G7合意「ウクライナ損害、ロシアが支払うべき」 日本は融資の軍事目的使用を回避

米ワシントンで記者団の取材に応じる加藤勝信財務相=25日(共同)
米ワシントンで記者団の取材に応じる加藤勝信財務相=25日(共同)

先進7カ国(G7)は25日の財務相・中央銀行総裁会議で、ロシアの凍結資産を活用したウクライナに行う総額500億ドルの融資について最終合意に至った。年内にはウクライナ側への融資が始まる見通し。世界的に地政学的リスクが高まる中で、G7が結束して不当な侵略行為に立ち向かう姿勢を示した形だ。

G7は「ロシアは自らがもたらした損害に対して支払いを行うべきだ」(加藤勝信財務相)との考え方を出発点に、日本がG7議長国を務めた昨年から、ロシアの資産を活用する方法を検討。その結果、ロシアの中央銀行が欧州の国際決済機関に預けている債券のうち、償還期限が来て現金化された資産から生じる運用益であれば、ロシアに帰属しないことが法的に確認され、ウクライナ側の返済原資に充てることが可能となった。

日本にとっては、ウクライナに融資したお金が軍事目的に使われない仕組みにすることが必須だったが、世界銀行の基金を経由することでこれをクリアした。国民に対し、追加的な負担を求めることも回避した。

G7は声明文の中で、ロシアのウクライナ侵略について「世界経済に負のスピルオーバー(影響)をもたらしている」と指摘した。地政学リスクはその地域の人命やインフラに損害を与えるだけでなく、世界的な貿易量の減少や投資の抑制にもつながる。

足元では、ウクライナ以外にも中東や台湾周辺でも緊張が高まっている。G7がまとまった行動をみせることで、法の支配に基づく秩序を維持するとともに、世界経済の安定につなげたい考えだ。(米沢文)

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