バスケットボールってかっこいい。肌で感じたのは30年前のきょうだ。門外漢ながら広島アジア競技大会で女子決勝の観客席の取材を任された。日本が1点差で韓国に敗れた接戦の熱気、3点シュートの高揚感、ハーフタイムに流れたポップスのリズム▲その舞台、広島経済大の石田記念体育館は今やアニメの聖地らしい。井上雄彦さんのバスケ漫画の映画版「THE FIRST SLAM DUNK」で試合会場のモデルとなってから▲高校バスケの新鋭校が広島のインターハイで日本一の強豪に挑む物語。アジア大会の記憶を刻む体育館がアニメの舞台に選ばれた。エンドロールに取材協力として大学の名が入り、訪ねてくるファンが絶えないと聞く▲プロバスケの世界も広島の名が高まった。B1初優勝の広島ドラゴンフライズのおかげだ。だが連覇を狙う今季は波に乗れず、きのうの地元開幕戦も落として3連敗。今こそ奮起を願う▲長崎に千葉…。新アリーナで開幕を迎えたチームがある。ドラフラもJR広島駅北口を候補に、新本拠地の構想が芽生えている。野球、サッカーに続く「聖地」実現のためにも、選手たちの熱量と応援の盛り上がりが欠かせない。