野党攻勢、大幅譲歩狙う 国会会期・委員長ポスト・政倫審

 衆院選後、初めて各会派の代表が集まる各派協議会が1日、国会内で開かれた。特別国会の会期のほか、衆院の正副議長や委員長ポストの割り振りなどを話し合う場だが、ほとんどの案件が「継続協議」で終わった。過半数割れした与党に対し、大幅譲歩を引き出したい野党は攻勢を強めている。▼1面参照

 この日、合意したのは、次回会合を5日に開き、その場で政府から特別国会の11日召集の伝達を受けることだけだった。会期について、与党側は14日までの4日間とし、首相指名選挙など最低限の議事で終えたい考えだが、野党には「予算委員会での審議はやるべきだ」(立憲民主党の笠浩史国会対策委員長)との声が多い。次回協議でも合意できるか不透明だ。

 協議会のメンバーは10会派16人のうち、自民と公明で計7人。協議会で合意できなければ本会議での多数決にもつれこむが、野党の対応次第では与党が押し切られる可能性もある。

 議長は、慣例で第1会派から選ばれるが、これも与野党攻防の焦点となっている。1993年衆院選後の特別国会で、自民は比較第1党だったが、議長は社会党の土井たか子氏が選出された。

 さらに、委員長ポストの配分もせめぎ合いが起きている。解散前は予算や内閣など17の常任委員長ポストのうち、自民で13、公明で2を確保するなど多くを占めた。特に、本会議の議事を決める議院運営委員長と、予算案を扱う予算委員長は、与党が国会運営を進めていく上でどうしても確保したい重要ポストだ。立憲幹部は「この二つは、野党がまとまればひっくり返せる」と勢いづく。

 自民派閥の裏金問題も再び注目されそうだ。衆院政治倫理審査会は5月、裏金の関係議員44人に対し、国会で弁明するよう全会一致で議決した。だが、対象議員の弁明がないまま衆院が解散され、議決自体の効力が消滅した。

 今回の衆院選の結果を受け、政倫審も野党だけで開催に必要な過半数を満たせば、改めて議決の可能性がある。立憲の野田佳彦代表は1日の会見で、「野党が力を合わせれば、ダイナミックな動きになる」と述べた。(高橋杏璃)

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