暖かい海に生息しハワイでは高級魚として知られるシイラの水揚げが、宮城県で増えています。

 女川魚市場で10月半ば、定置網で獲れた魚の中に金色の魚体に大きく出っ張った頭を持つ宮城県の海ではあまり見慣れない魚の姿がありました。

 東北大学大学院片山知史教授「シイラという魚ですね」

 水揚げされる魚種の調査のために魚市場を訪れていた東北大学大学院の片山知史教授です。

 東北大学大学院片山知史教授「そんなにいつも多く取れるわけではないですけれども、10月に入って大量に取れてますね」

 シイラは暖かい黒潮に生息し、ハワイではマヒマヒの名前で知られる高級魚です。近年、女川での水揚げ量が増加しています。

 2022年の9トンから2023年は32トンに増え、2024年も10月半ばまでに既に25トンの水揚げがありました。

 東北大学大学院片山知史教授「宮城県沖で漁獲されるということは、黒潮系の暖水が東北の沖にある。今では、牡鹿半島の先は25℃近い高い水温の水がまだまだ残っているという状態」

 水揚げは増えているものの、日本ではあまりなじみがないため滅多に食卓に上がることはなく、市場での取り扱い価格も1キロ当たり90円ほどの低価格で取引されています。 漁師「大きい物から小さい物まで取れます。値段の安い魚ですね。/もう少し値段が上がれば良いかなと思っています」

 サンマやサケなど宮城県の海の恵みの中心となってきた魚の不漁が続く中、片山教授は新たに取れるようになった魚を有効活用することが大切だと話します。

 東北大学大学院片山知史教授「残念ながらサンマ、スルメイカ、サケが不漁です。せっかく宮城県沖にやって来た魚を有効に利用して食べるということが、これからも大事になってくる」