妻子殺人罪の元看護師 殺人の罪認めるも他の罪は否認 新潟
3年前、新潟市の自宅で妻と1歳の長女の首をロープで絞めて殺害した罪などに問われている31歳の元看護師の裁判員裁判が始まり、被告は殺人の罪を認めました。
一方、妻に睡眠薬を入れた飲み物を飲ませたうえで、車を運転するのを止めず、交通事故を起こさせて殺そうとした罪などについては「殺そうとしたわけではない」などと述べて否認しました。
新潟市南区の元看護師、渡辺健被告(31)は3年前の2021年11月、新潟市南区の自宅で29歳の妻と1歳の長女の首をロープで絞めて殺害したとして殺人の罪に問われています。
また、事件の7か月余り前に妻に睡眠薬を入れた飲み物を飲ませたうえで、車で出かけるのを止めず、交通事故を起こさせて妻と長女を殺害しようとした殺人未遂の罪や、事件のおよそ2か月前に妻を殺害しようと当時勤務していた病院から塩化カリウム10本を盗んだ殺人予備の罪などに問われています。
29日新潟地方裁判所で開かれた裁判員裁判の初公判で被告は殺人の罪を認めた一方、殺人未遂と殺人予備の罪については「殺そうとしたわけではない」などと述べて否認しました。
続いて行われた冒頭陳述で検察は「被告は不倫関係を継続するため2人を殺害しようとした。妻が睡眠薬入りの飲み物を飲んだと認識し、運転が危険なことを把握していた。また、インターネットで『塩化カリウム製剤死ぬ』などと検索していた」と主張しました。
これに対し弁護側は「被告は妻が睡眠薬入りの飲み物を飲んでいないのではないかと思い、運転を止めなかった。塩化カリウムについては妻よりも立場が上だと思いたかったために盗んだが、殺害に使う目的ではなかった」などと主張しました。
渡辺被告は黒っぽいスーツ姿でネクタイを締め、マスクをして法廷に入りました。
検察の冒頭陳述の間、両手をひざの上に置いて姿勢を崩すことなくいすに座り、視線を少し落としていました。