「死の真相知りたい」タイへ渡った母の労災申請、会社の判断覆す

亡くなった上田優貴さんの遺影を手に、息子の思い出を語る母直美さん=大阪市北区で2024年3月21日、梅田麻衣子撮影

 海外赴任中に亡くなった社員の死亡原因が事故か自殺か分からない――。そんな会社の曖昧な判断を覆し、労働基準監督署は過労自殺と認めた。社員の母が「死の真相を知りたい」と異国の地に渡り、現地を確認するなどして労基署に訴えた行動が認定につながった。

「忙しいけど楽しい」 その後、暗転

 「息子さんが転落して亡くなりました」。3年前の春、北陸で娘らと暮らす上田直美さん(52)は日立造船(大阪市)の関係者から突然の訃報を受け取った。長男の優貴さん(当時27歳)が赴任先のタイで亡くなったという。悪い夢を見ているようで頭が混乱した。

 2人きょうだいの優貴さんは、真面目で優しい性格。子どもの頃から数学や物理が得意で、大学と大学院では電気工学を専攻した。地元を離れ、第1志望の日立造船に入社。ごみ焼却施設の設計などを担うようになった。…

亡くなった上田優貴さんの遺影を手に、息子の思い出を語る母直美さん=大阪市北区で2024年3月21日、梅田麻衣子撮影

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