無期懲役か死刑――。考えてみてほしい、こんな刑罰に見合うだけの「アルバイト」など存在するだろうか?
横浜市青葉区の住宅で住民が殺害された事件で、神奈川県警に逮捕された実行役の一人とされる容疑者の男性は闇バイトに応募し「家族に危害が加えられるのが怖かった」と話しているという。
男性の逮捕容疑である強盗殺人の法定刑は極刑を含む重罪で、被害者の人生を狂わせるだけでなく、加害者も自らの人生を棒に振ることになる。
では、犯罪集団に加わってしまい、弱みを握られ脅迫された場合、どうすればいいのだろうか。【杉田寿子】
<主な内容>
・行動に移す合図
・やめるためにやるべきこと
・脅迫されても
ポイント・オブ・ノーリターンはいつ?
逮捕された男性は、税金の滞納を理由に闇バイトに応募し、指示役側に自身の身分証などを送って個人情報を把握され、脅迫されたという。
県警の調べに対しては「途中で犯罪に加担することに気づいたが、仕返しや家族に危害が加えられるのが怖くて抜け出せなかった」と話している。
犯罪心理学者である東京未来大学の出口保行教授によると、自分に都合の良い情報だけを取り入れ、都合の悪い情報を排除しようとする「確証バイアス」の心理が働き、応募した人はなんとなく不信感を抱きながらも「いつでもやめられる」「自分が捕まることはないだろう」と考えているうちに、脅迫され、深みにはまっていく。
弱みにつけ込まれて脅迫…
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