土浦花火中止、延期なし きょう開催予定、悪天候見込まれ 予備日設定も警備確保できず

2024年11月2日 07時45分
 2日開催予定の「土浦全国花火競技大会」について、茨城県土浦市は1日、台風21号に伴う悪天候が見込まれるため、中止すると発表した。国内有数の花火大会で知られ、半年前の時点で2日間の予備日を設けていたが、準備が遅く予備日の警備体制確保が間に合わず、延期は断念した。
 市によると、大会実行委員会は5月に、11月3、9日を予備日とした。近年は事故対策で警備体制を強化しており、会場に配置する警備員は500人弱、経費は約2千万円が必要。市担当者は「予備日の警備体制を確保するにもお金がかかる。よほどの荒天でなければ当日開催するつもりだったこともあり、動きが後手後手に回ってしまった」と話す。
 予備日の体制確保に向けて本格的に準備を始めたのは、10月に入ってからという。県内外の業者に問い合わせたが、警備業界でも人手不足が進んでいることなどから、整わなかった。市担当者は「大手の業者なら確保できるだろうという希望的観測もあり、読みが甘かった」と漏らす。
 花火大会には県内外から多くの観光客が訪れ、昨年は約60万人が来場した。市はX(旧ツイッター)に中止の経緯説明を投稿したが、「今さら、ずさんすぎる」「予備日を期待していた分、落胆は大きい」などと批判的なコメントが多く、市には抗議の電話やメールも相次いだ。
 市担当者は「今までの流れで、予備日を何となく設定してしまった。丁寧さに欠けたと反省している」と釈明。来年に向け、予備日のあり方など運営方法の改善を検討するという。(佐野周平)

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