闇バイト広域強盗事件 運転手役に懲役13年の判決
「ルフィ」などと名乗る指示役のもと、闇バイトで集められた実行役が強盗などを繰り返した事件で、広島市西区の事件にも関わった33歳の被告に対し、東京地方裁判所は、「報酬欲しさに犯行に関わり続けた責任は重い」などとして懲役13年の判決を言い渡しました。
真栄城健被告(33)はおととし、▽広島市西区の高級時計店を兼ねた住宅で現金など約2600万円相当が奪われ、3人がけがをした事件や、▽東京・中野区の住宅で現金約3200万円が奪われ、男性がけがをした事件など、5つの事件で運転手役などを務めたとして強盗傷害などの罪に問われました。
これまでの裁判で被告は起訴された内容を大筋で認め、「借金が増え、SNSでバイトを見つけた。逮捕されるまで相談できる相手がいなかった」などと話していました。
また、法廷内では被告が闇バイトに参加するまでのやりとりとして、当時のツイッターでの文言が映し出されました。
この中では、「ブランド品を質屋や買い取り店に持っていって売るだけで、盗品やコピー品ではない」という説明で被告は引き受けたものの、被告が相手に言われるままに匿名性の高い通信アプリ、「テレグラム」を利用すると、グループチャットに入っていた「ルフィ」を名乗る指示役から次々と指示が来たことが明らかにされていました。
24日の判決で東京地方裁判所の細谷泰暢裁判長は「広島市の被害者は頭を凶器でたたかれて1年以上寝たきりになり、家業を辞めた。全体で被害額は6000万円を超え、社会的な影響も軽視できない」と指摘しました。
そのうえで、被告については「見張り役など運転手にとどまらない重要な役割を果たした。強盗と認識したあとも集団から抜けだそうとしておらず、報酬欲しさに、誘われるままに犯行に関わり続けた責任は重い」などと述べ、懲役13年、罰金20万円を言い渡しました。