得たお金を回収したことは事実」と、容疑を一部否認しているという。
捜査関係者によると、木本容疑者は住宅には侵入せず、実行役が奪った現金を東京都内の公園で回収したとみられる。公園付近の防犯カメラの映像などから関与が浮上した。
住宅に侵入した実行役は3人とみられ、個人事業主の宝田真月（まづき）容疑者（22）が強盗殺人容疑ですでに逮捕されている。実行役の一人は「公園の公衆トイレに現金を持って行った」と説明しているという。
首都圏を中心に相次ぐ強盗などでは、9月30日に東京都国分寺市であった強盗致傷事件でも、現金回収役とみられる職業不詳の樋口怜奈容疑者（30）が逮捕されている。樋口容疑者は9月30日早朝、千葉県柏市内の公園で実行役2人のうち1人と接触していたという。横浜市の事件とは、公園を現金の受け渡し場所にした点が共通している。
横浜市の事件については、千葉県市川市の住宅であった事件で強盗致傷容疑などで逮捕された自称飲食店従業員の久保田陸斗容疑者（21）と、この住宅の女性に対する監禁容疑で逮捕された職業不詳の藤井柊（しゅう）容疑者（26）の2人が関与した疑いも浮上しており、神奈川県警などが調べている。【横見知佳】
