「そんなあなたと働きたい」。この会社で頑張ろうと心に決めた一言
私は学生時代から人とかかわる仕事がしたいと思っていたのですが、就職活動当初は、金融業界はまったく考えていませんでした。ただ私たちが就職活動をしていた頃は、ちょうど就職氷河期と呼ばれた時代。志望していた会社は最終面接まで行っては不採用の繰り返しで、もう今年は就職をあきらめようかと思っていたのです。
そんな時たまたま友人から紹介されたのが野村證券でした。証券会社も人とかかわる仕事なので、これが最後のチャンスと思って面接に臨みました。
人事担当者がすごく面白い人で、一般的によくある就活の質問ではなく、色々なことを聞いてくれましたので、私も、人とかかわる仕事がしたいことや、志望する会社に落ちて、就職活動をやめようかと思っていたことなどを正直に話しました。
30分ぐらいだったと思います。人事担当者が最後に、「あなたの強みは頑張り屋さんなところだと思います。でも反面、頑張りすぎるあまり壁に当たった時にはポキッと折れてしまう弱さもある気がします。おそらく今後、挫折も経験するでしょう。でもそんなあなたと働きたい。一緒に壁を乗り越えていきましょう」と言ってくださったのです。
30分でここまで私を見てくれたこと、私の強みも弱みも受け入れたうえで、「一緒に働きたい」と言ってくれたことが嬉しくて、この会社で頑張ろうと入社を決めました。
厳しさのなかに隠されていた本当の愛情
入社当初は、順風満帆というわけにはいきませんでした。私の育成担当であるインストラクターから、仕事はもちろん、礼儀作法や言葉遣い、お箸の持ち方まで厳しく指導されました。
そのうえ新人の頃は努力しても何の結果も出せず、何も貢献できず本当につらかったです。ある日インストラクターの前で「私、辞めます。結果も出ないし、誰の役にも立てないし、何をやってもうまくいかないし」と大声で泣いてしまいました。
その時も「今、辞めたら逃げるだけ。どこにいってもできないままだよ」と、厳しい言葉が返ってきました。
ただ、その後周囲の先輩から、インストラクターが私のことをすごく心配してくれていたこと、事あるごとに私のことをとても頑張っていると褒めてくれていたことなど、聞かされました。泣き虫で何もできない自分を、心底気にかけてくれていたのだと後で知り、本当に驚きました。
そのインストラクターは常々「努力は絶対にどこかで実を結ぶ」と言っていたのですが、辞めると泣きじゃくってしばらくしてから、少しずつ成果が出てきた時、「あの時あきらめず努力した成果が今出ているんだよ」と言ってくださったことは、今でも覚えています。厳しい先輩でしたが、今の自分があるのは間違いなくインストラクターのお陰です。お箸も正しく持てるようになりましたし、今は感謝しかありません。
お客様に信頼いただき、ご相談いただけることが何よりの喜び
お客様からご信頼いただく喜びを実感した経験があります。
入社1年目の頃に出会った、他の証券会社をメインにお取引きされているお客様でした。 野村證券がメインではありませんでしたが、定期的にお電話させていただいたり、ご自宅にちょっと顔を出させていただいたりしておりました。
そのお客様からある日ご連絡がありました。
実は他社で取得株価がわからないまま売ってしまった株をどうしたらいいかわからないから、助けてほしいというご連絡でした。お取引きされていた金融機関では相談し辛かったようで、私にご連絡をしてくださったのです。
100銘柄ほどあったのですが、上司や税理士の先生に相談し、まわりの先輩にも力になってもらい、お客様の難しいお悩みを解決して差し上げることができました。
お客様にはとても喜んでいただくことができ、お役に立てたことが嬉しかったです。
私を信頼してくださり、ご相談いただけたこと、難しいご相談でも、まわりに相談することでお力になれたことなど、自分自身が少しだけ成長できたかなと思える出来事でした。
そのお客様とは今でも良い関係を続けさせていただいています。
たくさんの方からいただいた恩をつないでいきたい
私はお客様とさまざまなお話をさせていただくことがとても好きです。
しっかりしたご提案をさせていただくことも大切ですが、仕事上だけの関係は寂しいと思うのです。だから自分のことも話しますし、お客様のお話も喜んで伺います。小さなことですが、お電話を取り次いでいただく際も「野村證券さんから電話」と言われていたのが「阿部さんから電話」に変わった瞬間は本当に嬉しいです。
お客様とお話していると嫌なことも忘れられたりするほど、私にとってお客様はかけがえのない存在になっています。
昨年、ベストパートナーに選ばれた時は本当に驚きましたが、新人の頃からコツコツと築き上げてきたお客様とのかかわりが、嬉しい結果につながったのかもしれないと思いました。
一人ではまだまだ何もできませんが、野村證券には知識も経験も本当に多様な人がいて、どんな問題でも「この人に聞けばわかる」という人が必ずいます。自分一人でできることは小さくても、周囲の力を借りることで、ご提案の幅も広がり、結果的にお客様のお役に立つことができる。
私は人使いが荒いとよく言われますが、お客様のために、必要な人をコーディネートすることも私の仕事だと思っていますし、それができるところが野村證券の魅力だと思っています。
これまでは、上司や先輩、お客様にまでたくさんのことを教わり、助けていただきました。だから次は、私がそのご恩を返し、つないでいく番です。実は昨年インストラクターをさせていただいたのですが、私も、新人の頃に厳しかった先輩と同じように、厳しくも愛情を込めて育成しました。
その後輩は私と同じ泣き虫だったので、よく泣いていましたが、彼女の成長は何より私の励みになっています。今は別の課になりましたが、会いに行けばいつも走り寄ってきてくれますし、周囲から「彼女が、こんなことも、あんなこともできるようになった」と聞くたびに嬉しくなります。
これからも後輩にとっては良き先輩、そして何よりお客様にとって良きパートナーであり続けられるよう、自分自身もさらに努力を重ね、たくさんの方にいただいたご恩をつないでいきたいと思っています。