警察庁を所管する立場で、全国警察が直面する多様な課題にどう取り組む決意か。坂井学国家公安委員長に聞いた。
――犯罪実行者をSNSで募集する「闇バイト」などで強盗被害が相次いでいる
「被疑者を早期に検挙し、全容解明を図る。犯罪に加担しようとする者への効果的な呼びかけや警戒活動の強化を進めている。必要な警察官の増員や、装備品、資機材の高度化を進めたい」
-―特殊詐欺や有名人に成り済ますSNS型投資詐欺の撲滅に向けて
「被害金額が増えており、極めて憂慮すべき状況。検挙と抑止の両面から対策を進めている」
--匿名・流動型犯罪グループや暴力団への対策について
「部門横断的な実態解明を強化し、犯罪組織の弱体化、壊滅に向けた戦略的な取り締まりを強力に推進したい」
――要人警護は、安倍晋三元首相銃撃事件などを受けて対策強化を行ったが、衆院選の警護の結果と今後について
「必要な体制を構築して組織の総合力を発揮して対応に当たった。経験を踏まえて警護の在り方は不断の見直しを行い万全を期したい」
--来年4月に開催される大阪・関西万博について
「開催国として治安の責任を果たしていく必要がある。テロなどの未然防止、会場内外の雑踏事故の未然防止、会場周辺の安全な交通環境の推進をし、セキュリティー、来場者の安全安心の確保に万全を期したい」
――犯罪被害者支援について
「犯罪被害者が受けた被害を回復、軽減し、再び平穏な生活を営むことができるよう施策が講じられることが重要。犯罪被害者の視点に立って全力で取り組む」
―自転車の交通安全について
「身近な乗り物だが事故は増えている。自転車が関連する死亡・重傷事故の4分の3は自転車を運転している側に法令違反がある。広報啓発を強化し、危険な違反行為は厳正に取り締まる」
(聞き手 大渡美咲)