西桂町教委 遺跡から発掘の土器・石器破片を誤廃棄と発表

西桂町教育委員会は町内の遺跡から発掘され、県の文化財に指定される可能性があった土器や石器の破片を誤って廃棄していたと発表しました。

西桂町教育委員会によりますと、廃棄されていたのは、町内の下暮地地区にある縄文時代の遺跡「宮の前遺跡」などで発掘された土器や石器の破片です。
ことし5月の町の文化財審議会で、宮の前遺跡から出土した「釣手土器」を県の文化財に指定したいという意見があり、県に相談したところ、周辺から出土した土器の確認を求められ、調べたところ廃棄されていたことが分かったということです。
土器や石器の破片はおよそ30年前に発掘され、町の倉庫で保管していましたが、ことし4月、新庁舎への移転作業の過程で誤って廃棄したということです。
この一部は釣手土器とともに県の文化財に指定される可能性があり、町の職員などが廃棄した場所を掘り起こし、廃棄された一部のおよそ200個を回収したということです。
教育委員会は遺跡を発掘した際の写真付きの報告書が残り、修復した土器が複数保管されていたことから、修復困難な破片の保管は必要ないという誤った認識をもっていたとしています。
教育委員会は29日会見を開き、今泉守夫教育長は「文化財保護についての信頼を大きく損ね、町民のみならず、多くの皆さまに心よりおわび申し上げます」と述べ、謝罪しました。
教育委員会は出土品の台帳を作成して保管・管理を行うことや、恒久的な出土品の保管施設の整備などを行い、再発防止に努めるとしています。

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