すかいらーくを創業し、日本を代表するファミリーレストランチェーンに育て上げた横川竟氏。76歳のとき、次のチャレンジとして再び起業したのが、カフェ業態の高倉町珈琲だ。「人間はみんな、道半ばで死ぬ」と語る、87歳となった同氏を突き動かすものは何か。商売の本質、人生観、仕事観、すべてを明かした。
高倉町珈琲 代表取締役会長
すかいらーくで成し遂げられなかったこと
僕は今、87歳です。
「おじいちゃん」と言ってもらって構わないですよ。10代の人からすれば、おじいちゃんよりも年上でしょう。
すかいらーくを辞めて、ゼロから「高倉町珈琲」を始めたのが2013年、76歳の時。普通だったらとっくに定年です。「なんでそんなに働くのか?」とよく聞かれますけれど、それは「できなかったことを成し遂げるため」なんです。
すかいらーくは、道半ばで終わってしまったと思っています。
1970年に兄弟4人ですかいらーくを作った時、目指していたのは「楽しい店」でした。お客さんを楽しませられる店。それなのにいつしか、本当の意味で「お客さんのためになること」ができなくなってしまった。どんなに利益を出そうが、お客さんのためにならないことには価値がありません。だから辞めたんです。
そしてもう1回、自分の思う「外食」をやってみようと思ったんですよ。おこがましいですが「商売ってこうだよ!」というのを、みんなに見せたいと思っているんです。だからね、とにかく時間が足りないわけですよ。
欲だけでなく「思想」を持て
今の経営者には、経営効率ばかり気にして「思想」がない人が多いと感じます。どうすれば大きくなるか、もうかるか。メディアもそういう情報ばかり取り上げるでしょう。
でも、それは思想ではなく「欲」です。「もうかるかどうか」なんてことは、お客さんにはまったく関係ありません。投資家には関係あるんでしょうけどね。
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