『生まれながらの悪女 BORN TO BE BAD』1950年
懐かしいような、昭和バブル期の悪女だった。
あれもほしい、これも欲しい。
この映画では、金と男、どちらも欲しい。
欲しいもののためなら恥はない。シラフで何でもやる。
ぶりっ子とかカマトトとか、そういう昭和の流行語が頭を過った。
主役の悪女、クリスタベル↓。彼女には両親がいず、おじ夫婦に育てられた。おじは出版社社長。クリスタベルはおばと田舎で暮らしていたが、今回おじを頼って都会にやって来た。コネでおじの出版社で働かせてもらうつもりだったが、何の技術も知識もない彼女は、まずビジネススクールに通うことに。しかし間もなく学校に行かなくなってしまうクリスタベル。そんな中、彼女は出版社社員のドナの恋人の大富豪カーティスを自分のものにしたくなる。
クリスタベルが住むことになったのは、ドナの家。(左奥がクリスタベル、真ん中がドナ、右がカーティス)
この家にやって来た作家の卵ニック↓の強引な誘いにより、クリスタベルはニックと男女の関係に。しかしクリスタベルはカーティスを「入手」したい。
クリスタベルはカーティスに取り入り、一緒にドナへの婚約の宝石を買いにいくことになった。その宝石店で、クリスタベルは高価なネックレスと安価なカメオのネックレスを天秤にかけ、自分はカメオのネックレスがいいと思うが、ドナは高価な方を喜ぶだろうというようなことを言う。
店員の薦めで高価なネックレスを買って帰ると、ドナは嬉しそうにそれを首にかける。ドナは、カーティスとクリスタベルが一緒に宝石店に行ったことを知ると一瞬嫌がるが、さっと忘れようとする。
その後、「やっぱり高価な方を喜んだわね」というような発言をクリスタベルが言い、その雰囲気に気付きドナはネックレスを外そうとする。するとカーティスが「綺麗だ、似合っている」と言い、その場はそれで終わる。
その後もクリスタベルは、何とかカーティスに「ドナはあなたの財産目当てなんだ」ということを匂わせようとする。そしてその度に、「私は、あなたの友人だから心配なの」と恩着せがましく言う。「ありがとう、きみは本当に優しいね」とクリスタベルに言うカーティス。純粋げな笑顔を作るクリスタベル。クリスタベルはカーティスに、財産に関する婚前契約を提案。カーティスがそれをドナに提案するとドナは気分を害し、この2人は破局。
即クリスタベルがカーティスと結婚↓、となった。
しかしクリスタベルは、ニックが言っていたように「夢と現実は別」で、カーティスはあくまで夢なのだ。クリスタベルは慈善事業の仕事を言い訳に、カーティスを避ける。そうして、あるダンスパーティーの日。ニックと密会していたクリスタベルは、それをカーティスに見つかってしまう。それでも白を切るクリスタベル。その日は何とか誤魔化せた。
しかしある日、作家デビューが決まったニックとの密会の言い訳として、クリスタベルはカーティスに「危篤のおばの見舞いにいく」とのメモを残して消えた。
ニックとの密会↑を終えてクリスタベルが帰ってくると、カーティスは「どこへ行ってたんだ」。「書いたじゃない、おばが危篤だったのよ。でも治ったから帰ってきたの」。
すると後ろから「クララ(クリスタベルのおば)は死んだよ。きみに会いたがっていた」と(出版社社長の)おじ。おじはそれを告げると帰ってゆく。
「一週間ここを留守にする。その間に出て行ってくれ」とカーティス。
クリスタベルは、高価な毛皮数枚だけ持って豪邸を出る。
その後、カーティスはドナに再会、2人がよりを戻したところで、ジエンド。
こういうものはキャスティングが命で、この映画ではそれに成功していると思った。最初、薬にも毒にもならないような「お上りさん」的女性に見えたクリスタベル、次第に一滴また一滴と、毒が回って完全な悪女に染まっていった。
気障で気取っていて決め台詞ばかり吐くモテ男気分のニック↓が、昭和(平成初期含む)のトレンディドラマの石田純一+山下真司に見えて可笑しかった。
(今井美樹と石田純一)
真ん中が、『男女七人秋物語』での山下真司。
★Wikipediaより★
『Born to Be Bad』は、ニコラス・レイ監督、
ザカリー・スコット主演の
1950年のアメリカのフィルム・ノワール・メロドラマです。フォンテーヌは、欲しいものを手に入れるためなら何でもする、人を操る若い女性を演じています。
ベストセラー小説「All Kneeling」(1928年)が原作です。[2]
プロット
ドナ・フォスターは、出版社ジョン・ケインで働いています。彼女は、クリスタベルがビジネススクールに通っている間、彼の姪であるクリスタベルがサンフランシスコで彼女と一緒に暮らすことに同意する。
クリスタベルは、陰謀家で社会的に野心的な浮浪者であることを証明しています。彼女はドナの婚約者で裕福なカーティス・キャリーと、ドナの友人で画家のガブリエル・ブルームのパーティーでいちゃつく。彼女はまた、意欲的な作家ニック・ブラッドリーの興味を引き付けます。
ブルームに肖像画を描いてもらっていると、カーティスからの電話で彼女は熱心に宝石商に連れて行かれますが、彼がドナに婚約祝いを買うためのアドバイスを求めているだけであることに失望します。高価なものを買った後、クリスタベルはドナの心に疑念の種を植え付け、そんな豪華な贈り物を受け取ることで、ドナがカーティスに自分のお金を狙っているように見せかけているとほのめかして、彼女に罪悪感を抱かせます。
その後、クリスタベルは振り返り、狡猾にもカーティスに同じことをして、婚前契約を提案するように説得します。ドナは気分を害し、カップルは別れますが、それは最初からクリスタベルの計画だったことが判明します。カーティスが手に入るようになったので、クリスタベルはケインから小説が出版される予定のニックからのプロポーズを拒絶する。
ロマンスが発展し、クリスタベルはカーティスと結婚し、上流社会の女性になります。しかし、彼女はまだニックに惹かれていることが判明し、舞踏会の夜に彼を見て告白します。ニックへの感情を抑えきれず、彼女は秘密のランデブーのために休暇のリゾート地から滑り落ちます。しかし、彼女はニックに完全にコミットすることを望まず、カーティスの財産を確保できるまで秘密裏に不倫を続けることができると期待しています。ニックはうんざりし、彼女に出て行くように言う。
ニックとの再会の表紙として、クリスタベルはカーティスに、叔母のクララに会いに行くと伝えるメモを残した。彼女の嘘は叔父のケインによって暴露され、叔母はクリスタベルが彼女を訪ねていると主張している間に叔母が死んだことをカーティスに知らせます。カーティスは、クリスタベルが戻るまでにいなくなっていると言って飛び出します。
カーティスは、クリスタベルを高価な毛皮を数枚だけ持って帰った後、ドナと再会する。
キャスト
- ジョーン・フォンテーン(クリスタベル・ケイン・キャリー役
- ロバート・ライアン(ニック・ブラッドリー役
- ザカリー・スコット - カーティス・キャリー
- ジョーン・レスリー - ドナ・フォスター
- メル・フェレール(ガブリエル・'ゴビー'・ブルーム役
- ハロルド・ヴァーミリア(ジョン・ケイン役
- バージニア・ファーマー - クララ・ケインおばさん
- キャスリーン・ハワード - ボルトン夫人
- ベス・フラワーズ(ワーシントン夫人役
レセプション
映画評論家のデニス・シュワルツは、「ニコラス・レイ(理由なき反逆者/ジョニー・ギター)は、彼の輝かしい作品から数段階下がって、このくだらないがスタイリッシュに面白いメロドラマを指揮している」と書いて、この映画に賛否両論を与えました。それは、愚痴な社会的上昇者クリスタベル・ケイン(ジョーン・フォンテーン)についてのハリウッドの女性の日常的な写真としてはまずまずです...レイはすべての悪意を全開にし続け、それによって社会生活の破綻した感情状態についての醜い絵を描きます。」[3]
映画評論家のクレイグ・バトラーは、彼の映画評で、「素晴らしい映画とは言い難いが、『Born to Be Bad』はとても楽しい。ビッチで、野暮ったく、大げさなメロドラマが欲しい気分なら」と書いて、映画を観るときの不信感を一時停止することを提案しています。[4]★