新型コロナワクチンについて“ワクチン接種が原因で多くの方が亡くなっている”との言説が今もなお「誤情報」であるとの見解を、福岡資麿(たかまろ)厚生労働大臣が29日の記者会見で示した。併せて、副反応疑い報告制度に基づく同ワクチン接種後死亡の累計が2261件であると明確にした。フリー記者の藤江成光(ふじえ・まさみつ)氏の質問に答えた。

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3月まで厚労省HPに掲載されていた資料(藤江氏提供)

 厚労省がホームページに掲載していた「新型コロナワクチン(m-RNAワクチン) 注意が必要な誤情報」一覧には、「ワクチン接種が原因で多くの方が亡くなっている。」「ワクチン接種が不妊症の原因となる。」「ワクチン接種が流産の原因となる。」などの言説が「誤情報」に挙げられている。

 先回25日の厚労相会見で藤江氏が「この見解は変わっていないか」とただした際、福岡大臣は「副反応疑い報告制度等に基づき評価を行っている」「科学的知見を収集しつつ、適切に評価してまいりたい」などと明確な返答を避けた末、再三の詰問に「1度確認させてください」と答弁を終えていた。

 このページを筆者が確認したところ、25日時点で見つけられなかった。

 今回、藤江氏は先回の続きから「誤情報と公表していたのは事実か」とただした。これに対し、福岡氏は同ページが3月まで掲載されていたことを明かした。同時に、「ワクチンの有効性・安全性に関し科学的根拠や信頼できる情報源に基づいていないものについては、国民の皆さまに広く注意喚起することは引き続き重要と考える」と答えた。

 藤江氏が「現在もこの見解が全く変わらないのか、あるいは多少でも変更があったのか」と繰り返し迫ると、最終的に福岡氏は「誤情報というのはミスリードする可能性がある。そういう情報について幅広く注意喚起するという観点で言えば、その立場は今も変わらない」との見解を示した。

 藤江氏は、副反応疑い報告制度に基づきワクチン接種後被害を審査する厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会)のこれまでの累計報告件数についても求めた。これまで報告の形式や薬剤の種類が幾度も変わり、閲覧者は正確に足し算を繰り返さなければ全容がつかめない状況にある。

 福岡氏は新型コロナワクチン接種後の死亡報告件数を2261件と答えた。副反応疑い報告の総数は、医療機関からの報告が3万7539件、製造販売業者からの報告が2万9412件と答えた。

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藤江氏の質問に答える福岡大臣(2024.10.29、厚労省会見室で筆者撮影)


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