中部6県の衆院選 野党の候補調整に課題
2024年10月29日 05時05分 (10月29日 05時05分更新)
有権者は「政治とカネ」問題への明快な審判を下したと言える。中部6県(愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀)でも自民党は大きく議席を減らし、立憲民主、国民民主両党が躍進した。当面、政局の混乱も見込まれるが、物価高や低所得にあえぐ家計、中小企業の支援など、必要な政策の遂行にはいっときの空白も許されない。
6県の全35小選挙区で、自民は前回(2021年)の29から14へ議席を半減させた。「10増10減」で一つ増え16選挙区となった愛知県では11から3議席に激減、直前に初入閣した8区の伊藤忠彦復興相も敗れた(比例復活)。新設の16区で落選した公明新人は、自民への逆風のあおりを受けた形だ。
愛知1区の河村たかし元名古屋市長は15年ぶりの国政復帰。圧倒的な知名度に加えて、「政治家特権」の解消に一貫して取り組んできた姿勢も評価されたのだろう。
自民のいわゆる「裏金議員」が立候補した8選挙区では、いずれも野党候補が競合。無所属で立候補した高木毅元国対委員長は福井2区で大敗したが、愛知15区、三重4区、長野5区、福井1区では自民前職が勝利した。
野党間の候補者調整が行われていれば、より有権者の意向に沿った結果になった可能性がある。今回は時間的な余裕がなかったとは言え、そもそも与野党一騎打ちの構図になったのは4選挙区のみ。政権交代を視野に入れるなら、野党間の候補者調整が死活的に重要なのは論をまたない。
小選挙区で勝利した新人は7人にとどまり前職の壁は依然として高かった。ただ、子育て世代や女性の視点を訴えた国民の女性新人2人が愛知の7区と11区を制したことは新風を吹かせた感がある。
自民、立民ともに単独過半数に届かず、今後、連立政権の行方は予断を許さないが、与野党双方が言及した政策活動費の廃止や調査研究広報滞在費の使途公開などを通し、「政治とカネ」への不信は最優先で払拭せねばなるまい。
もっとも、それは、政治がなさねばならないことの一部にすぎない。経済や物価、教育・子育て、被災地支援など市民生活に直結する課題への対応は待ったなしだ。
少子高齢社会の進展など国の未来像にかかわる大問題も横たわる。「自民1強」から脱した日本政治が、今後、どんな成果をあげていけるのか。国民が注視している。
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