海の向こうの球界にはすごい打者がいる。米大リーグの大谷翔平選手は言うまでもないが、韓国にも。スタンドに46本を放り込み、本塁打王に輝いたのは、昨季は赤ヘルをかぶっていたデビッドソン選手である▲「たられば」が口をついて出るファンも多いだろう。もう1年契約していれば…。得意の巨人戦で打ってくれたら…。ことしカープは52本塁打。両リーグで最も少ない。大谷選手一人に及ばず、ヤクルトの半分ほどだ▲それでも、チームは家族。結束力で補い合い、低かった前評判を覆したのは誇らしい。全員野球を繰り広げ、1カ月ほど前は首位だった。しかしやはり「大砲」というピースを欠いたため、優勝に届かなかったか。9月に歴史的な失速をしてしまう▲負け惜しみに「もしも」をもう一つ。夏がこれほど暑くなかったら…。というのも抜群だった投手陣が急に勝てなくなった。暑さでたまっていた疲れが一気に出たようだ。本拠地がドーム球場でないことも響いたのか▲Bクラスに終わったとはいえ、昨晩の最終戦は来季の戦力アップを予感させた。「投打とも良かったので」「若手が成長したから」。来年こそは美酒と「のでから」を口にしたい。