2013.06.26 トピックス この数年、論文不正問題が研究者社会に大きな影を投げかけています。 … これまで分子生物学会は、「若手教育シンポ」という枠組みで、若手研究者が捏造に手を染めることの無いように教育をしてきたつもりでした。しかし、そのシンポの講演者であり、また研究倫理委員会の若手教育問題ワーキンググループの委員でもあった有力研究者自身が捏造問題の渦中の人となってしまったことで、これまでの認識を改める必要に迫られています。そのため、今年の年会における「捏造問題フォーラム」は、これまでの様な「若手の問題」というスタンスではなく、より真摯に捏造問題に向き合い、どうすれば捏造を少しでも減らせるかを考える会にすることを目指しています。具体的には、最大6つのセッションを用意し、それぞれに捏造問題の関係者(ジャーナル、学会、マスコミ、研究資金供給元、ご本人?、捏造発見者、?、??)を招いて、それぞれの立場で何をすることが捏造の防止・減少につながるかを話し合って行く、そしてそれをサイエンスライターに傍聴してもらい客観的な立場から記録に残す、という計画です。 先週末に、学会全ての会員に、学会本部からのアンケートが送られました。フォーラム当日に話し合うべき論点、招きたい関係各機関の候補などについて、広く学会員の意見を取り入れるためです。アンケート結果や、フォーラムのより詳しい内容などは、今後学会HP等で公開されていくと思われますので、ご注目ください。 この捏造問題フォーラムを主催するのは分子生物学会の本体(理事会)です。一方、当ガチ議論HPは、あくまでも2013年会の準備委員会による企画であり、形式的には関係が無く、したがって、正式な連携等は全くしていません。ですが、我々(ガチ議論スタッフ)は、この重要な問題に関する議論はあらゆる場所で行われるべきだ、と考えます。学会本体は、この分野の重鎮をそろえた理事会が運営しており、当然、その動きは、慎重かつ重厚かつ鈍重です。それは如何ともしがたいし、むしろそうあるべきでしょう。しかし、そのために、本部が運営する議論スペースでは、あまり過激な発言とかは出てきそうにありません。本音の部分や、大きな波紋を呼びそうな提案が出てくる可能性は間違いなく減るでしょう。捏造問題の様な、身近でかつ重大な問題ならなおさらです。 そこを、ガチ議論HPが相補できるのでは、と期待します。このガチ議論は、(形式的には)今年限定の年会準備のためのスタッフが運営する「臨時的な議論の場」にすぎません。匿名のコメントも可です。まあ、2ちゃんとは言いませんが、かなり軽くて自由です。しかし、議論の価値は、それがなされた場所ではなく、生まれたアイデアによって決まるものです。ここで、フリーに活発な議論が起こり、実質的かつ有用なアイデアが生まれれば、それを理事会メンバーがフォーラムに生かすことになるでしょう。(といいますか、近藤は分子生物学会の理事でもありますので、そうなるように努力します。) ということで、これからしばらくこのガチ議論サイトで、論文捏造問題について議論をしたいと考えています。いろいろな論点があると思いますが、まずは皆さん、ご自身のこの問題に対するおおざっぱな考えと言いますか、一番主張したいことをコメント欄に投稿してください。ある程度集まったところで、いくつかの論点をピックアップし、さらに議論を深め、最終的には何か具体的な改善策へとつながるアイデアを練り上げて行きたいと希望します。 それでは言い出しっぺとして一言。
●重い犯罪と軽微な犯罪がある
●軽微なうちに摘発するべきである
●軽微なものに厳罰を負わせてはならない。場合によっては不起訴でいい
●酌量の余地があるかは考えるべきである
●罰を果たしたら社会は再び受け入れるべきである
●世界をよく分かっていない未成年などには罰を負わせるべきではない
●警察や法曹などの専門の組織が対応したほうがいい
これら犯罪一般についての考え方はすべて論文捏造にも当てはまると思います。論文捏造が普通の犯罪と違うのは、理解できるのがある程度限られた人だけであることだけでしょう。論文捏造問題は、あまり特殊な問題とは考えずに、普通の犯罪に対して警察や裁判所が行っているようなことを行えるようにすればいいのだろうと思います。特殊なことだと気負わずに、これまで警察や法曹の人が培ってきた知恵を取り入れましょう。まずは専門の機関を作るところから始めるべきでしょう。①論文が生まれた経緯と科学的な再現性の評価を行う機関(警察のようなもの)、②対応を決める機関(裁判所のようなもの)の二つが必要でしょう。警察や裁判所というものが作り上げられてきた歴史的過程を学ぶことは、その専門の機関を作るうえでも役立つでしょう。
と書いているうちに「 卒論のテーマが捏造の引継だった若手研究者 」のご意見が出ていましたが、全く賛成です。
研究における捏造はアメリカでも大きな問題なはずですが、大声で語られる事は少なく、実態を把握するのは簡単ではありません。私のいる研究機関で「捏造対策講座」が開かれるのはごくまれです。個人的な印象ですが、捏造が疑われた際の研究界からの無言の処分、処遇というのはアメリカの方が厳しく、日本よりは自浄作用が働いている気がします。そのため、研究室主宰者も捏造を恐れていて、よく気を配っているという印象があります。
インパクトファクター至上主義には大きな問題意識が共有されつつあります。アメリカ細胞生物学会の主導で「インパクトファクター至上主義を改めよう」という署名活動が展開されており<http: am.ascb.org="" dora=""/>、各種学会や出版社が既に署名しています(Nature, Cell, Science誌の署名はまだですが)。
税務署が脱税を摘発するのように、データの正しさを抜き打ちでチェックするような機関が必要なのでしょうか?
2. http://www.mbsj.jp/admins/s...
http://www.mbsj.jp/admins/s...
『その上司は出世しており、非常に不愉快です。また、その上司の下に現在配属されている学生、今後も配属されるであろう学生のことを考えると、心配になります。』
分生らしい良いアイディアが出てくることを期待しています。
http://www.mbsj.jp/archive/...
(PDF開きます)
現時点では、まず、学会としてしてのスタンスを明らかにするために、理事会声明を出し、その後、公開に向けて議論を重ねる、としています。
大きな組織の場合、決断を下すにはそれなりの時間がかかり、議論をした場合、慎重論が多数を占めることが多くなるのは否めません。不測の事態が起きたときに、責任を取らねばなりませんから、これはある程度仕方の無いことです。慎重さは大事です。しかし、緊急を要する重大な懸案があるときには、それがマイナスにも働きます。
このガチ議論HPが、学会本体の主催でなく2013年会という一時的な少人数の組織の主催である意味は、そのマイナス面を補足するためです。学会本体とは切り離してあるため、理事の多くが「もんだいあり」と考えそうなことも、実行可能になっています。
告発した結果、捏造の調査が行われるとして、その期間告発者の立場はどうなるのでしょうか?
例えば雇用主とPIが同一の場合、PIが捏造に加担していると、告発者の立場はどうなるのでしょうか?
捏造が発覚して予算執行が停止された場合はもちろんですが、調査が行われるだけでも告発者自身の研究活動に支障が出ることは容易に予想されます。
上手く脱出できた後でも、捏造研究に加担していない同僚にかかる迷惑を考えると、やはり告発はしにくいのではないでしょうか。
科学コミュニティーは実は貴重な人材を多く失っているのかもしれません。
ロボットで再現できるのは一部の実験だけ。多分その発言が意味するところは別の事だと思いますが、一体何を言いたかったのでしょう。
少なくとも昨年までは学会が捏造防止に本腰を入れていなかったことの表れだと思います。
今年は本当に期待しております。
ひとつは、「①論文不正を処理する第三者による公的機関が必要」という意見。
もうひとつは、「②論文不正処理の公的機関は正常に機能するとは思えず、科学者による自浄作用を高めるべき」と言う意見です。
例えば、
1-1:現在他の国で行われている論文不正に関する公的機関は、うまく機能しているか?
1-2:日本でそのような公的機関を作るとすれば、どの様な組織(機関)が母体になり、実際にはどのような人たちで運営されるのか?
2-1:現状では、不正事件に対処する主体が「事件の起きた機関」であり、このことが事件そのものの処理よりも、その機関の利害を優先する形になっています。この問題を解消できるか?
2-2:現状の体制で、告発者の安全・利益は守られるだろうか。(現状では多くの場合、匿名の告発は受理されないシステムになっている。)
「それぞれの立場で何をすることが捏造の防止・減少につながるかを話し合って行く、そしてそれをサイエンスライターに傍聴してもらい客観的な立場から記録に残す、という計画」に加えて頂こうと思っております。傍観者として客観的に色々なご意見をまとめる事が役割かと思いますが、分子生物学分野での研究経験(一応博士の学位を持っております)から、口を挟ませて頂きます。
①と②の中間として、例えば「分子生物学会」などの学会の附属組織として、捏造論文の告発窓口・不正発見部門を設けることで、科学者コミュニティー内による監視と注意勧告を行うことはできないでしょうか?
(また、こうした試みは未経験であり、やってみないと上手く行くかどうか分かりませんので、失敗した場合に仕事を失う人が出ない様にバックアップがあると安心できると思います)
まずは、学会としてこうした組織を運営する資金等があるかどうかですが…。
自分を振り返ると「捏造をしない」というのは、科学者としてのプライドによるものが大きく、そういうのが無ければ、「バレなきゃいい」「厳しい環境で生き残るためには仕方ない」という言い訳に逃げてしまい易いのではないかと想像します。
学会の定款には、いろいろとえらそうなことが書いてありますが、所詮、ボランティアの集まりで、年に一度の年会を企画実行することがやっと、という組織です。エフォート率にすれば、たとえ理事長でも、5%も無いでしょう。本業はあくまでも、研究と教育なのですから。現状では、不正発見の作業を有償で誰かに任せる、といっても、名乗りでる人がいるとは思えません。その人のキャリアにならないし、恨まれる可能性もあります。専任と言うのはもっと難しく、そもそもそんなお金は、どの学会にも無いと思います。
できるだけ科学者コミュニティー内で対処できるのが理想的だと思いますが、科学者自身としても訴訟リスクを抱える検証を行うのは避けたいという思惑もあり、公的な力に頼らない検証機関の設置は難しいのでしょう。
このまま不正を見過ごすのはまずいと悩み、勇気を出して不正を告発した真っ正直な人が、精神的に追い詰められて自らの命を絶ってしまった事は、とてもやりきれませんでした。
(こちらのコメント欄でも、そうした経験をお話し下さっている方達がいらっしゃいます)
この時も、論文捏造を防ぐ手立てや不正告発者への救済策を講じられないかとして学会の議題に上っていたと記憶しますが、結局はお茶を濁しただけで終わってしまっていたと思います。
思い切って提案してみたものの、やはり学会が組織を作る案は難しいということで、近藤先生が提示された、①公的機関による監視と②公的機関に頼らず科学者による自浄作用で行う、という2方向で具体的に考え進めていくのが現実的なのだろうと思います。
基礎的な論文に関する問題は内輪の問題、というのはまさにおっしゃる通りで、内輪の問題であるからこそ、どうすれば良いかをここで考えていきましょう、というのがこのトピックでの議論の趣旨である、とご理解していただければと思います。「そもそも他に議論する事がある」と「個別の問題も議論しないと前に進まない」というのはどちらも正しい考え方だと思いますが、このサイトでは後者のスタイルで議論を進めていただければと思います。
放射能の問題について、個人的には「短時間で100 mSVの放射線を浴びた場合には、わずかながらも有為に影響が認められる。それ以下の低線量については、はっきりしたことはわからない、調べたけれども有為に差が認められるほどの影響はみつからない」という話だと理解しています(専門家の方がいらしたら、ご指摘ください)。
上の書き込みで書かれているデマ吹聴した科学者がどなたかわからないですし、実際にどういう発言があったのかもわかりませんが、科学者としての立場でデータに基づかない主張をしていたのであればあまり関心しません。それは逆の主張も同じで、例えば、一部のタレント学者の方々がテレビなどで「わからないけど、リスクはある」とか「有為な差はないけれど、わずかながらも危険」というような言い方をされるのですが、私はそれら発言を間違っているとまでは言いませんが、科学的な態度ではないと考えています。わからないリスクや有為ではないわずかな危険よりも、タバコやアルコール、精神的ストレスなど他の有為に危険なモノを気にした方がいいでしょうし、そもそもリスクが完全にゼロなんてものは存在しないでしょうと。
こういう事を言うと、『ペナルティーがないと捏造するみたいでレベル低くて格好悪い』みたいな突っ込みが入ることもあるのですが、それはまた別の話と思っています。個人的には捏造してはいけないというのは人を殺してはいけないのと同じだと解釈しているので、どんなペナルティーがついてもいいと思いますし、後述しますが自浄作用が思いの外期待できなそうなのでとりあえず消去法で考えて一発退場方式が効果的かと思います。
研究者は誰にどうやって怒りを表現するべきなんでしょうか?私は捏造に関しては単純に本人あるいはそのチームが悪いだけと思っているので、いわゆるIF至上主義に矛先を向ける事には賛成し兼ねます。それでちゃんとやってる人が大多数ですし、自分で埋めた土器自分で掘り出して…って考古学者が『周りの期待がそうさせた』とかほざいた時みたいで気持ち悪いです。その時もアホかコイツ?って思ったし。捏造に関しては人を憎むべきで人や制度のせいにするのは筋違いじゃないでしょうか。私個人は逆に犯人探しが行われない、個人が責められない風潮に怒りを覚えます。
比べられるものでないかも知れませんが、例えばドーピングしたスポーツ選手ってどうなるんでしょう。家族・同級生・恩師etc.との関係も含めてそこで人生終わりますよね、普通なら。
普段私たち部外者は、どっかの外人がメダルを剥奪されたとかってニュースを後日見るだけで事の顛末を知りませんが、同じフィールドで競ってきた他の選手はどうやって自体を飲み込むんでしょうか。裁判して再起を狙う自転車の五輪メダリストもいますが、実際周囲ってどんな温度で見てるんですかね。室伏広治さんはアテネで上位選手のドーピングによって3位に繰り上がる可能性があるとかってなってたと思います。結局疑惑が晴れたようで順位変更自体無くなりましたが、その期間の思いとかを聞いてみたいです。彼らには怒りの感情があるのか否か、またあるとしたらどうやって怒りを表現したのか。スポーツであればそういう人間のせいで代表選考に漏れたりもする選手もいるわけだし。
そういう意味でシンポジストに室伏選手あるいは同じ陸上選手の為末選手希望します。彼らは色々な世界の事を知ってると思うので何かしら参考になると思います。室伏さん准教授だし。
まず、別に捏造がバレてその人が自殺したんなら気にとめないでしょうね。バレたら自殺するって…同じくアホかって思います。そういう人間だったんだなって思うだけの話です。まぁある意味純粋でいい人だった証明にはなるんでしょうが。(片瀬さんの書かれたケースは別)
また、アカデミックな研究の本来の姿は学生になすり付けられるようなものではないですよね。それ逆に可能ですか?そんなことが起こるとしたら、それこそそのPIは今後やっていけるはずがない。だってその人いなくたってペーパーは出るってことなんだから。金取ってくるだけでやるべき仕事をしない=金に置き換えられちまうPIなんてみじめで目も当てられないでしょ。ある意味自殺する人間を見るよりそっち見てる方が精神的なダメージ食らいます。あくまで個人的な感想ですが。もしそれが起こりうるとしたらポジション持ちの人間とPIとの間くらいの話なんじゃないですか。力量の関係もあるだろうし。でも学生に関してはあり得ない。学生がコレスポにはならないだろうし。
なので、一番良いのはポジションのある人間全員が所属機関との間で捏造=一発退場という宣誓書にサインするってことだと思います。どっかの教授とかみたくバレても『内容の正当性をチェックしただけ』とか言って数ヶ月給料安くなればしれーっとまた復活するみたいなことは断じて許すべきじゃないでしょうね。
最終的には明確に法律違反=犯罪として処分されるような仕組みができればいいですね。お金の返還義務も含めて。
ただ、ルール作成は研究者が行うべきだと思います。お金の不正使用の例をみても、おそらくそういう土壌作りのやり方を間違えた結果、管財発注とかいう面倒くさいシステムになってます。そんなことを考えて、手間・労力・時間etc.トータルで考えてより優れた抑止力を発揮するだろうと思い一発退場システムの導入を提案させていただきました。
http://p.tl/HDtZ
直接的な解決策ではなく、また一部の捏造を防ぐ働きしかないのですが、「失敗した研究結果」を発表できる論文誌を作ってはどうかと思っています。
そういう雑誌があれば、さんざん研究したのに成果がないという理由で行われる捏造については防止できるのではないでしょうか。
(当然ながら、とにかく有名誌に出したいという理由での捏造は防げませんが)
また、「こう考えてこう実験したけど、うまくいかなかった」という情報を共有すること自体も有意義なのではないでしょうか。
もちろん今後のためにそういう情報を出したくない人もいるでしょうが、「もうこの研究に見切りをつけて次に行きたい」となったとき、そういう雑誌があれば余計な誘惑に駆られることもないのではないかと思います。
そういう雑誌だと最初に立てた仮説と実験内容だけで査読することになりますので、その雑誌自身への捏造投稿もないのではないかな、と(そもそもインパクトファクターが高くなるとは思えないので、そういう標的にされにくいかと)。
こういう雑誌を活用できたらいいですね、と思ったのですが、chargeが高いですね。
さすがにnegative resultsのためにこの金額は払えないかもしれません。
もっと気軽に投稿できれば、こういう雑誌の役割も広がるかもしれません。
ただ、現在は「いい加減な実験結果」のうちの「著者に都合のいいデータ」しか公表されていないのが現状です(捏造の有無に関係なく)。それに比べれば、都合のいいデータも悪いデータも公表されたほうが、科学の進歩のためになるのではないかと思います。
腕が悪くてデータがとれなかっただけであれば、別のグループから反論が出されるのではないかと思いますし、「情報を(誰かの意図で)絞り込む」よりは「情報を氾濫させる」ほうがまだマシなのではないかな、と考えています。
もちろんおっしゃる通り単に腕が悪いだけの実験を極力除外するような努力は不可欠ですし、それは言うほど簡単なことではないだろうな、とも思うのですが。
そういう論文は再現するのが困難で、そのくせそういう論文を否定するような論文はacceptされるのが難しいですので、科学に与える害の大きさではPhotoshopで画像を加工しているのと大して変わらないように思います。
ネガティブな結果を公表できるような枠組みがあれば、そういった自覚のない不正行為への対抗手段にもなるのではないでしょうか。
もちろん「作業仮説が間違っている」というのも立派な新知見であることはFJさんのおっしゃる通りなのですが、現実としてそういった研究は論文になりにくいことが多いかと思います。そこから発生する捏造を抑止できるのではないか、というのが最初に書いた理由です。
もちろん、他の方が書いているような役割(捏造データに対する反論)も期待できるかと思います。
社会における価値が現時点では必ずしも明瞭ではない基礎研究領域にも関わらず、研究費やポストの配分がwinner takes it all方式に偏りすぎており、特に生命科学分野ではこの傾向が顕著であるようです。研究グループ間で数十倍の研究資金の格差は今では珍しくないですが、必ずしもそれに比例したアウトプットの差があるわけではありません。同業者から見て、受領している研究費とラボの規模、アウトプットに整合性がないように感じることもあります。基礎研究は多様性が命であることを強く訴え、研究環境を今より少しでも平準化することにより、捏造のモチベーションは幾分かは減少すると思います。
ピアレビューの長所、短所をしっかり議論すれば、完全な外部機関による補完の必要性が浮き彫りになると思います。捏造者の所属機関が調査をすることは、調査の公正性や、巻き込まれた調査委員の機会損失を考慮すれば、避けるべき慣習です。完全な調査権をもって当該研究の過程で何が起こったのかを公開するところまでは外部機関の行うべき仕事だと思います。既にここで議論されているように機関を設置することの経済性は問題ないように思われますので、過去に何度か議論がありながら現実には設置に至らなかったことには別の理由があると思います。
詳しい事情がわからないので何とも言えませんが、問題を一つうまく処理できなかったとは、言えるかもしれません。
また、受験生に対しては、しつこいほど、「事前に志望する研究室を訪問し、教授とよく話し合うこと」を要求しています。できればその研究室に一定期間滞在して、どんな研究室なのかを体感すると良いでしょう。断る教授は居ないと思います。また、それを断るのであれば、そんなところに行く必要がありません。
また、各ラボの博士取得の平均年数ぐらいは、PIに聞けば何の問題もなく教えてくれるはずです。
減らすか」という問題とはかなり毛色が異なるので、独立の記事としてご意見を送っていただけるとありがたいです。もっと多くの人と議論すべき問題と思います。
は、既にコンセンサスがあると思います。
(1) http://bit.ly/1d7C7Kx
(2) http://bit.ly/1d7CnZZ
松澤孝明(独立行政法人科学技術振興機構 研究倫理・監査室)
114件の事案を収集し、分析されています。盗用型が全体の約6割で、捏造・改ざん型が全体の約3割を占めていました。自然科学系では捏造・改ざん型が多く、ライフサイエンス分野が多いという結果でした。研究不正等の発表・報道件数は2003年ごろから急速に増加し、推定発生件数の推移は科学技術政策の変遷との一致が見られます。
研究室で比較的立場の弱い者や、年齢的にも若い研究者が「結果として」研究不正等を犯してしまう場合があり、研究経験が相対的に浅いことや、評価されたいという感情から指導者の望む結果を出そうと誘導されやすい場合があることが指摘されています。
教授・准教授などの場合は、研究者としての競争的環境から「心ならずも」研究不正等に走らざるを得なくなる場合があることが指摘されています。
どの程度の罰則にするのが適切かということもよく検討することが必要だろうと思います。
わが国における研究不正 公開情報に基づくマクロ分析
(1) http://bit.ly/1d7C7Kx
(2) http://bit.ly/1d7CnZZ
このコメントが余計になってしまったのですが、消し方がまだよく分かりません。すみません
これがおかしいんだよw なんでそれに気づかないw
調べ尽くしてないなら、ディスカッションだけに留めておくべき。
不完全な論文の存在を助長しているし、不完全でいいなら、チャンピオンデータだけでCNS狙うっていう研究者がどんどんわいてくる。
これがわかったらすごいから、どんなに適当でも良いから商業誌のエディター様に認可してもらって、
クレジットを取ろう、なんて思っている奴らバッカリだから科学が腐敗する。
それをあたかも完全であるかのように装うのは明らかに不正
「不完全だけどこういう結果が得られています」と明記すればいいのに
それではCNSに出せないから不正に走る
データ作りの手順があることを知らない博士課程の学生やポスドクを多くみてカルチャーショックを受けました。これはプレゼンからだけでは判断が難しいです。
検量線やコントロール実験の大切さは、論文を読み込むことや現場で実験データと向き合うことで身につけられるものと思います。むしろ、誰かから言われるのではなく、その作業を通じて自ら身につけて欲しいものと思います。しかし、現実は、教員の直接の助言が必要ということなのでしょうね。
捏造問題とは少しずれた質問になったかもしれません。すいません。
しかし、東京新聞に載っていた「今回問題になっている不正箇所の多くは、図表を良く見せるためのお化粧と理解している。」という加藤氏のコメントを見て思い直しました。
ふざけんなよ。おまえらはおれたちが美しい写真を撮るために何度もサンプルを作り直す努力をバカにしていたのか? しかし、おまえらのやってきた研究も学位も地位も無名ポスドクの暇つぶしでパー。あんたらが研究に費やした時間(=あんたらの人生)には、おれの暇つぶしの価値しかなかったわけだ。今後は自分らの人間としての価値の低さを噛みしめてくださいねwww 無駄にした税金は返せよ。ざまあみろ。
http://blogimg.goo.ne.jp/us...
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http://blogimg.goo.ne.jp/us...
http://blogimg.goo.ne.jp/us...
http://blogimg.goo.ne.jp/us...
→ http://kaken.nii.ac.jp/d/r/...
長崎大学による調査結果が新たに出た後も科研費は交付されつづけるのでしょうか? これは、研究活動の不正行為への対応の ガイドライン
→ http://www.mext.go.jp/b_men...
に反しているのではないでしょうか?
● 競争的資金の打ち切り
● 競争的資金申請の不採択
● 不正行為に係る競争的資金の返還
● 競争的資金の申請制限
基盤研究(C)の科研費を森直樹教授に配分している日本学術振興会は、このガイドラインを守っていないということにならないでしょうか?
● 内部規程に基づき適切 な措置
● 不正行為と認定された 論文等の取り下げ勧告
調査結果がでて半年以上経過した時点においても、長崎大学の調査により不正であると認定された8報の論文(#67,69,71,72,73,75,76,77)は未だ一つも撤回されていません。
: 森直樹教授の長崎大学での発表論文リスト→ http://blog.goo.ne.jp/naoki...
>改ざん、捏造があったのは事実。撤回勧告のあったものは基本的に撤回する。
>既に二本は撤回済みで、ほかの十本以上で手続きに入っている。
>当方が無能だったため、間違いを犯していた者を見抜けなかった。すべて当方の責任。
>(研究室には)常時四十人以上が在籍しており、研究グループもいくつかに分かれ、
>不正は一つのグループに集中していた。悪質な不正を繰り返していた者は少ない。
>今回問題になっている不正箇所の多くは、図表を良く見せるためのお化粧と理解している。
ちょっと自分の目で見ても信じられないコメントですね。
都合の悪いデータは切り貼りするのが常識。
間違いは、他所の割喰った人たちがショボイ雑誌に論文出して、負け犬がましく修正してくれます。
入れた荷物が港で水没、、、これまでいろいろ言い訳があったけど、
”捏造はお化粧”今年はこれで決まりです
お化粧くらいは問題ない、理想を言えばきりがないが現状これくらいの
捏造は仕方ない、って言えるな
なんせアカハラで追い詰められた若手がどうしようもなくなって捏造に手を染めても
「PIに直接的な責任はない、若手が全面的に悪い」と語っていた学会だし
髭の予想なのだろう
肯定してるようには読めないが、果たして…
それに乗っかったのかもね
「このくらいはいいだろう」を積み重ねて数十件にも及んでるんだけどね
割れ窓理論が正しいかどうかは知らんが、捏造に関してはほっとくとすぐ
エスカレートするんで、あんまり「軽微な捏造を取り締まるべきではない」だの
「悪意がなければ許すべきだ」みたいな意見に賛同する気になれないんだよね
少なくとも小ネタのうちに警告を発するぐらいしておかないと、そのうちエスカレートして
「名前が同じだけど全く違うタンパク質がなぜか検出される」みたいな事態が訪れる
髭は若手の捏意のせいにし
誰のせいにもならないすごい発想だな
と支援してるよ
> --不正を指示したことは。
> 全くない。既に教授になっていたし(不正をする)理由がない。
教授が捏造に加わることはありえない、捏造は教授以外が行うもの
と明言されたね。
ラボ経営って大変ね
だからあらかじめ予防線をはっているとかなのか?
どうなってんだ、この業界。
前もスレ内で話題になったけど、「PIの望む結果が出たか」だけを評価軸にしたら、
PIのテーマ設定がおかしい場合、捏造するかPIの不興を買うかの2択になる
「結果が出ないテーマの場合はそれを的確に進言できる」なんかも評価軸にする
必要があるのに、髭は結果が出なかったら「(研究をやめて)臨床に戻れ」だろ
クラスAを咎められないのが分生レベルの教授陣でしたとさ。
捏造を無くそうとか言ってる人間達が、もっと上のクラスの捏造家達だったって、
何のサスペンスだよw
2つの意味でひどいね。
まず、これが正しいなら、教授未満は成り上がるためには不正もする理由ありってことだし、
教授になっても、超大型研究費だと中間報告とかでしめられるから、論文欲しいとこだろ。
前者は捏造推奨の業界体制を表してるし、後者なら嘘だもんね。
そして、ボスはチャンピンデータが発覚したとき、部下のせいにする。
結局、都合のいい人柱だよな。
それを教授は、「このデータじゃ論文に出来ない。こうだったらまとまるのに。」と言ってれば済む。
あとは任期が切れて、無職かチャンピンかを迫られた部下が・・・
いやはや、任期付ってすごい捏造養成システムだよね。びっくりするくらい効率的。
若手の大半が捏意に目覚めるのに、5年もかからないだろ。
一発退場にする必要はないけど、「そのデータはおかしい」と
論争を挑める場を(2ch以外にも)作る必要がある
まあ、偉い爺さんが相手を恫喝して終わりそうな気もするが
教授クラスを監査の対象にしたら
何が起こるか当然わかっているよね?
ちゃんと考えておかないと困るよ?
若手の責任追及は、まあOKとしよう。
PIとして売り出し中の頃の彼は部下の微妙なデータから真実を見抜くのが得意な優秀な研究者という触れ込みだった。
その分部下の指導は厳しいが、成果がたくさん出るので頑張っていると当時ラボメンバーは語っていた。
今から思い返すと全て合点がいく。特定のグループのせいだけにはできないだろう。
研究費を全額弁済すべきだ。
"ガチ"でやるの?
> 「コピペで済ませよう」という輩が出てくる現実をまったく理解していない。
> どんなお花畑に住んでんだろうという気持ち。
もちろんNakagawa先生はご自身がそんなことを考えたこともないからこそ寛大であろうとされたのだと思いますが、結局それが慎重に慎重を重ねた東大の調査ですら(2chの「分生にすら怒られた東大」という表現は笑いましたが)43件もの捏造が認定されるという結果に繋がっています。
処罰うんぬんはともかくとして、怪しいものを怪しいと批判できる枠組みは絶対に必要です。
全くない。既に教授になっていたし(不正をする)理由がない。
そうだとすると、ボーダーラインをどこに引くのか、そして誰が引くのかという問題が避けられないように思います。
それこそ偉い人の一存で決まってしまうように思いますが。
どんな処罰をすべきかはともかくとして、「捏造はどんなものでも絶対にダメ」を揺るがせてしまうと、「この国の科学」は国際的に通用しないものになってしまいませんか。
>とをするのか、知りたいです。まあ、文学的な興味というか、人間的関心です。
>そこがわからないと、自分としてどうしていいのか分からない、そういうことです。
>かつては研究不正は極めてまれでした、というかそう思っていていました。
身の周りにはタイラ先生やカトー先生のような純真で世間知らずな人は居ない。
卒論生でさえ、もっと現実主義で狡猾で研究に絶望している。
ただ、私はそういうものに参加するつもりはありません。どうぞおやりください、という立場です。
たとえそれが最善ではないにせよ、不正者に罰を与えることで不正が抑止できる可能性がある、と数千年間考えられてきました。それに従って、不正を行った者を批判するのが当面我々にできることです。
もちろんもっと大きな議論も必要だという主張がわからないわけではないですが、結論が出るかどうかもわからない議論を優先させるわけにはいかない、と私は思います。
私は先生方の発言に最も怒りを感じています。
研究の価値および利益は研究公正に大きく左右される。研究を組織・実施する方法は国家的相違および学問的相違が存在する、あるいは存在しうるが、同時に、実施される場所にかかわらず研究公正の基盤となる原則および職業的責任が存在する。
原則:
研究全ての側面における誠実性
研究実施における説明責任
他者との協動における専門家としての礼儀および公平性
他者の代表としての研究の適切な管理
アイデアを盗用し安易に立ち上げたものに関しては成功例は少ないのではないでしょうか)COIという視点が行政側(特にファンディングエージェンシ)から、欠落しているのです。
別に全て引退する必要はないですが。
叩かれても決して閉鎖しようとはしなかった委員の先生方、おそらく反感を買うことが分かっていても実名で意見を述べられた先生方には心から敬意を表しますが、やはりちょっと、という思いが否めません。
そのあたりを考えると、役職を何でもビッグネームばかりが占めている、という慣例をなんとかしたほうがいいんじゃないかという気がします(今でも多少は若手も入っていますが、もっと中枢に入れるなど)。
それこそ、そのほうが現場の声が上に届きやすいのではないでしょうか。
また、どのような決め方が良いと思われますか?
政府関係の機関、例えば日本学術会議とかは、今、HPで調べてみたら、新会員は現会員の推薦で決めているようです。(私は会員ではないので、実際のところどんな感じなのか知りません。)
幸い、分生の倫理委員長の小原先生が会員のはずです。お聞きしますのでしばらくお待ちを。
「捏造論文は必ずしも悪ではない」は、もうだいぶ昔、私が捏造を引き継いで苦しんでいたラボで、先輩から言われた言葉です。その先輩はその当時に私をまったく助けてくれなかった先輩です。「捏造論文は必ずしも悪ではない。勇み足が科学の進歩を生むこともある。」なんて酷いことをいう先輩なのだろうと当時はとても思いました。しかし、それからだいぶ時間もたち、いろいろ勉強し、様々な経験を積み、私はそれが確かに当てはまる事例もたくさんあることを知りました。しかもそれが科学史における大きな進歩に関わった場合があることも知りました。
国民が研究者に血税を捧げているのは、捏造をしないからではありません。研究者が新しい面白い意義あることを見つけてくれるからです。どれだけ捏造が苦しくても、このことは絶対に忘れてはならないことだと私は思っています。恨みの矛先を国民に向けては絶対にいけません。我々は科学者です。研究者間競争の公平性の確保を科学の進歩より優先させてはなりません。我々が恨むべきは、科学の進歩を阻害するような捏造です。その捏造が生み出した実害というものを量る作業を我々は怠ってはなりません。それに、メインデータも含めて論文全体の検証をされてしまう方が嫌がる人が多いだろうと私は感じています。「末端データのコピペだけで論文が撤回されてしまった」と被害者ぶることができなくなりますから。
ただ、論文全体の検証にはコストはかかります。そのコストを払えないのであれば、「捏造=悪」の哲学で行くしかないとは思います。現実を調べれば、「捏造=悪」で行くべきということになるのかもしれません。そうなった場合は、大変残念ですが、仕方がありません。まずは、現実を淡々と調べなければなりません。
ネオ2 ・・・ 340
ネオ3 ・・・ 190
ネオ4 ・・・ 3
捏造への対応に関して私が一番言いたいことは、その調査や刑罰や処分を考えるなら、司法の世界ではるかに長い時間をかけて培われた知恵をもっと借りたほうがいいということです。
私の長文がこのサイトに悪い影響を及ぼしているという指摘が匿名掲示板にあり、それはそうかもしれないと思いました。少なくとも「匿名A」としてはこれを最後の書き込みにします。近藤先生や中川先生の試みに大きな敬意を持っています。新しいターゲットブログを楽しみにしております。
特に実名で書き込んでいただいている先生方に心からお礼を申し上げます。
Ozakiさんのコメントの中には、「研究費申請書の査読者による盗用」が出てきており、これが捏造以上の問題としてOzakiさんの主張の主要因になっているように思います。この「捏造問題にもっと怒りを」の中での議論では、「論文データのねつ造が頻発している」というコンセンサスはありますが、盗用が頻発しているという意識は無いと思います。(私が知らないだけかもしれませんが) できれば、盗用が大きな問題になっている事が解る資料か何かを提示していただけないでしょうか。そうでないと、バックに異なるものをイメージしたまま議論が進んで、議論にまとまりが無くなる可能性が高いです。
「100%同意」とお答えしたのはちょっと言い過ぎだったかもしれませんが、今回の書き込みを読ませていただき、改めて、自分の考えていることに近いと思いました。私が、匿名Aさんの投稿を読んで、真っ先に思い浮かべたのが、メンデルの遺伝法則の論文とシュペーマンの移植2次胚論文です。これらは、統計的に細部を問題にしたら、多分リジェクトされてしまう可能性が高いです。しかし、これ等のすばらしい論文を否定するようなルールなら、そんなルールは存在するべきではないと思います。
片瀬さんが紹介してくれた論文を読みました。論文から、一番強く感じたのは、ちゃんとしたデータに基づいて議論することの重要さです。例えば、捏造告発に関する現在のシステムの問題点として「実名で、自分の所属する機関に告発しなければならず、それが不可能である」と多くの人が(私自身もです)主張しますが、現実には匿名の告発もかなりの割合で受け付けられています。大学(阪大・東大)のHPの告発窓口の説明を読んでみると、ちゃんと匿名でも可能であることが書いてありました。
実は、論文の著者の所属するJSTの監査室を訪問し、室員の方々とお話をしてきました。彼らはこのガチ議論HPをチェックしています。立場上、ここに書き込むことは難しいとのことですが、何らかの形で参加していただけるようにお願いをしてきました。が、まだちょっと時間がかかるかもしれません。
森直樹氏が、今までに分子生物学会員であったことは一度もないようです。したがって、学会としては正式にできることは無いと思います。我々にできることがあるとすれば、いろいろな手を使い、この話を広めて、研究者内の常識にしてしまう事でしょう。このHPをJSTがチェックしているのであれば、文科省、JSPSの担当部門も読んでいるでしょう。彼らにとってルールの整合性は極めて重大ですから、何もしない事は無いと思います。加藤問題に関しては、新聞へのリークがあったので東大も公式発表を急ぐはずです。それが出れば、研究資金配給元としても何らかの判断をせざるを得ず、それは他の事件にも波及するはずです。それを確実にするには、研究者の間でこの問題に対する関心が高いことをアピールし続ける事が必要です。このガチ議論HP自体が存在する意味は、まさにそこにあると思っています。
あなたは分子生物学会の会員であり、研究倫理フォーラムの講師でもありました。学会員に対し、今回の問題に対して釈明する義務があるはずです。なぜ、どのようにして捏造が起こったかを説明しに、年会に来ていただきたい。どんなに福島での支援活動をしていても、その義務はいささかも消えません。あなたが、サイエンスの世界に戻れる可能性がわずかでもあるとすれば、今回の事件について自分の口で語ることが、絶対に必要です。もし会場に来るのが無理と言う事であれば、スカイプによる参加も考慮します。ご連絡をお待ちしております。
申し訳ありませんが私はこの話題を実名で行う勇気はありません。
年会長という立場上どうしても叩かれることが多いにもかかわらず、忌憚ないご意見を述べられている近藤先生は率直にすごいと思います(皮肉ではありませんw)。
2chで、メンデルの捏造が科学の進歩に寄与していない、それどころか阻害してしまった可能性が挙げられていました。捏造による不自然さがあったからこそ、メンデルの論文は黙殺されてしまったのだ、と。残念ながら、私はそれをありそうなことだと感じてしまいました。
たとえば加藤先生の出した論文のうち、問題ありとされた43件以外について、みなさんはどうお考えでしょうか。またそれら(43件以外)の論文を使って学位を取得したりポストを取得したりした研究者のことを、どう評価されるでしょうか。建前ではなく本音として、「それはそれ、これはこれ」として有効に活用する気になりますでしょうか。
まあ現代であれば大勢の人が追試を行いますので、「怪しい論文に入っている一筋の真実」が見逃されることはないでしょう。それでも怪しい論文に書いてあるデータはすべて無いものとして議論が行われるわけで、費やされたあらゆるコストはすべて無駄になってしまいます。
むしろすばらしい成果が含まれている可能性があるからこそ、末端部分での捏造は行うべきではない、全面的に否定されるべきだ、と思えてならないのです。
別に潔癖を気取っているわけではなく、結局はそうすることが一番「経済的」なのではないかと思います。
年会長なんて、ちょっと大きい忘年会の幹事にすぎません。ついでに言えば、学会の理事、大学の学長、学術会議の議員とかの役職だって、科学者という物差しで見れば、雑用係のトップです。誰も、役職なんかで評価されたくないでしょう。1科学者としての業績だけで評価されたいはずです。
とんでもない誤解です。メンデルが理解されなかったのは、あまりにも時代に先んじていたためです。メンデルについては、是非、私が以前に書いたコラムをお読みください。考えが変わるはずです。
http://www.fbs.osaka-u.ac.j...
もし私が同じ分野の研究者であれば、残りの論文も眉唾ものと考え信用しません。同じ目的を追っている同業者がたくさん居るのであれば、同じようなデータはすぐに出るので、疑わしい論文を参考にする危険を冒す必要はありません。そういう意味では、論文の価値はありません。しかし、論文の中に、他のラボで追試されていない結果で重要な結果があれば、自分のところで追試し、確認できればそれを基に研究を進めるでしょう。事実は事実です。
大きなラボに所属しており分業で研究していた場合、NCS論文の筆頭著者であろうとも、その人の科学者としての才能を保証するとは思っていません。評価できるのは、ストレスフルな大ラボで生き残るタフさ、そこでfirstを取れるだけの実験のうまさ、速さ、クレバーさなどですが、それは結構研究業界を生き抜くには重要な才能です。その人が本当に捏造に加わっていないのであれば、その人は最大の被害者です。救わなければいけません。でも,
事件の全容が明らかにならないと、それを証明するのが難しいですね。
この辺の意見の食い違いも、私の意見が捏造問題限定なのに対し、Ozakiさんは、もっと広く不正問題全般について考えていることから生じていると思われたので、別ラインを立ち上げていただけるように、お願いいたしました。
日本学術会議へのご意見を拝見するにつけ、1年半の間、副会長を務めた者として責任を感じるところです。今は、一会員として、日本分子生物学会での「捏造問題フォーラム」等の取組みにも関心を持って、なすべきことを考えたいと思っています。
論文の捏造の他にも、査読者による盗用といった不正も指摘されていますが、論文数の水増しによる業績誇張といった、科学者の資質の問題ともいえる課題もあるでしょう。科学者自らがこのことを認識し、解決するための方策が必要であるとのご指摘に共感いたします。
今後とも議論を注視させていただきたいと思っています。
うち自分の仮説に合う少数の58個しか使わなかったそうです 竹内薫著99.9%は仮説 より)。おそらく彼らは直感的に、使わなかったデータは実験上の誤りである、もしくはまだわからな
いロジックが隠れていると思い、特定のデータのみを使ったのでしょう。当然かもしれませんが、これらの論文は後で検証され、正しいとわかったから賞賛され
批判されないのでしょう。察するにこれらの論文が書かれた当時は発表された論文はあくまで仮説であって、その後検証され実証されて初めて評価され、間違いが
判明すれば批判(抹殺?)される、ということだったのでは?これに対し、現在の論文は発表された時点で、論文の結論は証明された物だとマスコミはもちろ
んほとんどの科学者も思うのではないでしょうか?私はこのような今の状況では(少なくとも同様の実験の)データは隠さず出すべきだと思います。もちろん全てのデータが仮説を支持するとは限りませんが、そこは何とか言い訳するべきでは。そして雑誌のeditorや査読者は本質が正しいと思えば些細な矛盾には寛容であるべきだと思います。反対に古き良き時代(?)にもどって、科学者の直観を論文に許し、その代わり科学論文は検証されるべき仮説と考える、のもありでしょうか?そう言う意味ではいわゆる二番煎じ(になってしまった)論文も検証論文として正当に評価されるべきなのかなと思います。
匿名掲示板のレスでも類似の誤読を多数感じます。
近藤先生はおそらくチャンピオンデータの問題自体に触れておられません。
私は軽い捏造だろうがチャンピオンデータ問題だろうが、そういうところを甘くするといずれ大変なことにつながると思っていますので、ダメなものはダメというべきだと考えていますが、そうではない意見をはっきりと述べていただくのも参考になります。
選んで良いデータと、選んではいけないデータがあります。それをいっしょくたに議論するのは、不毛だと思います。
私には、いっしょくたに議論されているようにか思えませんでした。
先生の書き込みから、再現性の乏しいデータを再現性がとれるまで突き詰めるのではなく、再現性の乏しいデータの中から都合の良いデータを抽出することを肯定しているように解釈されている方がいるようです。メンデルは、都合の良いデータを抽出したのではなく、再現性がとれるような条件を突き詰めただけだと思います。
今ここでなされている議論は、この2つを混同しているために起きていると思います。
「定」説に反する結果は失敗だから捨てる?その定説ほんとなの?定説を否定するために定説に沿う結果を捨てて反する結果を取るのは捏造?もう哲学論争にしかならないからこのへんでやめときますが、データの取捨選択は時には捏造ということでもいいですが、結局は悪意の認定をどう行うか?ということに尽きるんじゃないかと思います。
例えば、Natureでは、
"In inherent principle of publication is that others should be able to replicate and build upon the authors' published claims. Therefore, a condition of publication in a Nature journal is that authors are required to make materials, data and associated protocols promptly available to readers without undue qualifications."
日本学術会議の「科学者の行動規範」にも
「研究・調査データの記録保存や厳正な取扱いを徹底し、ねつ造、改ざん、盗用などの不正行為を為さず、また加担しない。」
http://dsm.fujita-hu.ac.jp/...
私はこれをたいへんよろしくないことだと思いましたので、帰国してすぐにこのような対策をとった、ということです。
ここではまず、バンド画像の180度回転後の再利用、というような「それ以前の悪質なもの」、誰が判断しても不正といえるもの、を議論の対象にしたほうがよろしいのではないでしょうか。
ただあやふやにすると、悪意ある捏造者に一番利用されやすい部分でもありますので、年会で徹底的に議論してもらいたいところです。
できれば学会としての統一見解まで出してもらいたいところですが、まあ難しいでしょうね。
『今度の論文には何のデータを載せるか』という取捨選択でしたら、自力で論文を一報でも書いたことがある人であれば全員やっているはずのことです。不適切な取捨選択は捏造扱いされて良いと思いますが、取捨選択の正当性に拘るよりは再現性に拘ってほしいと思います。表面上の書類だけ揃えて満足するダメ官僚を彷彿とさせます。
有意義な結果も含まれているかもしれないから、というのがその理由と理解していますが、捏造が非難される時点では既に結果は公表されています。有意義な結果が含まれていたとすれば、それはもう我々のコミュニティのものとなっているはずです。たとえば誰かが追試すれば、それは確固たる科学的真実となるでしょう。
であれば、捏造者を心置きなく非難しても、なんら問題ないのではないでしょうか。怪しい論文の中の有意義な結果については、既に吸い上げています。残ったのは、我々の科学を破壊しようとした捏造者だけです。いくらでも、必要なだけ非難すればいいんじゃないかな、と思うのです。
メンデルが何度も例示されていますが、メンデルは没後百年以上経った今でも、本人が訪れたこともない極東の島国ですら、捏造者の代表例として挙げられるという立場に立たされています(そもそも捏造があったかどうかに議論がある状態であるにもかかわらず、です)。しかも論文の中にあった有意義な結果も容れられず、生物学者としての利益を受け取ることはほとんどありませんでした。ポストにも就けていません。
どちらかというと、メンデルは「捏造があったかどうかもわからないのに強烈に非難されている人物」なのではないでしょうか。
心置きなく非難するとか、いくらでも非難するとか、そういう考え方はまともではありません。それはいじめです。誰にとってもプラスになるとは思えません。
捏造を考える以前の問題に思います。
さて分生研でのデータ捏造については報道と加藤氏のコメントが流布していますが東大から肝心の中間報告書が公開されていません。160報以上の論文を精査した労力は大変なものですのでそのエフォートは公開して共有することで有効利用させて欲しいものです。加藤研の論文を引用したり、それにもとづいて書かれた論文も多いでしょうからどの論文に問題があるか、だけの情報でも欲しいところです。このような問題付きの論文が明らかになれば著者からの申し出を待たずに掲載誌の編集部が読者に対して注意喚起のメッセージを発信して誤った引用の拡大を止めるべきです。
2つの新しいスレッドを立ててください。
タイトル「研究不正問題2、まっとうなデータと不正の境界はどこに?」
記事「コピペは言語道断ですが、世の中にはグレー領域のデータも存在します。このスレッドでは、どこからが許されない捏造になるのかを議論します。」
です。
チャンピオンデータ問題、取捨選択問題、オーサーシップ問題、などはここにどうぞ。
タイトル「研究不正問題3 公正局の立ち上げは可能か、本当に機能するのか?」
記事「研究不正に対応するシステムとして「公正局」の設立の必要性が叫ばれる一方で、それが本当に機能するのか、あるいは負の効果の方が大きいのでは、という危惧があります。このスレッドでは、公正局について、おおざっぱにではなく、もっと突っ込んで具体的に議論します。」
です。
公正局設立に賛成の方、反対の方、ここで議論をお願いします。
実名をさらす必要は全くありませんが、どの発言がどの匿名さんだか解らないと混乱するので、何か特徴的な名前に変えていただけないでしょうか?
http://scienceinjapan.org/t...
しかしながら、気になったのは、生命科学分野の研究は医師や薬剤師の免許を持っていない理学系の研究者も多いということです。医学研究科に所属している研究者でも、必ずしも医師ではない場合があります。理学系の学部を出て、医学系の大学院に進学した人などです。
そうした医師や薬剤師の免許を持っていない人達が告発されて研究者としての道を閉ざされた場合は、親が資産家でお金に不自由しない様な人達を除いて、運が良ければ塾で講師をするなどで生活していかれたら良い方ではないかと思います。(最近は少子化で、塾の募集も減っているので状況はあまり良くない様です…)
(私が調べた範囲では、2005年以降に発覚して新聞沙汰になった論文捏造事件では、告発された人、告発した人、それぞれ1名ずつ自殺者が出ています。告発される側もですが、告発する側にもかなりの精神的なストレスがあると思います)
「なるべく早く動く」
「情報は可能な限り公開する」
の2点を守るのが鉄則だと思います。聞かなかった事にする、騒ぎが収まるのを待つ、というのは論外ですし、慎重に事を進めるあまり対応が遅れるというのも、結果としてその事業所なり機関なりの評判を落とす事になります。誹謗中傷や讒言かどうかしっかり確認しなくてはいけないのでそれなりの時間がかかる、という考え方もあるかもしれませんが、たとえば実験結果の再現性に関してなにかしらの告発が寄せられたとして、個人のレベルでホームページなりブログ上でそれに関連する情報を公開することは、今日びそれほど難しい事ではありません。記者発表しか情報を発信する手段が無かった時代とは違いますし、あらぬ誤解をはらす機会を我々は持っている事を認識するべきです。それは裏を返せば、対応が遅れたらなにかあるのではないかと疑われても仕方が無い、ということだと思います。
自分に捏造の疑いが(仮に)かかった場合には,告発者(指摘する側)も実名で参加してほしい
という上記引用のOzakiさんの立場は,「告発者の安全利益が日本では守られていない」(ので問題だ)というOzakiさんご自身の意見と矛盾すると思いますが,いかがでしょうか。
>2-2の告発者の安全・利益は守られない(日本では殆どの場合、守られていません)
>ことを当然とする科学技術先進国は見たことがありません。
>2-2:現状の体制で、告発者の安全・利益は守られるだろうか。
>(現状では多くの場合、匿名の告発は受理されないシステムになっている。)
まず自分と他人を”公正”に扱ってはいかがでしょうか。
「私だけは実名で指摘されても相手に圧力をかけたりしない」
でも「他の悪い人は圧力をかけるはずだから匿名の仕組みをつくるべき」
などという意見を述べる方は,信用できませんよ。
「ただの共著者」は、そんなに軽いものなのですか。
20報論文がないと博士論文を審査する教員になれないと文部科学省は定めていませんでしたか。
この言葉だけでも研究者廃業にしていいと思います。
まず嘘です。そんなビックプロジェクトはごく一部です。
オーサーシップについては他にも、いくつか不適切な類のものがあり、研究者はこういったことにならないように注意すべきだと思います。
http://www.councilscienceed...
こういったトラブルについて、上の組織(Council of Science Editors)は議論の場を設け、アドバイスを行なっています。日本でも、オーサーシップについてのトラブルはかなりあるのは間違いないでしょうので、そういった組織があったほうがよいかもしれません(これも「公正局」のようなものの仕事の一つとして入ると良いのかもしれません;判定をするということではなくアドバイスを述べる、くらいのレベルで)。
「教授(と准教授と助教)が許可して、かつ指導を行うような研究プロジェクトのみしか、その研究室で行なってはいけない」
という意味であれば、それは必ずしもmisconductということにはならないのではないでしょうか。研究費を必要とする研究であれば、研究費がそのPIの主導のもとで目的の範囲内で使われる必要があります。また、実験遂行方法やデータの解釈の妥当性、安全性の問題などがありますので、シニアな研究者の指導がある場合のみしか研究を行なってはいけない、というのも多くの分野では意味があることでしょう。
また、このような場合、各著者がすべてのデータに責任を持つことは事実上困難です。「真相に辿り着き、有効な対策を 」さんは、この点が捏造に結びついているのでは、と危惧されているのかもしれません。これについては、「論文に記載した貢献部分について、各著者が責任を持つ」ということにならざるを得ないように思います。その意味でも、貢献部分を論文に明記する、というのは今後、より重要になっていくのではないでしょうか。
katasekumiko@yahoo.co.jp
実名でなくても結構です。(秘密は厳守します。お話して頂いた事に関して記事に使う場合は、事前に相談を致します)
これはshigeo hayashiさんの投稿に対するコメントですか?
まあ、器がどうのこうのに関しては、なくても良かったという気はしますが。
(ベル研内部でシェーンの研究に疑念を感じたある研究者が上層部に報告すると「負け惜しみだ、嫉妬にかられている」と思われたようだと告白した例があげられています)
特に研究競争が激しい場合は、成功は歓迎されるので捏造などに気付かれ難くなってしまう上に、ラボのボスが情報や資金の確保に忙しくて不在がちになることで、目が行き届き難くなってしまうことも悪循環としてあり、そうこうして、捏造によるクレジット・サイクルが加速されてしまう。
(1)知名度が低いジャーナルを狙うタイプ:査読の水準が低くて捏造や盗用、二重投稿などが見逃され易く、掲載後に人目に触れ難いので論文が読まれたり追試されることもなく、そのまま放置されるケースが多い。(論文数稼ぎの手段となる)
(2) 有力なジャーナルを狙うタイプ:著名な研究者との共著にすることで、その信頼のご威光を借りることにより、再現性がなくても追試をした人の技術力不足ではないかと思わせて見逃される。(有名ジャーナルに掲載されることで賞賛され、次の研究費が得やすくなる。ただし、不正がバレた後のダメージは大きい)
特に、困難な課題に対する「異常な成功」があった場合に、それを怪しむことができるかどうかがポイントですが、こうした異常を検知できない構造的な欠陥が不正論文の抜け道になっており、個別の研究者の倫理問題に単純に還元できるものではないと指摘しています。
http://takeichimasato.wordp...
実験的な科学に携わっているわけではないので、研究内容の不正の実態については、投稿される記事で勉強させていただいているのが実情です。それとは異なる観点ではありますが、より基本的な科学者としての資質としての言動にも注意を払うべきではないかと考えています。
ご意見をいただき、ありがとうございます。さきにお伝えいたしましたが、私は、現在、日本学術会議では一会員として活動しております。7月26日に「科学研究における健全性の向上に関する検討委員会」を設置して、今後、審議が進められると思います。この委員会には参画しておりません。私も「本質に踏み込むような議論」が行われることを期待しています。関係の委員会等に、おっしゃるようなところもあろうかと思います。私自身、傍観するのではなく、行動したいと考えていますが、難しく感じることもあります。このサイトを拝見しながら勉強中というのが正直なところです。
(1)日本での治験では現在でも日本からのデータを入れているのではないかと思います(最近,血圧降下剤の臨床試験で不正があったことから考えて)。そうだとすれば,[*]はどこの国あるいは機関での話でしょうか?
(2)[*]が明確に公表されていることなのでしょうか? そうだとすれば,[*]が決められた理由としては,何が挙げられているのでしょう。話の流れからすると研究不正が多いことなのでしょうか? また,公表されていないことだとすると,[*]のように判断できる根拠は何でしょうか。
なかなか答えることが難しいご質問です。
おっしゃるとおり、私の文面にある「科学者の資質」に注意せざるを得ない場面があることは、それぞれに感じていることだと思います。
日本学術会議の会員210名は、3年ごとに半数ずつ「コ・オプテーション」によって選考されることになっています。つまり、現在の会員が次期会員を選んで行くわけです。現会員の資質についての意見を述べることは、自らが責任をもって選んだ会員に及ぶことですので、控えさせていただきたいと思います。
一方で、審議会等の委員はそのような形で選ばれているわけではく、どこかで誰かが選んでいるという感じを受けることも多いと感じます。具体的な基準が公開されないからでしょうか。
ご指摘の点については、理解しながらも、煮え切らないご返事しか差し上げられないこと、ご容赦下さい。
こういうお答えをすると(ご覧になっておられるかたも)「やはりそうか」という感じを持たれるかも知れません。ただ、Blogに書いたことから、私の考えはご理解いただけるものだと期待しています。
『「研究不正」をどう防ぐか』
<上> http://astand.asahi.com/mag...
<下> http://astand.asahi.com/mag...
有料記事なので、購読手続きをしないと読めませんが、もし読まれた方がおられましたら、この問題を考えていく参考にしたいので、ご意見などを頂けたらと思います。
(実は、元の原稿が規定の文字数よりも長くなってしまい、一部をカットして3/4に縮めました。2週間後に私のブログに転載可能になりますので、削った分も加えてUPする予定です)
ーー
なんべんも捏造データ論文についてこのブログでも触れています。わたくし、この問題について若い頃はゴシップ的な知識は割合豊富でした。そういう知識を基に捏造データを避けるために、ラボ内では極力「正直がすべて」という方針でいきました。つまり論文での明白な過ちは恥ずかしいがしかし人間である以上過ちはしかたがない、しかし意図的なデータ改竄はこれは学問上の犯罪なので、判明したら、即刻永久レッドカードと、ラボヘッドとして、躊躇なく言っていました。しかし、それは近辺にそんな人物など出るはずがないという強い思い込みがあったことも事実です。
運良く今日まで京大の生物物理で若い仲間と研究を始めてから、40年になりますが一度もありませんでした。
つまり繰り返す実験の結果データが2方向に向いた場合です。正直、難しい。どうにもならなければ実験回数を増やすか、データを公表しないというものです。
でもこういう考えはあまり元気が出ない。
それで発展的によく分からない結果を生みだす実験を回避して新しい実験を始めてなんとか答えを生みだそうとするものでした。
正しい答えはそれがそもそも出るものなら、未来で分かるはずですから。
学生としてわたくしと一緒にやった若者たちはこのあたりのわたくしの悩みと克服の努力を理解してくれたはずです。
しかし、意図的でなくてもなんとか思った通りの実験結果がほしいというのは、仮説にドライブされて研究を進めるすべての学徒にはまさに避けられない性であるでしょう。
しかし、こういう問題には正直というかたちでしか対応出来ないということがあるのですね。正直のうえにバカがつくような正直さがベストです。研究室の主宰者と現場ではそこで激しい応酬があって仕方ないのでしょう。
わたくしが科学研究というのはある意味宗教的行為と感じたりするのはこのあたりです。つまり全知全能の神様のまえで学問をやるので、嘘をついたら舌を抜かれるという類の必罰の畏れですね。それと未来の神様が真の解答を知っているという,信仰ですか。
ですから正直以外に簡単な救われるすべがない。
それで、話を元に戻すと、もう50才台に入ってから、捏造をする研究者を親しかった人物にみてしまったものです。
この体験ある意味わたくしの捏造観を根底から変えるものでした。それ以来わたくしは捏造をする人間に興味を持ち始めたのです。なぜ彼らは捏造をするのかそれで教授になったり名声をかちうるということが本人にどういう意味があるのか、そういう強い関心を持ったのでした。
つまりレミゼラブルとか罪と罰の主人公たちではないですが、悪事ではあるが本人の内面ではかならずしも悪事を犯すという意識がないのはなぜか、そのようなことについて黒と白だけでなく、なぜ学問の世界では一定の頻度でこのような人物がでてくるのかその生成の仕組みのようなものにも興味を持ちました。
これがわたくしが持っていた過去形での関心でした。古典的な悪漢つまり捏造研究者の人間像はわたくしのような旧式な研究者観を持つ人間にはそれなりに関心を持てたのでした。
共通点は、教授になるもしくは高額研究費をえる研究者の仲間になれる道として捏造をする、タイプの人間であることには変わりはないように見えます。
しかし悪漢的要素よりも紳士的な要素のほうが高い、つまりエリート教育、恵まれた家庭、温厚な人柄、こういう人たちが捏造に手を染めているようだ、ということです。
貧困から這い上がりたい、這い上がるためには自分を愛する女性も殺してしまうような三国連太郎が演じた飢餓海峡での逃亡者、つまりそういう古典的な捏造研究者はもういないのだ、というか元々いなかったという、ことがわかって来たような気がします。学問は所詮ある程度恵まれた人がやって来たものなのだ。わたくしは大きな勘違いしていたのかもしれない。
今後、エリート教育、恵まれた家庭、温厚な人柄、こういう人たちが研究社会で増えるのなら、捏造論文も捏造行為者もそれに比例してどんどん増える様な気がするのです。成功へのプレッシャが生みだす人々の行為なのだろう、と。捏造はその気になればあまりにも容易にできるからです。
平和で質素で正気に生きる多くの人が作り上げている日本社会の危険な一面がこのあたりから露出しているように思えるのです。
穏和そうにみえる大きな社会層での上澄み部分にある病的な様相です。成功へのストレスがどんどん増えてそれに容易に負けてしまう人々が静かに増えているのかも知れません。
むしろそういう推測があたってないことを祈りたい気分です。
なかなか考えさせられることです。とはいっても、私の分野はこのような自然界(?)の実験データを扱うところではありませんので、これまで、近くでこのような「捏造」を見たことはありません。
水平線効果でネガティブな事を先延ばしにするよりも、見えない先をあえて見据えて次に進む事が大切だと思います。あまり自分を責められませんように。
Protein processing and releases of neuregulin-1 are regulated in an activity-dependent manner.
Ozaki M, Itoh K, Miyakawa Y, Kishida H, Hashikawa T.
PKC regulates the delta2 glutamate receptor interaction with S-SCAM/MAGI-2 protein.
Yap CC, Muto Y, Kishida H, Hashikawa T, Yano R.
J. Neurochemの論文は、私が筆頭著者かつコレスポもとっております。ご指摘の図7は何度か同じ実験を繰り返しております。よって、共著者の何名かが実験にも図の作成にも関わっております。最終的にOKを出したのは私です。その理由は、何度か繰り返した実験と同じ傾向の図であったからです。随分昔の論文ですので、多少お時間を頂ければ、生データもどこかにあるはずです。
しかし具体例を前にした時、皆は何に怒るべきなんでしょうね。
そして指摘された側は、どのように対処すべきなのでしょうか。
自分の考えはあったような気もするのですが、わからなくなった感もあります。
2) 当該論文では,画像のコントラスト調整が行われたのでしょうか?現時点での認識をお聞かせください。
3)当該論文では,画像の引き伸ばし,その他の編集が行われたのでしょうか?現時点での認識をお聞かせください。
4) 今後,どのような手順・手段で生データなどの情報公開を行われる予定か,お考えをお聞かせいただければと思います。
2)当時フィルムを何度もコントラストを変えてとれる状況ではなかったのではと思っております。
3)引き伸ばしは、サンプル側のバンド幅をコントロールのバンド幅に合わせるように伸ばした可能性はあるかもしれません。その場合、担当者は、図のブロック毎の幅を合わせているという認識で、それを捏造とは思っていないと思います。
4)只今、関わったものの所在を確認中ですが、不当な疑惑の場合は、担当者は被害者にもなりますので、公正に判断できる状況が整った状況で、直接事情聴衆というのがよいのではと思っております。
「同じゲル/メンブレンから切り出して繋いだ図の作成の指針 (レーンの切れ目を入れるなど)」「Western Blotの際の上下のバンドの切り出しの指針」「統計処理グラフ図の作成の指針」等を明確にして頂けると私のような研究者にとってはとても有りがたいです。幾つかの論文雑誌のInstructions for Authorsを今チェックしたところ、過去に「What's in a picture? The temptation of image manipulation」というレポートを出したJournal of Cell Biology誌が割合とその件に関して詳しい指針を示していました。またJournal of Cell Biology誌は現在では唯一であると思いますが、画像操作を自動的に検出する機械を用いて、受理後の論文は刊行前に全て操作の痕跡が無いかチェックが入るそうです。痕跡があると判明した場合は受理遅延、生データ提出の要求をし、指針にあう図が作成できない場合は論文不受理となるそうです。
ご意見がありましたら、参考にしたいのでよろしくお願いします。
「研究不正」をどう防ぐか<上>
http://d.hatena.ne.jp/warbl...
「研究不正」をどう防ぐか<下>
http://d.hatena.ne.jp/warbl...
Disqusの仕様ではReplyを含めたコメントを新着順に表示する事ができないので、議論の流れが見えにくくなっていますが、公式Twitterアカウント
https://twitter.com/Science...
の方で、サイトに寄せられた新着コメントを随時紹介しています。手動なのでリアルタイムなアップデートではありませんが、ぜひご活用ください。
理研の調査委員会の委員長には、加藤茂明、副委員長には、柳沢純、北川浩史でどうか?
真面目に、最も適任だと思う。
しかし報告書の内容が真実ならば、元教授の言ってる事は全く信じられません。
一部には元教授への同情の声がありましたが、あれは何だったんでしょうか?
元教授に若手研究者への倫理教育をやらせた分子生物学会も若手研究者に謝罪すべきです。
Stap問題にコメントした方は、東大の問題にもコメントすべきです。
東大の問題は、アカデミックの腐敗を象徴しているかもしれません。
私の存在はこのサイトから消した方が良い。
自らを粗末にしてはならない。
権力の暴走をバカにしてはいけない。
私の存在はこのサイトから消した方がよい。
私は今、必死に訴えています。
私の存在はこのサイトから消した方がよい。
その間に私の存在をこのサイトから消した方が良い。
その時には私に疑いの目がくる。
私の存在はこのサイトから消した方がスタッフの方々のためです。
私の訴えを良く分析してください。ガチ議論スタッフの方々は分析できるはずです。
とりあえずリンク先の弁護士に相談して、実名で匿名Aと話し合うことをおすすめいたします。
http://www.alcien.jp/shimiz...
http://www.koushin-lawfirm....
とりあえずリンク先の弁護士に相談して、実名で匿名Aとよく話し合うことをおすすめいたします。
http://www.koushin-lawfirm....
http://www.alcien.jp/shimiz...
信じているなら実名でオーサーの方々と話し合ってもなんの問題もないでしょう。彼らの言い分もよく聞いてここで報告してください。
「オレの正体を追求しないでくれ」とお願いする相手はおれではなくオーサーの皆さん。
当サイトは、昨年夏以降ほぼ休眠状態で、スタッフもケアしていなかったのですが、昨日、匿名Aさんにより、コピペの疑いのある論文リストが大量に投稿されているのを発見しました。84件という驚くべき件数であり、どのくらいの時間と労力が投入されたのかは、我々の想像を超えています。
http://blog.goo.ne.jp/lemon...
http://blog.goo.ne.jp/lemon...
http://scienceandtechnology...
http://blogs.yahoo.co.jp/bl...
労働環境が厳しくなる中で正気を保つのは難しいですが、自分の研究や教育がいい加減になったら血を吐く思いでポジションを得た意味が無くなってしまうので、研究に真剣に取り組む人々が報われるような大学が作れるように努力したいです。
まあ、今後はコピペする奴はいなくなるでしょう。お疲れ様でした。
匿名A氏もそれが本懐でしょう。
もっと不正がありそう。
それは理科系ほど社会に影響がないのか
あまり発覚してそうでないです。
もちろん、コピペやらなんやらは問題外だが。
これだけで出てくるのは業界の競争が激しいことが原因として一つ考えられますが。
教授が絶対の北朝鮮みたいなラボばっかりある現状がもう一方の原因である気もします。
研究室の運営を民主的なものにしたら、いくら競争が厳しいとはいえ、もう少しましになるような気がするのは気のせいでしょうか。
まあ、医学部の場合は将来基礎研究で食べていくつもりがなくても、出世のために研究での実績が必要というような事情もあるのかもしれませんが。
GLUT AMPK KOPIE
http://www.yomiuri.co.jp/sc...
去年はSTAP論文と加藤研の撤回が相次いだので日本人の信用がだいぶ落ちました。
片瀬久美子さん
世界変動展望さん
社会的弱者でもなんでもありません。
愉快犯です。
font-family: "MS 明朝";
}@font-face {
font-family: "Century";
}@font-face {
font-family: "Cambria Math";
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font-family: "@MS 明朝";
}p.MsoNormal, li.MsoNormal, div.MsoNormal { margin: 0mm 0mm 0.0001pt; text-align: justify; font-size: 12pt; font-family: Century; }.MsoChpDefault { font-family: Century; }div.WordSection1 { page: WordSection1; }
>>> 指摘したのは研究者とおぼしき「匿名A」を名乗る人物。何でもA氏、1998~04年ぐらいに発表された論文を、キーワードを絞って調べたところ、見つかる頻度の高さにバカらしくなるほど画像酷似論文が続々と見つかったらしい。<<<
アメリカ人は訴訟好きだし、欧米人研究者の不正を指摘するのには腰が引けてるという事ですか?
「匿名の議論への理解を」
「再現性を重視する」「虚構かどうか、時間が経って淘汰されるに任せる」
と言うのは、ある意味危険な選択のようにも思います。なぜなら、捏造を行うのはそういうことを見越してやっている可能性が高いからです。
仮説が大胆で、検証手技が簡単で、しかも素人うけが良く、産業化・実用化や巨額の研究費の獲得が見込めそうな論文だったら、多くの人々が即座に注目してSTAPのように多くの人が追試して即座に再現性に問題があることを指摘される可能性が高いでしょう。論文のデータに不自然な箇所や使い回しがあったりしても、多くの人が目にする分、より早く見つけることが出来ます。
しかし、多くの論文は、Natureなどの有名誌のものでさえ、ごく一部の専門にしてる人々に注目されるだけで、再現性の是非の検証には数年かかるのが普通と思われます。動物実験で特殊なマウスや環境を使っているならば、費用も時間も相当なものになるだろうし再現性を確認しようと試みる人がどれだけいるでしょうか? 加えて、もし(捏造された)結果がこれまでその分野に蓄積された知見に照らして妥当なもので、単に「誰が最初に実証するか」と言う状況だった、という状況で捏造が行われると、再現性の検証へのモチベーションはかなり低くなると思います。極端な例を出せば、「ニュートリノが光速を超える可能性がある」という結果には世界中が注目して再現性の検証が行われたのに対して、「ヒッグス粒子が存在した」という報告は肯定的にすんなり受け入れられた、という風に。
「再現性に問題がある」と明確に認識されるには数年かかるとして、その間に、その人は一流誌に掲載された業績を掲げて安定したポジションを手に入れるだろうし、多額の研究予算を獲得するでしょう。その陰では、ポジションに応募したのに採用されなかった真面目な研究者や、研究予算が取れなくて断念せざるを得なかった研究が犠牲になるわけです。研究者としてのキャリアを諦める人達も少なくないでしょう。
仮に「再現性に問題があるようだ」という風潮が出来てきたとしても、その時にはもう遅いのです。例えば、現在アカポスについてる人達を思い浮かべて、仮に、彼らの「出世作」の再現性が疑問視されている場合を想像してみましょう。現実問題として、果たしてその人は職を追われるでしょうか? 答えは「否」だと思います。陰ではそういうことを囁かれながらも、その人はそのポジションに居座り続け、富と名声を享受し続けることでしょう。
匿名で失礼します。
もし、下記ガチ議論スタッフのコメントが分生の幹部の総意であるとすればとても残念なことであると思います。
それは、多くの方が、匿名の告発に対して、分子生物学会がどの様な対応するのか期待していたからだと思います。また、理研小保方氏の捏造疑惑のときに分子生物学会は常に独自の判断をし、それを発信してきたとこに思いますが、そのサイエンスに対する真摯な態度に対して、多くの研究者が尊敬と信頼を寄せていたからだと思います。
匿名でも構いませんから、この場で議論しましょう。というような趣旨が書かれています。
それに対して、匿名で、現在の捏造の状況はこうですよ。という指摘があった訳です。
それに対して、ここはそういうことを匿名で議論する場でありませんと言って、無視するのはどういうことなのでしょうか。
私を含めて失望したひとは少なくないのでないかと思います。
今回のガチ議論スタッフ、及び、分子生物学会の態度は、それと同等の行為ではないでしょうか?
今回は同じことを何故やらないのでしょう?
偉い先生にはできないということなのでしょうか?自分たちの仲間にはしたくないのでしょうか?
捏造を告発することで職を失うもの、ましてや、捏造に関わって命を失うものもいるのです。
>匿名で、現在の捏造の状況はこうですよ。という指摘があった訳です。
もしかしてあなた、不正しているから困ってるんじゃないの?くらいに思いますね。事態を軽く見すぎている。(もしくは軽くしたい意図がある?)
社会は、研究者なんてこんな奴らなんだと思って見てるよ。
事この期に至って大事なのは、彼の捏造の指摘が真っ当かどうかでしょう。
既に、指摘された論文の筆頭著者がラボのホームページから消えた、というところがあるそうですね。まだ捏造したと確定していない時点では、そうやってその個人を守る必要があると思います。しかし、その後にきちんと調査結果を発表するべきでしょうね、そのラボは。
研究機関にいるだけで自由に論文を読める特権を握っているんですよ。
でもさすがに著者名は公開されていますから(笑)、別にすぐ漢字の名前くらいは一般人でもわかります。御心配なさらずに・・・・
不正の追及は2ちゃんが舞台だとはきいてるけどね(笑)
そんな決めつけしかできないなんて、あなたのほうが頭がおかしいのではないですか?
幸い、継続的に研究不正をする人の多くは両方に手を染めるため、系統的に客観調査をすることで問題研究者を特定することは可能と考えています。今回の指摘では、数報に留まる場合はグレーとしか言いようがありませんが、少なくともなぜそのようになったか、またはオリジナルデータで反論すべきでしょう。それよりも数が多い場合は、残念ながら不正が日常化した研究グループと言わざるを得ないでしょう。
その意味で、上位5機関くらいはもっとまじめに全調査すべきと考えています。ただ、ここでのコメントの論調を見るとこの分野の自浄作用には期待できないという悲観的な気持ちになります。
を行ったとする研究者・グループ、特定不正行為の態様等、事案の内容が明
示され、かつ不正とする科学的な合理性のある理由が示されている場合に限
る。)ことを、当該特定不正行為を指摘された者が所属する研究機関が確認
した場合、当該研究機関に告発があった場合に準じた取扱いをすることがで
きる。」
ですね。ご指摘ありがとうございます。
申し訳ありませんが、この論理が私には理解できません。もう少し説明していただけますか。
匿名A氏が指摘している、文科省のガイドラインが改正されたのはどうしてなんでしょうか?
・しかし、ある頻度で、画像の重複が見られる論文で実際に研究不正が行われている。
・研究不正には軽微なものから重大なものまで様々。ただし、明確な境界は存在しない。
・画像の重複が見られる論文は非常に多い。研究機関単位で見れば全ての研究機関が該当する可能性もある。
・従って、この問題にはコミュニティー全体で取り組む必要がある。
http://odr.stowers.org/webs...
とりあえず、これくらいはやってもいいと思いますが。
国会議員に陳情に行ったこともありますが、その時に問題意識を持つ研究者が集まって陳情することが重要だと伺いました。政治家への働きかけを快く思わない方も多いかと思いますが、税金を頂いて研究している以上は、研究に関わる問題の解決法はやはり立法府で法制化するべきだと考えます。(独立した不正の調査機関もそのひとつだと思います)
最後に、匿名Aさんのように怒りを持って抗議される方は、組織の中で相談することもできず孤立しがちかと存じます。そのような方が、よりよい怒りの表し方を相談できるこのような場は、貴重で重要なものだと考えます。近藤先生には何らかの形で存続されることをお願い申し上げます。
http://scienceinjapan.org/t...
長い文章を、興味をもって読ませるのは、本当に難しいです。
良い悪いはともかくとして、匿名Aさんは、その辺のところを非常に真剣に考えていると思います。
こういうのは、現在主流となっている、PI人事・研究予算配分のシステムの構造的な問題ではないでしょうか?
査読者や人事の決定権を持つ人間が理解出来ない、あるいは将来性を見通すことが出来ないプロジェクトは落とされる。査読者や人事に関わる人間がプロジェクトや候補者の科学的価値を吟味する能力がないから、結局は、悪い意味で最大公約数的なプロジェクトが採択されたり、政治力・コネ・お友達人事に走ったり、論文リストの数や雑誌名だけで決めてしまう。
だから是が非でも有名誌に載せたり、論文数を増やすために無理をした果てに捏造に走ってしまう人が後を絶たないのではないでしょうか?
どこの国でもありうる問題だとは思いますが、日本の場合は出来レースの出来があまりにも良くない気がします。肝いりで始まったFIRSTプログラムにしても、旦那の課題を奥さんが審査して採択したり、交通死亡事故で逮捕された代表のテーマを何事もなかったかのように代理を立ててそのまま進めたりしていますが、資金配分機関は競争の公平性や社会規範性が確保されていると思っているのでしょうか?自分の知っている事例も相当ひどいと考えていますので、折を見て公表させて頂ければと存じます。
確かに匿名Aさんの書き込みは荒らしのように見える時もありますが、捏造に対する怒り、告発に対する恐怖だけでなく、告発された側の行く末を心配する気持ちなどかなり共感出来ます。
私は匿名Aさんを含めた若手研究者が心安らかに研究に取り組める環境を作るためには、匿名Aさんの不安感も含めて理解する方が良いと考えています。
匿名Aさんの「フォトショップで出来るような捏造は失敗」というコメントも、ゲルを直接切り貼りしていた人(別々のゲルを綺麗に切ってつなぎ合わせるとと継ぎ目の見えない写真が撮れる)や、狙った活性を出すために色々と混入していた人を知っている自分としては納得です。
もちろんもっと良い形で告発をする方法をここで議論する事も良いと思います。
匿名Aさんを含め、こちらに書き込む方のプライバシーも守る形で新しいガチ議論につなげて戴く事を願っています。
有り難うございました。
このサイトは分子生物学会の名前を借りて、情報を世間に発信しているのですよ。その情報に対して返ってきた意見を、このサイトは分生とは関係ありませんから、私は平会員ですから。どうぞ勝手に議論してください。では、ちょっと残念、且つ、無責任だと思います。元理事であったのであれば尚更のこと、このサイトへの意見を分子生物学会に伝える義務があると考えます。
まさか、何もしていないとは思えませんが、告発された内容を含めて、より積極的に理事会に伝えて欲しいと思います。
それに対して、分子生物学会は何のコメントも出さずに黙りというのは情けないことだと思います。理事長はいったい誰なのでしょうか?
昨年の大隅会長は理研の判断は間違っていると、いち早くはっきりと発信していたと思います。その流れを断ち切らないようにして欲しいと思います。
もちろん、昔の某学会のように捏造が疑われる研究者を告発しろといっているわけではありません。他の方が書いていましたが、文科相の役人は研究に直接タッチしていないのですから、どの様に処理をしていけば良いのかわからないという面があると思います。それを正しく導くことが日本最大の学会である分子生物学会の役割の一つではないのでしょうか。だから捏造に対してガチ議論とかを企画しているわけですよね?
身内の人間が沢山いるから、固まってしまうのもわからなくもないのですが、罪を憎んで人を憎まずという有名な言葉を思い出して、勇気を持って対処して欲しいと思います。
現在、最も大きな問題は、今回の告発に対して、どの程度の処分が下されるべきかということだと思います。元データ、ノートの記録があるかどうかも重要なことになってきます。文科相が指針を整備する前なのか後なのかにもよると思います。昔のRNAに関係する東大の事件の時、生データがないという理由で実験担当研究者だけでなく、コレスポである教授も懲戒解雇になったことがあったと思います。その時に、文科相の指針も整備され、幾つかの大学では論文を出すときにはコレスポは生データを確認するという決まりができていたように記憶しています。即ち、コレスポは全ての責任を負うということだったのでなかったのでしょうか?これらの制度はいったいどうなってしまったのでしょうか?
言いたいことは、今後、それぞれの機関で調査が行われて対応が発表されると思いますが、実施した機関や調査対象者の地位によって、処分が違っていてはならないということです。
文科相だけでなく、分子生物学もこの問題に対して積極的に関わって適切に対処して欲しいと思います。
遅ればせながら意見を述べさせていただきます。
不正をする人というのは、どのような社会にもある一定の割合で出てくると考えられます。これを完全に防止するような方法は残念ながらないと思いますが、研究者コミュニティとしては、不正を最小限にとどめるための具体的方法を皆で考え、実行に移していくことが大切なのではないでしょうか。
不正を最小限にとどめるためには、不正が生じてしまう背景をよく考え、その仕組みから改善していくことが重要だと思います。
論文につかった生データの公開を原則義務づけることが効果的だと思います。
これで不正がなくなるわけではないですが、ある程度の抑止力は間違いなくあるでしょう。うちの研究室では論文に用いた行動実験のローデータはすべてデータベースで公開することにしています。生データはビッグデータ解析のようなことにも使えるような形で公開されると、科学的にもプラスであり一石二鳥ではないでしょうか。シークエンスのデータやジーンチップのデータなどは従来から義務付けられていることがほとんどです。PLOSの雑誌は最近これを義務付けましたし、技術的にも大きな問題はないように思います。
個々の研究者の実績を周りの研究者がきちんと見ていない、ということが背景の要因の一つとしてあると思います。本来、科学技術研究では、発信した成果に、どの程度波及効果や再現性があり、広い意味でどの程度有用(基礎研究で学術的に有用という意味も含む)な研究であったかを10年、20年くらいの長期的な視点をもって評価することが本来重要ではないでしょうか。ところが現状では「論文を出したもの勝ち」的なことになってしまっており、長期的な視点にたった評価の比重が軽くなってしまってます。論文を出してしまいさえすればいいので、刹那的な不正をするメリットが生じてしまうわけです。
長期的な実績の評価をしっかりするためには、時間と労力がかかります。現在、ただでさえ審査・評価疲れが言われており、今のままではそのような余裕はないと言えるでしょう。その原因の一つとして、競争的研究資金の種目が多すぎることがあります。この結果、一つの審査・評価に投入できる労力は極めて限られたものになってしまっており、論文IFに審査・評価が頼りきってしまいがちになります。そうなると、論文を出してしまいさえばよい、という方向に行きがちになってしまうわけです。実績の評価をしっかりするための一つの方法として、研究費の種目数をざっくり削り、研究費を大くくりにして、申請・審査・評価の総回数を激減させ(例えば、これらの回数を現在の1/3くらいにするという数値目標を立てる)、少数回の評価で研究者の過去の実績を十分に精査できるようにする、ということが有効だと考えます。
長期的な実績評価の具体的方法のもう一つのものとして、雑誌IFよりも個々の論文引用数を重視するようにする、ということもあるでしょう。雑誌IFと論文引用数は似てますが本質的に違うものです。再現性の無い論文は徐々に引用されなくなっていくはずです。これは研究費の申請書に各論文の引用数をつけるようにするだけで実現可能なので、予算もほとんど使わず、ある程度の効果を見込むことができるでしょう。
現在、研究者はいかにIFの高い雑誌に論文を出すかどうかに最も関心がある傾向があるわけですが、長期的な視点での実績の評価が中心となれば、刹那的な効果しか産まないような不正を行う動機はぐっと減るのではないでしょうか。
研究者が不正や問題点を仲間内で指摘しあわないということがありますが、その背景に、研究費・ポジションが不安定だから、ということがあります。
ある程度の競争性は担保しつつも、 研究費やポジションが安定的に推移する仕組みになれば、研究内容そのものについて自由闊達な議論をしやすくなり、成果の再現性などについても意見を言いやすくなると思います。
具体的には安定性と競争性を担保する 日本版テニュアトラック制度の案
http://scienceinjapan.org/t...
や安定した基盤的研究費の導入
http://scienceinjapan.org/t...
などの方法があると思います。
以上のA, B, Cの3点ですが、どれも不正を防止すること以上の大きなプラスの価値があると思います。で、このような仕組みを導入することは夢物語かというと、意外にそうでもないかもしれません。これらの案の一部については、昨年、近藤さんと僕で総合科学技術会議の有識者議員の会議に出向いてプレゼンしかなり好評でした。実は昨日も内閣府に伺って、これらの一部の具体的な実現について、行政にかかわる方々と意見交換をしてきたところです。
具体的にどうすれば良い方向にむかうかについての皆様のご意見、ぜひよろしくお願いいたします。
引用数による評価のメリットはあるかもしれません。
例えば、過去に良い論文を一度でもだした研究者にとってはそれだけでずっと評価されるわけですから。
でもむしろ長期的にみるとデメリットのほうが大きいかもしれません。
まずこの評価法は研究者人口が多い分野が有利であること。
このため、若い人がどんな分野を選ぶかといったときに偏りが生じてしまい、マイナーな分野の研究者がいつまでたっても評価されない可能性があります。また悪いこと考えると、沢山論文をだして、自分の論文を不必要に引用したり、またライバルの論文はあえて引用しないということもでる可能性があります。
いずれにしてもまずは論文の中身でしっかり評価されるのが第一だとは思います。
おっしゃるとおりで、これはよく指摘されていることだと思います。分野でラフに補正するようなことも可能で、実際にあたまの中で何らかの形でやっていることが多いのではないでしょうか。
「マイナーな分野の研究者がいつまでたっても評価されない可能性」という場合はあると思いますが、そのような場合、自分の研究を世界に向けてアピールすることが大切ではないでしょうか。研究費を自己資金や知り合いからの寄付などでやっている場合は評価されなくても全く問題ないのですが、公的資金でやっている場合で真に何かの意義のあるものであれば、その意義を説明する義務がありますので。
良くないことであるという文化や雰囲気をつくることが大切ですしょうね。あと、自己引用は比較的容易に除くことができます(Scopusでは簡単にできるようになってます)。
おっしゃる通りです。それを行うためには、Bで提案しているように、一人あたりの審査・評価の絶対回数を激減させる必要があると思われます。今のような数を審査しなければいけない状況では論文を全部読むようなことは不可能です。一人の申請の業績欄には10件も20件も論文がリストしてあるわけですので。そういうのを何十人も審査しなければいけないのが現状となっています。
>>ただ、いくら教育を行っても、「自分の職業に誇りをどれくらい感じるか」というような心理的なものには、大きな個人差が残らざるを得ない部分があるかと思います。不正を行っても平気な人というのは、どの職業でも一定の割合では存在するわけです。
こうしてポストを得た人は、自身の経験した成功体験のほうが強く、「不正・ダメ!絶対」のような具体性に欠ける教育は響かないと思います。
完全に防止するような方法は残念ながらないと思いますが、研究者コミュニティとしては、不正を最小限にとどめるための具体的方法を皆で考え、実行に移していくことが大切なのではないでしょうか。
生物分野に研究不正が多いのは、研究の再現のとりにくさ、生物実験特有のデータの振れから、明らかなこと。大体、他の分野を知らない人がそうではないと言えるわけがない。
議論はその後で良い。
学会としてどのように対処すべきなのか。
今回のことを見て見ぬ振りして、有耶無耶になってしまうようでは、研究不正に対して何をやっても無駄だっていう失望感が広がるのではないか?
そういうレベルの会員として分子生物学会に期待したいことは、日本の学会の代表として、将来的なあるべき姿の理想論から入って、それを目指して地に足のついた今後の具体的対策を議論し、考えていただくことですね。研究倫理問題は、分子生物学会だけの問題ではないですが、日本最大の学会として分子生物学会が中心となってやってもらいたい気持ちがあります。
この様な状況を考えた場合、2つの組み合わせが理想に近いシステムとなるのではないかと思っています。
すでに内閣府のお偉方はそのことを理解しているのではないかと推察しています。
すなわち、予算が多く、先進的な研究をする期間は任期制に重点を置き、教育を中心とし予算なが少ない大学はテニュアトラック制を中心とするといった具合です。
学会として、適切な対応をされることをお祈りしています。
ただ、上の顔を伺っているような雰囲気を感じたら、また、口をはさみに来るかもしれませんw
いつか呑みの場でディスカッションしましょう。
是非とも、ガチ議論に加わって下さい!!
多分そのことを言っているのだろう。
これでコレスポであっても偉ければ不問という既定路線が引かれていくのか。今までとまったく変わらないってことね。つまりガチ議論するだけ無駄ってことw
ただ、一つ言えることは、きみのした行為は生物分野にとって痛烈な一撃となり得るということだ。
ところで、まとめをみたけど、早稲田と理研がないのは何か意図があるのかな?
どんどん続けてくれたまえ。ついでに今回の告発への意見もお願いしたい。
「理想論から入るのもひとつの方法かとは思いますが、今までの行われた理想論から作られた様々な取り組みの多くは失敗に終わっているのではないでしょうか。」
「予算が多く、先進的な研究をする期間は任期制に重点を置き、教育を中心とし予算が少ない大学はテニュアトラック制を中心とする」
その二つの組み合わせを具体的にどうするか、ということはたいへん重要なことですね。通りすがりさんのこのご提案は、行政にかかわる方々のお考えと実際、かなり近いように思います。意見交換の中でも、最先端の研究での大きな予算やポストの同一研究者への固定化をいかに防ぐかについて、そういうのはやはり5年や10年などの期限付きでばっさり切るのがよいのでは、という意見が出されていました。ただ、最先端の研究を行っている方々(例えば理研のチームリーダーやさきがけをやっている若手など)の中でも、ポスト・先行きへの不安は強い場合が多々あり、そのような不安はむしろ緩和されるほうが生産性が上がるのでは、とも思われます。そこで、基盤となるような身分は安定させつつ、その上に競争的な部分が乗ってくるようなCの仕組みを提案しているということになります。 (繰り返しですが念のため再掲)
具体的には安定性と競争性を担保する 日本版テニュアトラック制度の案
や安定した基盤的研究費の導入
などの方法です。
最先端の部分についても、この方向性の延長で、Riken Investigator制度やCREST Investigator制度へのシフトを提案してます。ボトムアップ研究で出た研究の芽を持つ研究者に、大学などでの身分を残しながら、HHMI InvestigatorのようなRiken Investigator、CREST Investigatorの身分を付与し、一定期間、最先端研究に集中できるようにする(教育義務や校務の義務を間接経費等でwaiveできるようにする)、というものです。「身分を残しながら」の部分は、レンタル移籍でもいいですし、その場にいてもいいですが、一定期間が終了しても大学のもとの身分に戻ることができる、というのが大きなポイントです。最先端研究に従事中は、「安定した基盤的研究費」はS, A, B, Cなどのステータスがホールドされ、期間終了後には、そのステータスに(評価を経た上で)復帰できることができるようにしておく、というのが新しい点です(期間中はボトムアップ研究費は原則としてアプライできないようしておきます;その分、当然、プロジェクトに必要十分な額を措置する必要はあります)。RikenやCRESTでは旬の研究が行われるべきで、流動性が高いことが必須となるはずですが、そういう研究に従事する側の長期的な不安を少なくする必要があるわけです。
研究環境を変えなければならないという声はよく聞きますが、ここまで練られた具体的な案を見たのは初めてです。tsuyomiyakawaさんのご提案に全面的に賛同致します。是非とも押し進めて頂ければと思います。
http://scienceinjapan.org/t...
ぜひご一読いただけますよう、よろしくお願いいたします。
パブリックコメントにはやはりORIに相当する独立した組織を作ることを提案した意見が数多くありましたが、新しいガイドラインでもこれらの意見が反映されているようには私には思えません。行政手続法では、提出された意見を十分に考慮しなければならないことが定められています。文部科学省には改めてインターネットで445件の意見を公表するように申し入れましたし、行政文書の開示請求も行いましたので文部科学省がしなければ私が取り寄せた文書をインターネットで公開しようと考えております。興味ある方は、是非パブリックコメント445件と既に公表されている代表的な意見の要約を見比べて頂ければと存じます。ORI設立の働きかけの参考になれば幸いです。
パブリックコメントの要約とそれを基にしたご意見を、新規の記事としてご投稿していただくことを希望します。よろしくお願いいたします。
この厳しい財政事情で「捏造が多発しているから、新たに捏造を調査機関を作る予算を準備して下さい」とお願いしてもすんなり通るわけがありません。間違いなく、科研費、その他を削って捻出することになると思いますが、それでも賛成するのでしょうか? また、生命科学分野からは「人口が多いから目立つだけだ」という言い訳も聞こえてきますが、他分野の方々の怒りが生命科学に向かっていることを忘れないで下さい。研究公正局を作るのであれば、生命科学分野の研究費だけを削ってやるのが筋であると思いますが、その覚悟はありますか?
オリジナルデータを率先して公開するようにする(科研費を使った仕事はそれを義務づけてもいいかもしれません)など、お金のかかることをやる前にできることが色々あると思うのです。
新たな経費としてではなく、研究不正をしなければ達成できないプロジェクトに税金を注ぎ込むことの経済損失と比較するべきです。
また、現ガイドラインで各研究機関に設置が義務付けられている告発窓口や調査委員会に間接経費などを使う必要がなくなりますので、トータルでは経費が削減できるはずです。退職した被告発者(卒業生を調査した早稲田大学の報告がどれだけ杜撰だったかを見れば明らかです)や調査委員会などが設置できない小さな研究機関にも対応できるので、より穴がなくなると思います。
私は教育者ではないので、日本の学術会がどうなろうと知ったことじゃないです。カシコくてイキのいい若者を一定数社会に送り出してさえいただければ十分です。ただし、「捏造ドンと来い!」な人材を輩出することだけは非常に迷惑なので勘弁してください。
数学や物理とかだと専門的な知識を習得するのに敷居が高い上に、それなしには何を言ってるかすら理解出来ませんが、生物学だと使ってる言葉はそんなに難しくなくて、実験についても、バンドが濃くなった薄くなった染まった染まらないということで評価するものが多いので、それ程の知識や知能が無くても見様見真似でそれっぽく振る舞える、という点も生物学でこういうことが起きやすいことの要因の一つのような気もします。
そういうのがしばらく続くと、御指摘のように上層部も悪貨ばかりになって、悪貨の拡大再生産から最終的には分野全体が廃れていく、ということになるのでしょうが、まだそこまでは至ってない…と信じたいですね。
言葉遊びを楽しんでもらえたら冥利に尽きます。おっしゃるように、生物学の敷居の低さが「変な人」の参入障壁の低さである、というご指摘は激しくナットクです。STAPさんみたいな方が、例えば理論物理の学会などにいるはずがない(と想像しますが、もしいたら近藤先生に論理の飛躍を指摘されますね)。
もちろん、再現性が取れないような実験をして論文にすることは言語道断ですが、ただ、個人的には実用化などとは直接結びつかないプロジェクトと言うのは大いに意味があると思います。そういうのは企業では出来ないでしょうからアカデミアがやるべきであって、むしろアカデミアは直接利益に結びつくようなプロジェクトには深入りしない方が良いのではないか、とさえ思います。先に書いたように、金が絡むと科学的ではなくなることが多いですから。最近の理研(とその周辺)のゴタゴタも結局はベンチャーだとかが絡んでましたよね。研究資金を得る、という意味では企業との連携と言うのは必要なのかも知れませんが、企業の金が入ると「大金つぎ込んだけど結局成果無しでした」と言うのは難しいだろうし、「何らかの歪み」が出るのではないでしょうか?
そう言う意味では、科研費はより純粋な科学を追及するのに重要だと思うのですが、その科研費の審査さえ最近は実用性だの特許だのを重視してますよね?これって正しい姿勢なのでしょうか?
「ハイレベルなおたく」の研究者が活躍できるようにするためには、どうしたらいいでしょうね。すでに大多数の「リア充」と、頑張ってマーケティングした少数の「リア充のふりができるおたく」しか、上層部にはいらっしゃらない、なんてことはありませんかね。所詮学会もヒエラルキーですから、上から引っ張り上げてもらう以外に上に行く方法ななんじゃないでしょうか(どこの組織でもそうであるように)。だとしたら、「マーケティング下手なおたく」はなんとなく絶望的ですね。
マーケティングを重要と考えることと、捏造を手段として容認することの間には、ものすごい距離があります。あなたの書き方だと、マーケティングに成功している人は全て捏造を厭わない、となってしまいます。そんなことは無いと思いますよ。
個人的には、マーケティングに長けているというのは「自分を売り込むのが上手な人」であって、その売り込む手段として実験の成果というのは単なる「売り込む手段」の一つに過ぎない。だから捏造にも抵抗がない、と。
昨今はすっかり定着した「ステマ」は極端な例ですが、マーケティングの一環としてCMもある意味「虚構」ですよね。有名人を連れてきて普段から愛用してるかのように言わせたり。
反論させて頂きますと、近藤先生こそ「飛躍」があります。私はそんなこと言ってません。「マーケティングを最重要視する人は、捏造も手段として選ぶ場合がある」ということです。必要条件と十分条件の話であって、必要十分条件ということではないです。誤解を与えたとしたら私の文書力の至らなさです。まあ、数学的な厳密性を言うならば、このような議論は常に例外や反証があるので、無意味になるのですが。
生データを用いた説明が掲載されています。
http://hostdefense.ifrec.os...
二論文の生データはバンドの濃さは違えど、下方のバンドまで同じような位置で泳動されていることも驚きです。
2005年の論文不正事件での阪大の対応は色々批判を呼んだので、今回は適切な対応がなされることを祈ります。研究者達も文科省も世間も注目していると思います。
また、本調査の目的は研究不正の認定のみではありません。調査事案が外部に漏えいしていた場合は、不正に認定されなかった被告発者の名誉を回復するために調査結果を公表することが定められていますので、全ての事案をきっちり本調査すべきです。
2006年の事件では、阪大は調査中に告発者の服毒自殺というあってはならない不祥事を起こしています。不正に関わっていない関係者のためにも速やかな調査が行われるよう、文科省の対応もあわせて懐疑的な視点で見るべきだと思います。
真実の探求者である研究者が最も忌むべき行為のはずですから大丈夫だと信じますが。
そうしないと論文不正が不正でなくなってしまいます.
結果捏造の論文で偉くなった偽学者を引きずり下ろし,
その論文と共に学会から追放してください.
その者が精神病質者であろうがなかろうが構わないでください.
すべては真の科学を取り戻すためです.
下っ端だけだったら、再現性の無い論文を再現しようとして無駄な実験をさせられたという被害はあるでしょうが、被害者の数はたかが知れています。
しかし、もし、無能な人が捏造して出世して人事や予算などにまで影響力を持つようになったら、その大学や分野自体のレベルが下がってしまいかねません。つまり、有能な人の仮説や将来性を無能は理解出来ないので、有能な人達が出世出来なかったり予算がつかなかったりなどの被害を蒙った挙句に研究から離れてしまい、無能だけが残る、という風に。
無能な人達は仕事や人間の価値を自分では判断できないので、IF・雑誌名・論文数で人事や予算を決めることになってしまい、怪しい仕事で有名誌に出した人が更に増える、という悪循環もあるでしょう。
ジャブジャブ税金を無駄に使われているのに、どうして国民は怒らないのでしょうか。
この国の人間にはほとほと愛想がつきます。
匿名Aさんのように類似画像を生命科学系の論文で探して多数見つけましたが、指摘してもこの国やサイエンスのためにはならないのでしょう。
もう研究不正問題からは手をひきます。
このサイトには大変お世話になりました。
自分は国外で研究してますが、(捏造していると言う意味ではなく)胡散臭いPIは沢山いますし、そういう人達のツマラナイ研究に多額の予算が投入されています。
「いったい何の冗談だよ(笑)」と自分だったら思いますね。
ドーピングで健康を害した上に全て失ったアスリートが「ドーピングは何も良いことがないしアンフェアだから止めよう」と言うなら聞く価値はありますが
ドーピングによって名声を得て栄華を極めている最中のアスリートが「お前らドーピングするなよ」と言っても説得力が無いのと同じです。
ジャブジャブ税金を無駄に使われているのに、どうして国民は怒らないのでしょうか。
この国の人間にはほとほと愛想がつきます。
http://www.okayama-u.ac.jp/...
http://sites.google.com/sit...
匿名Aさん、出番ですよ!
正直、日本に限らず、今日のアカデミックの生物学研究界は危機的な状況になっていると思います。
期限付きポストばかりで手早く論文を出さなければ先が無い。不正な手段を用いて素早く論文を出すことが出来れば安定したポストを得るのに有利になる、そしてたとえその不正が明るみに出されてもその地位から引きずり降ろされることなく留まり続けることができる。不正に手を染めるのに十分な動機付けが揃ってます。逆に、不正な手段を用いずに地道に研究をするということは、不正をも厭わない人達との極めて不利な競争を強いられる。
悪事を働かないと生きていけないかも知れない、そんな業界にどこの学生が魅力を感じて足を踏み入れようとするでしょうか? まともな思考力があれば真面目な学生ほど敬遠すると思います。これが続けばやがてまともな人材が枯渇し、不正を不正とも思わない人間によって占拠されてしまいかねません。
更に悪いのは、たとえそういう人達が埋め尽くして分野全体のレベルが下がっても、彼らも一応専門家であることには変わりないので、それを外から指摘出来る人間がいない。つまり自浄作用も働かない、ということです。 彼らは、有名誌の論文やグラントの査読もお互いに馴れ合いで通してぬるま湯の中での「共存共栄」を目指すでしょうが、歴史を見れば、そういう組織の辿り着く先は衰退であることは明らかです。
http://sites.google.com/sit...
https://sites.google.com/si...
ルール違反だと言って声を上げても、そんな事は無いと取り合わない。
ルールの解釈も、都合の良いように捻じ曲げてとらえている場合も多いと感じます。
不思議な事に、大部分の教授陣で、曲がった常識が共通認識として植えつけられています。
少なくとも、私の会社では、論文を含め社外発表する資料については、研究の発表者以外のQAチェックを受けて、発表する資料を裏付ける生データとの照合を、行いQAレポートを確認してから投稿が許可されます。 大学にも、公的研究機関にも在籍してしていましたが、やはり企業の体制はしっかりしているなと感心しました(面倒ですが)。 大学では難しいかもしれませんが、理研のような組織では、そういったシステムを考えるべきだと思います。 例えば、理研は研究成果を彼らの製品として世に出すわけですから、出した製品に対する品質保証は、個々の研究者によるものと突き放さず、組織として責任を持つ体制が必要でしょう。
ギフトオーサーの件は重要であると思いますが、天皇陛下云々は関係がないように思われます。
このトピックスは立てられた日時が古いので徐々にインパクトが減っているように思われます。
前者は出版されたものなので期日など記せるだろう。 後者は、返り討ちを気にするのか守秘的事項なのか不明で、何も索引,ヒントがない。 捏造論文や詭弁のパターンに共通する意味で感心しない。そのくせ、国民の問題だと訴えられている(そのところはそうだと思うが)。
他の共犯者(本当の黒幕)は見事にお咎めもなく逃げ切った。
新聞・週刊誌までなら、少々の痛手のみで、世間は忘れ、シャン・シャン。
だが、医師でない医学研究者は論文が命。
一方、とうとう、Editageのような「医師向けの論文作成・投稿・査読対応代行業」が出てきた。
他人に1から10まで書いてもらった論文で博士号をとり、専門医資格を得るのは、いくらなんでもマズイと思うが(ほぼ、犯罪かと)、いかがか?
彼女にAdipoR Natureについて取材など期待しないほうがいい。
ところで文科省自体がデータの改ざん(妊娠率)を行った報告書が1部で話題になっています。
その話題はこれからおおごとになりそうなので、ご参考まで。