お題:るんるんるーん

残念N組、最果てのセンセイ!

コメディー・お笑い

第一章:大山センセイの陰謀

残念N組、最果てのセンセイ!

第1章:大山センセイの陰謀


第一話:ここは最果ての国


東京は港区赤坂

ここでTBSポッドキャストラジオ

「最果てのセンセイ!」の収録は行われている


けれども本当の「最果てのセンセイ!」は

別次元にも存在することをご存じだろうか

そこは社会からこぼれ落ちた最果てリスナーの行き着く世界、

通称「最果ての国」

世界地図からも銀河系からも抹消された最果ての国の住人たちは

いつかの社会復帰を目指しながら、今日も生きている




第二話:前田センセイ


苺:あーぁ、来世は唯衣ちゃんに生まれたいなぁ

  それにしても今日も相変わらず暇だなぁ

  あ、そうだ!前田センセイに会いに学校に行こうっと

(♪ガラガラ:教室の扉を開ける音)

苺:あ、小麦ちゃんだ。おはよー

小麦:あ、苺だ!おはよう!

   ねぇ苺、この前の前田センセイ特製「一軍に囲まれた時の気配の消し方小テスト」

   どうだった?

苺:うーん、0点だったー

小麦:やっぱり!小麦もだよ!

でも、前田センセイのテストで赤点取らないなんて、それこそお馬鹿さんだよねぇ

苺:ねー、赤点取らないと前田センセイの補習受けられないもんねー

  あーぁ、早く放課後にならないかなぁ

苺+小麦:あははは




第三話:ぴろゆき


(♪キーン コーン カーン コーン:チャイムの音)

苺:小麦ちゃん、前田センセイの補習最高だったね

  私、胸がいっぱいで習ったこと何も覚えてないよー

小麦:授業の内容なんて覚えてなくて良いんだよ!

   話す内容よりも推しを網膜に焼き付ける方が大事だって前田センセイも言ってたし

   その方が眠る前に思い出せるからって

苺:あ、そうだったね!

  よーし、小麦ちゃん、次も絶対赤点取ろうね

小麦:うん!

苺+小麦:あはははは

??:ちょっと君たち

苺:うん?この声は?

小麦:え、苺知らないの?

   この声は最果ての国で唯一社会復帰を果たした伝説の卒業生、ぴろゆきだよ

ぴろゆき:その通り。

     変な物を口に入れて体調を崩した大山センセイのお見舞いに来たと思ったら、、

     君たち、そんなにやる気がないままだと一生この最果ての国に閉じ込められた

     ままだよ?

苺:そ、それはそうですけど、、

  でも、私はそれで良いんです

  だって、ここに居れば毎日前田センセイに会えるから

  現実社会に戻っても辛いだけで良いことなんか何もないもーん

ぴろゆき:ふーん、それなら仕方ないね。

     僕はこれから彼女とデートがあるからもう行くね

苺:え、ぴろゆきさん、彼女がいるんですか?

ぴろゆき:うん、最近出来たんだ。それじゃ、僕はもう行くね

(♪ピカーン:ぴろゆきが光の速さで消えていく音)

苺:わぁ軽快に去って行くぴろゆきさんの後頭部、、なんて眩しいんだろう、、

  くぅぅ、、これが一軍の輝きかぁ、、




第四話:石仮面


石仮面:うーん、今季のアニメはどれも良作で、追うのに忙しくなりそうですねぇ

苺:ねぇ、小麦ちゃん

  ぴろゆきさんの次は、今度はあそこの草むらから不思議な声が聞こえてくるけれど、、

  この声って、もしかして石仮面さんじゃない?

  ほら、大山センセイが担任の隣のクラスの有名人、石仮面さんだよ!

  石仮面さん、こんにちは

石仮面:うん?誰かが僕を呼んでいますねぇ

    とりあえず、こんにちはぁ

苺:石仮面さん、今何をしていたんですか?

石仮面:いやぁ、今期のおすすめのアニメですが、大山さんに何を紹介しましょうか、

    悩んでいたんですよぉ

苺:そうなんですね

  石仮面さんと大山センセイは仲良しなんですね

石仮面:はいー、まぁそうなりますかねぇ

    でも最近は大山さん忙しいみたいでなかなか話せないんですよぉ

苺:そうなんですか?

  大山センセイは何にそんなに忙しいんですか?

石仮面:それが、絶対に誰にも言うなって言われているんですけどねぇ

    この最果ての国を征服するとか、しないとか、、

苺+小麦:えぇ!!

石仮面:あ、誰にも言うなって言われていたのに、言ってしまいましたねぇ

    いけない、いけない

苺:あ!待って石仮面さーん、行かないでー

  もっと詳しい話を!

  あぁ、行っちゃった、、




第五話:カツ子ちゃん


苺:ねぇ小麦ちゃん、石仮面さんの話って本当かなぁ?

  大山センセイが最果ての国を征服しようとしている、、なんて、、

小麦:うーん、どうだろう

   そうだ!大山センセイのガチ恋ガール、カツ子ちゃんに聞いてみようよ!

   何か知っているかもしれないよ!

苺:ん?カツ子ちゃんて聞いたことがある名前だなぁ

  確か、カツトシにそっくりな見た目をしている、

  大山センセイのガチ恋ガールのカツ子ちゃんだよねー?

小麦:うん、そうそう

   確かカツ子ちゃんも大山センセイと同じでエロゲ好きなんだって!

苺:そうなんだーエロゲって色々なものを育むんだねー

  よーし、そうと決まれば早速カツ子ちゃんのところに行ってみよー

(♪テクテク:カツ子を探して歩く足音)

苺+小麦:カーツ子ちゃーーん

カツ子:はい、このカツ子に何か御用でありますか?

苺:はじめまして、カツ子ちゃん

  あの、いきなりの質問で驚かせてしまうかもしれないんですけど、、

  大山センセイが最果ての国を征服しようとしているって、本当ですか?

カツ子:な、な、なぜ君たちがそれを知っているのでありますか!?

苺:やっぱり、本当なんですね?

カツ子:そ、それは、、カツ子の口からは言えないのであります

苺:言えないってことはやっぱり本当なんですね、、

  でもどうして?そんなひどいこと、、

  大山センセイを止めなくちゃ!

カツ子:無理であります

    だってこの計画は既にもう始まっているのであります

苺:そんな!

  でも、私たちがまだこうして自由に話せていると言うことは、、  

  計画はまだ完全に実行されてはいないのでしょう?

  それならきっと今からでも遅くない!

  お願い、カツ子ちゃん、力を貸して?

カツ子:無理であります、、カツ子には、、出来ぬのであります、、

苺:どうして?

  カツ子ちゃんは大好きな大山センセイが悪に染まってしまっても良いの?

  大好きな人が正しい道を踏み外そうとしているのなら、

  例え恨まれたって全力で止めるのが真実の愛でしょう?

カツ子:そんなこと、分かっているのであります

    でも、好きだから、、

    カツ子は大山センセイが大好きだから、大山センセイを止めないのであります

苺:カツ子ちゃん、、

  って雰囲気に飲まれてしんみりしちゃったけれど、それってどういう意味?

カツ子:カツ子は大山センセイの夢を叶えてあげたいのであります

    オリジナルエロゲを作るという彼の夢を、、

    でもそれには莫大な資金が要るのであります

    、、だからこの最果ての国を征服し、住人を働かせ、資金を作り出す以外に方法はないのであります

    、、大好きな人の夢だから、

   その方法がどんなに間違っていたとしても、

   カツ子には止めるなんてことは決して出来ないのであります

苺+小麦:カツ子ちゃん、、

カツ子:カツ子はこれまで沢山の時間を大山センセイ、、

    ううん、和君と一緒にエロゲについて熱く語りあってきたのであります

    だからカツ子には和君のエロゲ愛が本物だってことが分かるのであります

    、、例え和君がカツ子を好きじゃなくても、

    エロゲがあれば何時間でも和君と話していられたのであります

    楽しかったであります、、

    どうせ和君と一緒になれない今世なら、、

    せめてカツ子は和君の夢を叶えてあげたいのであります

    お願いであります

    この話は聞かなかったことにして欲しいのであります

    それに、、本当にもう遅いのであります

    ほら、もうすぐ学校の屋上で和君の最終兵器、

    「シコティッシュソールド大山」が発動するのであります

    あれを見ればカツ子も君たちもみんな自我を忘れて、

    ただ和君の僕となるしかないのであります

苺+小麦:そ、そんなぁ、、




最終話:シコティッシュソールド大山


苺:ふぅ、取りあえず学校の屋上まで来たけれど、、

  小麦ちゃん、これからどうしよう、、

小麦:どうしようって、大山センセイを思いとどまらせるしかないよ!

苺:うん、、でも、、どうやって?

小麦:うーん、何か大山センセイの好きなもので気を逸らすとか?

苺:大山センセイの好きなもの、、

  ひまわり畑と麦わら帽子と、白いワンピースの似合う女の子とか?

小麦:それだ!早くその大山センセイの理想の女の子をここに連れて来ないと!

苺:無理だよぉ

  だってそんな女の子、大山センセイの頭の中にしか居ないもん、、

??:そんなことないのであります!ここにるのであります!

苺:この声は!カツ子ちゃん!

  そしてその恰好!まさに大山センセイの理想の女の子の姿!

カツ子:君達と話していて、このカツ子、目が覚めたのであります

    やっぱりカツ子は和君を止めるのであります!

    だって、、やっぱりカツ子は、、優しい和君が好きなのであります

    いくら夢を叶えるためと言っても、和君の心まで汚れてしまうのは駄目だって、

    カツ子、気付いたのであります

苺:カツ子ちゃん、、その言葉を待っていたよ!

  さぁ、大山センセイ!今すぐその「シコティッシュソールド大山」を止めなさい!

  分かった、今更自力では止められないと言うのね!

  よーし、それじゃいくよ!

  カツ子ちゃん、準備は良い?

カツ子:えぇ、このカツ子、和君を助けることが出来るのなら、

    いつも発射できるのであります!

苺:よーし、カツ子ちゃん発射準備OK!みんな、いくよ!

苺+小麦+カツ子:カツ子、発射ー!!!!!

(♪ばぶーん:カツ子ちゃんが発射された爆音)

苺:ケホケホ

  ひゃーみんな生きてる?

  それにしてもカツ子ちゃんのガチ恋パワーは凄まじいなぁ

  学校が崩壊しちゃったよー

  でもこれで「シコティッシュソールド大山」が止まった訳だし、一件落着!

??:どうやら無事、「シコティッシュソールド大山」は止められたようだね

苺:うん?この声はぴろゆきさん!

ぴろゆき:その通り。

     この前会った時、君たちがあまりにも社会復帰に無気力だったから、

     ちょっとした試練を与えてみたんだよ

     大山センセイの下痢のお見舞いのついでに、

     最果ての国征服計画を吹き込んでみたのだけれど、、

     大山センセイも、まさか本当に騙されてくれるとはねぇ

     しかし君たち、無事にこの試練を乗り越えたみたいで、おめでとう

苺:えー、ってことはもしかしてぴろゆきさんが全ての黒幕?

ぴろゆき:そうだよ

     君たち、そのチームワークがあればきっと現実社会でも上手くやっていけるよ

     だからいつかちゃんとこの最果ての国をちゃんと卒業するんだよ、いいね?

     それじゃ、僕はこれからまた彼女とデートだからもう行くね

(♪ピカーン:ぴろゆきが去って行く音)


翌日


苺:小麦ちゃん、おはよう

小麦:あ、苺おはよう!  

   ねぇ苺、この前やった前田センセイ特製「推しを推す心得穴埋め小テスト」

   どうだった?

苺:うーん、0点だったー

小麦:やっぱり!小麦もだよ!

   これでまた、前田センセイの補習受けられるね!

苺:うん、早く放課後にならないかなぁ

苺+小麦:あははは


こうしてこれからも、最果ての国の日常は続くのである


おしまい


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