ガザ北部「壊滅的」 WHO事務局長、病院襲撃を批判
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【10月27日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は26日、戦闘で荒廃したパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部は壊滅的な状況に陥っているとし、「医療施設の周辺および内部で激しい軍事作戦が展開されている」と指摘した。
テドロス氏はX(旧ツイッター)に「ガザ北部の状況は壊滅的だ」「医療物資の深刻な不足に加え、アクセスが極めて制限されていることで、人々は命を救う治療を受けられなくなっている」と投稿した。
テドロス氏は、ガザ保健当局からの報告として、ガザ北部で唯一機能しているカマル・アドワン(Kamal Adwan)病院が25日にイスラエル軍の急襲を受けたと明らかにした。
保健当局によると、この作戦で子ども2人が死亡。イスラエル軍は数百人の職員、患者、避難民を拘束した。
イスラエル軍は、軍部隊はカマル・アドワン病院の周辺で活動していたが、「実弾射撃などの攻撃は認識していない」としている。
ガザ保健当局によると、同院の包囲は解かれたものの、テドロス氏は「大きな代償を伴った」と述べた。
WHOは25日夜、同院への攻撃で医療従事者3人と職員1人が負傷し、数十人の医療従事者が院内で拘束されたと発表した。院内には当時、約600人の患者、医療従事者らが避難していた。
テドロス氏は26日、「男性職員44人が拘束されたことで、女性職員と病院長、男性医師1人だけで、緊急に処置を必要とする200人近くの患者の世話をしている」と語った。
その上で、「医療施設へのいかなる攻撃も国際人道法違反だ」と非難。「ガザの崩壊しつつある医療態勢を守る唯一の道は、即時かつ無条件の停戦だ」と強調した。(c)AFP