ID非公開さん
2019/10/31 23:10
1回答
古文、小敦盛絵巻の以下の文の訳をお願いします。 北の御方は、その折からの悲しきを思ひ連ねて、御行方明暮御心もとなくおぼえさせ給ふに、「一の谷の合戦に、大夫敦盛ら熊谷の次郎が手にか
古文、小敦盛絵巻の以下の文の訳をお願いします。 北の御方は、その折からの悲しきを思ひ連ねて、御行方明暮御心もとなくおぼえさせ給ふに、「一の谷の合戦に、大夫敦盛ら熊谷の次郎が手にか かりて討たれ給ひぬ。」と申しければ、北の御方聞き給ひて、「これは夢かや、あさましや。ながらへて世にましまさば、もしもめぐり逢ふべきと、明暮思ひ候ひつるに、今はいかにかなるべき。」と、衣ひきかづき、伏しまろび嘆き給ふ御有様、見るにあはれぞまさりける。さても、かりそめの御契りとは申せども、男女夫婦の習ひとて、御懐妊とぞ聞こえける。かくて月日を送り給ふほどに、御産の紐をぞ解かせ給ひける。さもいつくしき若君にておはします。「いかなる山の奥、岩のはざまにも育ておき、敦盛の御形見にも見ばや」とはおぼしめしけれども、平家の末と聞きぬれば、いかにいときなきをも刺し殺し、胎内までも探すぞかし。人の上ともおもほえず。みづからさへ憂き目を見んこと、あさましくおぼしめして、白き袷に包み、紫檀の柄の刀を添へ、泣く泣く下松といふ所にぞ捨て給ひける。その折節、法然上人、熊谷の入道を先として、御弟子たち引き具して、賀茂の明神へ御参詣ありけるが、下松辺にて、をさあい子の泣く声のしければ、聞こしめして、神輿を寄せ御覧ずれば、いつくしき若君をぞ捨て置きてありける。上人これを御覧じて、「衣に包み刀を添えて捨てたるは、いかさまただ人とはおぼえず。助けよとのことにてぞあるらん。または賀茂の明神の御利生にもや」とて、取り上げ下向ありて、乳母を添へてぞ育て給ひける。