指笛

Last-modified: 2024-11-02 (土) 12:06:31
  1. 2024年10月29日の日本シリーズ第3戦・福岡ソフトバンクホークス対横浜DeNAベイスターズ(みずほPayPayドーム福岡)で、とあるファンが行った行為のこと。
  2. 福岡ソフトバンクホークスのサイン盗みの手法とされる動作、及び球団そのものの蔑称。1.に由来する。

「口笛」とも称される。


2024年の福岡ソフトバンクホークスは新監督・小久保裕紀率いる圧倒的な戦力の元、91勝49敗3分(貯金42)、2位の日本ハムに13.5G差をつける独走でパ・リーグを制覇*1
CSファイナルでも日本ハムを危なげなく3連勝で下し、最速で日本シリーズ進出を決めていた。

一方セ・リーグ側は、シーズン3位に終わった横浜DeNAベイスターズが破竹の勢いでCSを勝ち上がる。
CSファイナルでは最終第6戦までもつれ込んだ死闘の末にセ覇者の巨人を破り、7年ぶりの3位からの下剋上で日本シリーズ出場を決めた。

こうして2017年以来のマッチアップとなった日本シリーズだが、

DeNAがソフトバンクに勝てる要素がまるで見当たらず、下馬評では(当の横浜ファンも含め)「横浜が1勝できれば御の字」とソフトバンク圧倒的優勢とする見方が大多数であった。
こうして横浜スタジアムから始まった日本シリーズであったが、案の定ソフトバンクが第1戦を5-3、第2戦も6-3と試合の主導権を握りあっさり2連勝。*5
既に大勢が決したムードが漂う中、第3戦でソフトバンクの本拠地・みずほPayPayドーム福岡へ戻ることとなるのだが…

ソフトバンク優勢のまま迎えた日本シリーズ第3戦。
この日ケガから復帰して登板、好投を続けていたDeNA・東が6回裏の投球中に「投球時にバックネットからの指笛が気になる」と審判に申告。場内にアナウンスがなされる事態となった。
この時点では時々ある一般客の迷惑行為という見方が強く、試合後のSNSでは「投球モーションに入ったタイミングで指笛をしないでほしい」と東本人が説明した。

この指摘の直後、シーズン中からここまで猛威を振るっていたソフトバンク打線*6突如として冷温停止

東はその後も後続を抑え7回1失点の好投、1-4でDeNAが勝利しソフトバンクの日本シリーズ連勝記録*7を止めると、
続く第4戦・第5戦も、ケイ・ジャクソンのDeNA両先発、更にはDeNAの微妙な中継ぎを前にしても連打すら出ない状態となり、0-5、0-7であっさり3連敗。*8
楽勝ムードから一転、ソフトバンクはシーズンを含めて初の本拠地3連敗・2試合連続完封負け&二桁三振・日本シリーズワーストタイ*9の26イニング連続無得点でDeNAに王手をかけられる大惨状となってしまった。

大方の下馬評を覆す予想外の展開、指摘以降のあまりの急速冷凍っぷりの不自然さ、さらに元プロ野球選手からも球種を伝えていた可能性をほのめかすコメント(例:藤川球児氏)が続き、
ネットでは「ソフトバンクは指笛でサイン盗みをしていたから強かった」とする設定が自然発生した。
特にホークスは、次項の通り、サイン盗みを地元新聞社にリークされた過去があり、ただの迷惑行為でもサイン盗みを連想させる下地が存在する。

  • ソフトバンクの前身である福岡ダイエーホークスは、1998年にサイン盗みを行っているとする内容を、具体的な手法とともに西日本新聞にリークされた前科がある。
    • 報道された手法は、観客に紛れ込ませたバイト3名程度が、双眼鏡でサインや口の動きを読み取り、内容をメガホン等の動きで打者に伝えている、というもの*10であった。
  • リークされた内容については、まず球団の委託した第三者委員会により調査されることになった。この調査ではサイン盗みを確認できないとする結論が提出されたが、NPBは調査に疑義を表明。NPBの委託した第三者委員会により、二度目の正式な調査と検証が行われている。結果、明白な証拠こそ出なかったが疑惑は強く残るものとされ、球団幹部に処分が下される異例の対応が取られた。
  • なお本記事の騒動については、あくまで指笛が東投手にとって気になっただけであることから、正式な調査は行われないとみられる。
  • 池田親興氏は偶然にも近隣の席にいたファンの不用意な行動としている。
    • ただし氏はホークスOBであり、ホークス寄りの解説や記事を量産している。
  • ソフトバンクの小久保裕紀監督は試合後に「よく分からないですね。口笛って何。指笛?笑ってしまいましたね。みんなで大爆笑していました」とはぐらかしているが、この対応も火に油を注ぐ結果となってしまった。
  • この試合後、複数の球界関係者や番記者が「指笛によるサインの伝達は可能である」という見解を出している(記事1記事2記事3)。



Tag: ソフトバンク 横浜 ポストシーズン 絶許 サイン盗み


*1 新任監督の勝利数としては歴代1位
*2 2017年は73勝65敗5分の勝率.529、今回は71勝69敗3分の勝率.502。
*3 2010年にロッテがシーズン3位から日本一を果たした例があるが、優勝したソフトバンクとは2.5G差しか離れておらず戦力的には非常に僅差であった。24年のDeNAは首位の巨人から8G差だった
*4 正捕手の山本祐大とエースの東克樹がそれぞれ離脱していた。共に日本シリーズ中に復帰。3番手捕手の伊藤光はCS中に離脱。
*5 ただし、両試合とも中盤から終盤にかけてDeNAから点差を詰められる展開になっている
*6 同年のクライマックスシリーズでは、ソフトバンクホークスと対戦した日本ハムがエース級3投手を変則的な運用でソフトバンクホークス戦に投入。特に伊藤大海山﨑福也は鷹キラーとして名を馳せていたが、シーズン中からは想像できないほどに全員が打ち込まれている。
*7 日本シリーズ14連勝中、ホームでは2011年第7戦から16連勝中だった
*8 特に打線の核である山川穂高の不振が深刻で、第3戦以降はノーヒット。丸佳浩と同じ扱いを受けている。
*9 1958年・巨人(対西鉄)とのタイ。
*10 サインを盗んでいるにしては弱すぎるのでは?という声も存在した。