「逃げ得を許さない」。警察に指名手配されている容疑者の捜査強化月間が11月1日から全国一斉で始まる。千葉県警は昨年、準備期間を含む強化月間中に、指名手配していた8人を逮捕した。今年も推進本部を立ち上げ「(情報提供は)ささいなことでも構わない」と協力を求めている。
県警刑事総務課によると、全国で指名手配されている容疑者は8月末時点で約590人。県警はこのうち28人を殺人や強盗致傷などの疑いで指名手配している。28人の中で17人は出国が確認されているという。
捜査の強化にあたり、県警は宮沢忠孝県警本部長をトップとする推進本部を立ち上げ、各署でも推進室を設置。公共施設などにポスターを掲示したり、JR海浜幕張駅前の大型ビジョンで映像を流したりする。
県外では今年に入って、警察庁から重要指名手配されていた2人が見つかり、1人はアパートで暮らしていたことが明らかになった。同課犯罪捜査支援室の山田貴照室長は「(指名手配容疑者が)身近に潜んでいる可能性もある」と説明。「地道な捜査の積み重ね」とともに、一般市民から寄せられる情報の重要さも挙げる。
県警で公開指名手配しているのは3人で、中国人らによる偽造特殊景品利用の広域詐欺事件の陳万哲容疑者(63)=中国出身、浦安市富士見での拳銃を使用した外国人殺人事件のモハマディ・ジョザニー・アリー・アクバル容疑者(55)=イラン出身、松戸市での中国人密航者傷害致死事件の林国燕容疑者(64)=中国出身。身体的特徴などは県警ホームページに掲載されている。
山田室長は「逃げ得は許さないという強い信念を持って取り組む。情報提供は電話やメールなどあらゆる方法で受け付けている」とし、積極的な情報提供を呼びかけた。