日本保守党が初議席、比例区で投票した人たちは? 朝日出口調査

君島浩

 10月27日に投開票された衆院選では、政治団体「日本保守党」が初めて議席を獲得した。比例区では、東海、近畿の各ブロックでそれぞれ1議席を得た。ほかに、比例区候補を擁立した北海道、北関東、南関東、東京を含めた6ブロックで、日本保守党に投票した人は、どのような人たちなのか。朝日新聞社が同日実施した出口調査で、他の党に投票した人たちと比べてみると、性別や年代に加え、石破茂内閣や裏金問題に対するスタンスでも特徴があった。

 比例区で日本保守党に投票したと答えた人の内訳をみると、男性69%、女性31%だった。

 他の党については、比例候補を擁立した全11ブロックでみた。各党への投票層をみると、女性の比率が高いのは社民60%、公明58%、共産57%。男性が多いのは国民61%、れいわ59%で、日本保守党で男性が7割を占めるのは際立っている。

 日本保守党に投票した人を年代別にみると、50代が26%と最多で、60代が20%。40代も17%、70代も15%を占める。性年代別では、50代男性が最多で、18%。60代男性が次いで15%だった。

 年代別で20~50代が17~20%の国民、40~50代が25~26%のれいわ、21~25%の参政、20~21%の維新に比べると、日本保守党に投票した年齢層はやや高めだが、70代がピークの自民、立憲、公明、共産、社民に比べると、低い。

 日本保守党に投票した人の支持政党をみると、その日本保守党が大半を占めると思われる「その他」が最多の31%だったが、目立ったのは自民支持層が28%を占めたことだ。国民投票層に占める自民支持層の割合が17%、維新、参政に投票した人に占める自民支持層がともに14%だったのに比べても、かなり比率が高い。

 日本保守党に投票した人には、維新支持層、国民支持層の各4%、参政支持層の3%も含まれている。

 日本保守党投票層のうち、無党派層は27%を占めた。これは国民、れいわ、社民、参政に投票した人に占める無党派層の割合25~28%とほぼ同じだった。しかし、自民投票層に占める無党派層の割合10%、公明投票層の12%に比べると、割合がかなり高い。立憲投票層では無党派層は18%、共産投票層では20%、維新投票層では22%だった。

 出口調査では、石破茂内閣の支持率も聞いており、回答者全体では、「支持する」と答えた人、「支持しない」と答えた人は、ともに48%だった。日本保守党に投票した人では、内閣支持率は17%と極めて低く、不支持率は81%に達した。立憲投票層の支持率34%対不支持率63%、共産投票層の31%対66%、国民投票層の30%対68%、れいわ投票層の25%対73%、社民投票層の34%対62%、参政投票層の25%対73%と比べても、日本保守党投票層の内閣支持率の低さと不支持率の高さが際立った。

 一方で、日本保守党投票層には、自民党派閥の裏金問題に対する姿勢にも特徴がみられた。出口調査で「投票する際、裏金問題を考慮したかどうか」と聞いたところ、全体では「考慮した」は73%で、「考慮しなかった」の24%を大きく上回った。立憲、共産、れいわの各投票層では「考慮した」が8割以上を占めるなど、野党は多めだったのに対し、与党の投票層では少なめで、自民、公明の各投票層で「考慮した」はともに67%だった。日本保守党投票層では「考慮した」はさらに少なく、58%で、「考慮しなかった」が41%を占めた。(君島浩)

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君島浩
世論調査部
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