広島市の80代夫婦宅が放火され現金約2600万円が奪われた事件で、強盗殺人未遂と現住建造物等放火の疑いで逮捕された神奈川県葉山町長柄、無職梶原優星容疑者(29)が事件当時、証券大手の野村証券の社員だったことが31日、捜査関係者への取材で分かった。夫婦は営業先の顧客で、食事中に睡眠作用のある薬物を混入したとみられる。
捜査関係者によると、当時広島市内で営業の仕事をしていた容疑者から夫婦宅での食事を持ちかけた。容疑者は夫婦宅に保管されていた現金入りのボストンバッグを狙い、食事中に睡眠作用のある薬物を服用させて意識をもうろうとさせ、住宅に放火して現金を奪ったとみている。
事件は7月28日午後5時35分~7時45分ごろ、広島市西区井口明神3丁目の夫婦宅で発生。夫婦は逃げて無事だった。
野村証券を傘下に持つ野村ホールディングス(HD)は、容疑者を既に懲戒解雇したと明らかにした。解雇の時期や理由は明らかにしていない。野村HDは「元社員が逮捕されたことは極めて遺憾です」としている。