農林水産省は30日、コメの需給見通しを公表した。2024年の主食用米の生産量が683万トンとなり、来年6月まで1年間の需要量の674万トンを上回る。民間在庫量も回復の見込み。猛暑に見舞われた23年産の流通量の低下を踏まえ、農家が作付けを増やすなど需給バランスの調整が進んだとみられる。今夏、全国のスーパーなどで相次いだコメの品薄への懸念は緩和されそうだ。
農水省は需要に応じた生産を農家に促している。直近は麺類やパンと比べて価格上昇が遅かったことや、インバウンド(訪日客)の急増で一時的に需要が伸びたが、長期的な減少傾向は変わらないとした。
25年の生産量は横ばいの683万トンとなる見通し。25年7月から1年間の需要量は11万トン減って663万トンと予測した。
民間在庫量は今年6月末に153万トンで過去最低だったが、25年6月末には162万トンに戻るという。26年6月末にはさらに20万トン増える。
農水省はコメ品薄に関する分析結果も公表。実際には前年と同程度の供給量があったものの、8月の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を受けた買いだめ需要などに対応が間に合わなかったと総括した。
農水省は品薄の当初「需給は逼迫(ひっぱく)していない」と繰り返していたが、今回の分析では「店頭からコメが消えれば、消費者は不安に感じる」と問題点を認めた。今後は、新米が出回る前の端境期に販売や在庫量などを毎週調査した上で、消費者に分かりやすい情報発信に努めると強調した。(共同)