クラシコでバルサ選手に人種差別 レアルが非難
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【10月28日 AFP】サッカースペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)は27日、前日行われた伝統の一戦「エル・クラシコ(El Clasico)」で、一部サポーターがラミネ・ヤマル(Lamine Yamal)を含むFCバルセロナ(FC Barcelona)の選手に対する人種差別を行っていたと非難する声明を出した。
レアルは「サッカーやスポーツ全般における人種差別や外国人排斥、暴力に関わるすべての行為を強く非難し、昨夜スタジアムの一角で数人のファンが発した侮辱を深く遺憾に思う。処分および法的措置を講じるために、これらの嘆かわしく卑劣な侮辱の加害者を特定するために調査を開始した」としている。
スペインプロリーグを管轄するラ・リーガ(La Liga)はこの件を当局に報告するとしており、同国政府もこの侮辱行為を批判している。
試合後、バルセロナの選手たちに対する人種差別行為の動画がソーシャルメディア上に公開された。17歳のヤマルは、クラシコ史上最年少得点者となった後のゴールセレブレーションの最中に標的にされた。
国内で人種差別被害に遭ったことがあるレアルのビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)は、侮辱を受けたヤマルらバルセロナの選手たちに支援を申し出ており、X(旧ツイッター)に「昨日、(サンチャゴ・)ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)で人種差別的な侮辱が起こったのは残念だ。僕らの社会にこういった犯罪者のための場所はない。ラミネ、アンス(・ファティ<Ansu Fati>)、ラフィーニャ(Raphinha)を全力で支援する。マドリード(クラブ)と警察が犯人を特定し、処罰すべく尽力すると分かっている」と投稿した。
スペインサッカー連盟(RFEF)は差別行為を「全面的に非難」すると表明。ピラル・アレグリア(Pilar Alegria)教育・スポーツ・職業訓練相も「人種差別も侮辱も暴力も、わが国のスポーツには存在する余地はない」とXにつづっている。
レアルのビニシウスは2018年にスペインに来て以降、何度も侮辱の標的にされており、人種差別との闘いの象徴的な存在となっている。
ビニシウスは2023年5月、敵地で暴言を受けた後にバレンシア(Valencia CF)のサポーターと対峙(たいじ)し、世界中から支持を得た。この結果、今年6月にはバレンシアのサポーター3人に禁錮8月の有罪判決が言い渡されている。
昨年1月にはビニシウスのユニホームを着せられた人形が、レアルのトレーニング施設近くの橋からつるされるという事件も発生しており、アトレティコのサポーター4人が訴追された。また先週には、ビニシウスに対するオンライン上での嫌がらせを扇動した疑いで、男4人が逮捕されている。(c)AFP