不妊手術を強制 旧優生保護法賠償請求は福岡の2組も和解成立

旧優生保護法のもとで不妊手術を強制されたなどとしていずれも聴覚に障害のある2組の夫婦が国に賠償を求めていた裁判は、国が謝罪するとともに慰謝料を支払うことで和解が成立しました。
旧優生保護法のもとで不妊手術を強制されたとして国を訴えている各地の原告や弁護団は9月、国が示した、慰謝料の支払いなどで和解することを盛り込んだ合意書に調印しました。
福岡県では県内に住むいずれも聴覚に障害のある2組の夫婦が国に賠償を求め、28日、それぞれの裁判が福岡地方裁判所と福岡高等裁判所で開かれました。
この中で、原告側の弁護士は「これまでの国の対応について心から謝罪してほしい」などと意見を述べました。
これに対し国側の代理人は「国の主張によって原告たちの心が傷つけられ、解決を遅らせた指摘を重く受け止め、多大な負担をかけたことについて謝罪を申し上げます」と述べました。
このあと法廷では和解の内容が読み上げられ、国が心身に長年にわたり多大な苦痛と苦難を与えてきたことを真摯に反省し、心より深く謝罪すること、そして2組の夫婦に対して、それぞれ慰謝料を含むおよそ1700万円から2000万円を支払うことなどが盛り込まれ、和解が成立しました。
原告の1人で福岡県に住む朝倉典子さん(仮名/80代)は手話通訳を通じて、「和解により裁判を終えることができ、本当に涙が出るくらいうれしい気持ちです」と喜びを語りました。
また、裁判の途中の3年前の2021年に亡くなった夫の彰さんについて、「裁判をすると言ったのは主人でした。主人は知らないままに手術を受けさせられて、子どもが作れなくなり、本当に悔しくて辛かったと思います。我慢してなんとか夫婦2人で頑張ってきました。主人に報告したいです」と話していました。
また、原告の1人で福岡県に住む日田梅さん(仮名/70代)は手話通訳を通じて「和解ができて今までの苦労が吹き飛びました。28日は人生の中で忘れることができない日です」と話していました。

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