オリンパス事件は氷山の一角 現役産業医が語る「リアルでブラックなクビ切り術」

 勤務先の非合法行為を内部告発したことで不当解雇を迫られた社員が、勤務先である精密機器大手のオリンパス社を相手取り起こした裁判の二審で、9月、原告社員が勝訴(220万円の損害賠償)を勝ち取った。オリンパス社と顧問弁護士、産業医のブラックな連携による悪質な手口が明らかになるに連れ、社会的な反響は増すばかりだ。

 同事件の内幕を報じた前回の本サイト記事でも、記事の配信先サイトも含めたリツイートが3,000件を超えるなどの"炎上"状態となり、「悪質すぎて信じられない」「本当にそんなひどい医者がいるのか!?」といった反響が多数寄せられた。

 そこで今回、前回の取材に協力してもらった産業医とは別の、他の複数の現役産業医や産業医経験者らからも話を聞き、彼らの周りで起こっている「産業医の今」を語ってもらうことにした。

 まずは産業医とは何であるか、基本的な定義から再確認しておきたい。

 産業医とは「職場で労働者の健康管理にあたる医師」(大辞林より)とある通り、労働安全衛生法13条により、50人以上の労働者が常時従事する事業所には、労働者の健康管理のために産業医を置くことが義務づけられている。該当する企業が産業医の設置を怠ったり、選任だけして適切な業務を行わせなかったりした場合は、50万円以下の罰金処分が科せられる。

 また、同法3項には、「産業医は、労働者の健康を確保するために必要があると認めるときは、事業主に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる」とあり、「オリンパス事件」はこれが企業側により悪用されたケースと言えそうだ。

 この「悪用」の詳細については、前回の本サイトの関連記事中で、関係者証言からの概要を以下の通りお伝えした(引用は要約)。

「悪質な企業では、会社にとって都合の悪い社員に『精神的なケアをする』との名目で、会社お抱えの産業医に診断をさせる。会社とグルの産業医は、その社員を『君は精神疾患だ』『重度のウツなので治療が必要』と診断し、精神病院への措置入院を誘導したり、合法的に解雇したりして、事実を隠蔽してしまう」

 法を利用した、まさにブラック過ぎる手口と言える。さて、その産業医、大きく以下の2種類に分けることができる。

 ひとつは、産業医である前に自身で病院経営をし、産業医は非常勤として受任している医師。産業医をしなくても安定した固定収入があり、あくまで「バイト感覚というか、ボランティアのような気持ちで産業医は引き受けている」(30代開業医)場合が多い。

報酬は出勤日数により千差万別だが、一例を挙げれば「月1回か2回出勤して2万から5万程度。それでも何社か掛け持ちすれば20~30万になる」(同)という。

 もうひとつは、事業所に常駐する産業医である。年収は「一般企業の役員程度で、金額的には1,500万程度かそれ以下」(40代医師)が一般的。当然ながら、収入はその事業所からの報酬に限定されるため、「立場的には総務部所属の一社員と同じような存在」(同)となる場合が多く、構造的に見て「会社の言いなりになるのも当然」(同)と言えそうだ。

 ところで、一般に産業医に就くにはどのようなルートがあるのだろうか。前出の30代開業医は、「同業の紹介で『○○って会社が産業医探してるんだけどやらない? おまえ暇だろ』という誘いもあったし(笑)、自分からなりたい場合は、医師会を通して斡旋してもらう方法もある」と言うが、多くは「産業医専門の派遣会社に登録して紹介してもらうケースが、数としては圧倒的に多い」(同)ようだ。

 ためしにネット上で「産業医 派遣会社」で検索すると、関連会社や関係サイトがズラリと検出される。そのうちの一社に業務内容を電話で尋ねると、「産業医になりたいという希望者と事業所の間に入りながら、医師との面接から契約までを、責任を持って行っております」(某社広報)とのこと。仕組みそのものは一般の派遣会社と同じだ。


■「上司からの指示という感覚」でモラルを捨てる産業医

 さて、オリンパスなどのブラック企業の報道に見られるような、会社の命令で社員を追い込む悪質な産業医の実態についてはどうだろうか。筆者の質問に対し、ある40代の男性医師は「普通にいますよ」とあっさりと言い切った上で、「自分自身も経験がある」と告白してくれた。

数年前に某メーカーでウツ気味の男性社員の相談を受けていたその医師は、結果的に会社側の片棒を担ぐ形で、その社員を解雇に追い込んだことを、今も気に病んでいるという。

「ある日、総務部の人間から書類を渡されて、『これに署名をもらってきてください』と言われたんです。内容は、休職中の補償などが記されている形式的なものだったのですが、実は『いかなる薬であっても常用している場合は復職できない』旨の一文が、小さな文字で隅に記されていたんです。でも、今の時代、睡眠薬を常用している人なんて普通にいますよね。彼もそのパターンで、結果的にその署名が誓約書となり、仕事に戻る上での障害になりました。本人は民事訴訟も考えたようですが、最後は『そんなエネルギーも、もうない』と言って辞めていきました。気づかなかったとはいえ、直接書かせたのは私ですからね。思い出すと気が重くなりますよ」

 一方で、こうした産業医の横行を、「世の中に当たり前にある話と感じていた」とも言い、本サイト記事を読んでショックを受けた読者が多かったことを告げると、むしろ驚いた様子を見せた。

「もちろん、まじめにやってる人もいますよ。ただ、開業医と違って常勤の場合はサラリーマンと一緒で、会社から給料をもらっている立場なので上司には逆らえない。『会社とグル』という報道もありましたが、そういう対等な関係というより、上司からの指示という感覚で受け止めている人も多いでしょうね」

 また、本サイトで報じた「集団ストーカー」でターゲットを追い込む手口については、実際にストーキングチームに加わり逆に精神を病んだという人物から、個人的に相談を受けた経験があるとして、「一部には存在する」と言う。

「私が相談を受けた集団ストーカーは、かなり大手の外資系会計事務所の法務部が、ある宗教団体の行動部隊へ委託して行われたという、かなり悪質な一件でした。

信じ難いことですが、一部の教団にはそういう"業務"を請け負う部隊があり、各企業の法務部とパイプを構築しているのです。裏仕事を暴力団に頼むのと構図は同じです。しかもそのときは、顧問弁護を務めていた女性弁護士も承知していたというのだからひどい話です。道ですれ違いざまに『山田一郎(仮名)、死ね』とささやいたり、ホームの対面からじっと視線を合わせたりするわけです。ノイローゼになって産業医に相談に行くと、『最近、人の視線が気になりませんか』とか、『幻聴は聞こえますか』と誘導する。で、私に相談してきたのは、その集団ストーカーをしたひとり。『上からの指示でこんなことをしたが、もうやりたくない、死にたい』とメールで泣きついてきました。やる方もこたえる。負の連鎖ですよ」

 また、別の産業医(40代開業医)も集団ストーカーについて次のように言う。

「企業の法務部と教団ラインの集団ストーカーは、最近はあまり行われなくなったとも聞いています。人を多く使うので、どうしても情報が漏れやすいですからね。やる側も罪悪感から精神を病む人もいますし」

 引き受ける教団も教団なら、そんなところへ"業務"として下ろす企業も企業。

ここまでブラックな手法が一部の大手企業で常態化していた事実に驚くしかない。

 今回の取材に応えてくれた医師らは皆、「産業医は誇りを持ちながらまじめに取り組んでいる人も多い」としながらも、「オリンパス事件」のような事例は「よくあること」と口を揃えた。また、過去に産業医経験があるという40代の開業医は、「誤解を恐れずに言えば、常勤の派遣産業医にはいい加減なのが多いですよ」と証言する。

「言葉は悪いけど、それだけで食ってる連中だし、短期間で勤務先が代わって会社へのロイヤリティーもないから、派遣先の上司のおかしな指示にも簡単に従う。そもそも医師というのは、手術や臨床経験、学会への論文などで実力をつけていくものですが、派遣登録の産業医は会社の中にいるだけだから、医師として能力が低いのも当然です。最近はお寺でも、坊さんが派遣先から電話1本でお経をあげに来るらしいけど、それと似てますよ」

 また、最近では「安定して楽に稼げる」ことを理由に、最初から事業所に常勤する産業医を希望する若い医師や医大生も多いといい、「仕事に誇りを持たない医師は簡単に会社の犬になる」とその医師は言い切る。


■産業医を使わないと「不良社員」も解雇できない !?

 さらに、その医師は驚くべき以下の事実を教えてくれた。

「これもおかしな話なんだけど、産業医って、法令には『医師のうちから産業医を選任』としか書かれていないんですよ。つまり、内科や精神科でなくても、眼科医でも小児科医でも可なんです。実際にそういう会社を知ってますしね」

 前述の通り、産業医を選任だけして適切な業務を行わせなかった事業所は、50万円以下の罰金が科せられると条文には記されている。仮に100人規模の企業で、経験の浅い「目医者さん」をひとり置いている場合、それが産業医としての「適切な業務」と言えるかどうか、一般的な感覚からすれば大いに疑問が残るところだ。

 さて、その一方で、産業医を利用したブラックな解雇が横行している現状について、「日本の労働者が『整理解雇の四要件』で手厚く守られ過ぎているため、企業に対して不利益をもたらす社員をクビにするには産業医を使わないと不可能という現実もある」と指摘するのは、労働法に詳しい都内の30代弁護士だ。

「今の労働者優位の体制を作ったのは労組、つまり連合なんですが、相当な条件をクリアしないと正社員を解雇できない国は先進国で日本だけです。役人が『親方日の丸』で働かないと言われていますが、実は民間も含めた日本全体がそうなっているんです。これは、経済の活性化という面では極めてマイナス。制度上は社員の解雇を可能にして、並行してセーフティネットも整える。そういう社会に変えていくべきだと思いますけどね」

 そもそも、産業医とは過労死が社会問題になった時代に、労働環境の改善のために導入された制度。従って当時は、「どこの会社も面倒くさがって、産業医なんて置きたくないと嫌がっていたんです。ところが、想定外の使い道があることを各企業が学習してしまい、今では産業医を置く目的や意図が、当初と全く変わってしまったんです」(前出の弁護士)

 産業医の問題を考えるには、国内の雇用実態を勘案した上での、幅広い議論が必要のようだ。いずれにせよ、もし自分が「企業→産業医」ラインで"抹殺"される危険を感じた場合、個人はどのように対抗すべきなのか? これについては、「ひとりで抱え込まずに、とにかく仲間に相談しまくる」(先の弁護士)のが、何より効果的だと多くの関係者は言う。

「情報が拡散することを会社は恐れるし、いろんな人に相談していれば知恵を出してくれる人、仲間になってくれる人が現れます」(同)

 また、前出の40代医師は「かかりつけの医師への相談が一番」と言う。

「昔は近所にかかりつけの診療所があるのが普通だったんですけどね。自分のことを知ってくれている医師を普段から作っておくのが理想的です。かかりつけでなくても、別の医者に行くのは必要。

ただ、最近は、産業医が『一応ここでも診てもらってください』と表向きセカンドオピニオンを勧めながら、実はそこもグルで罠にハメようとしてくる場合がけっこう多いので注意が必要です」

 右を見ても左を見ても、何を信じていいか分からない今のご時世。相談仲間をひとりでも多く作っておくというシンプルな戦略が、事前にできる最も簡単で効果的な戦略といえそうだ。
(文=浮島さとし)


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「円安」は受験業界にも影響大 留学費用が大幅UPで語学、国際系学部離れの傾向も?

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 止まる気配がない、円安。アメリカの中間選挙で共和党が勝てば円安は一段落するという見通しもあるが、年初に1ドル100円台半ばだったレートは現在140円台後半で推移しており、日本中が大きなダメージを受けている。

 資源、資材、食糧など円安の影響は多岐にわたるが、ダイレクトに影響を受けているのが留学生たち。円が急落したことで、留学生たちの懐は火の車だ。

「コロナ禍で約2年、留学の動きはパッタリ止まっていましたが、今年度に入ってようやく、留学を希望していた学生たちが動き始めました。しかし問題は留学費用です。どの国のどんな大学に行くかによって費用は大きく異なりますが、アメリカなら最低でも生活費として月1000ドルは必要。しかし、1年足らずで円が3割も安くなって、滞在費が大幅に増し、しかも『とにかく物価が高い』という悲鳴も聞こえてきています。

 奨学金をもらっている学生からは、『ドル建てでほしい』という声が上がっていますが、そんなに簡単に制度が変わるはずもなく、ある学生は『為替レートばかりチェックしている』と話していました」(都内中堅私大関係者)

「日本=物価が高い国」だったのは、もはや過去の話。アメリカでは、大学のカフェテリアで食事をしても1食1000円以上かかるというから、日本の平均的サラリーマンよりよほどリッチな昼食だ。物価高は日本人留学生だけの問題ではないが、円安は確実に日本人が留学するチャンスを奪っている。都内の私立高校で進学指導にあたる40代の男性教師は、こう述べる。

「我々の時代は大学選びも学部選びもわりと適当で、“数学が苦手だから文系”といったレベルでしたが、今の高校生たちはとにかくマジメで実利重視。ネットでいくらでも情報が拾えるので、就職な有利な学校や、将来食べていけるスキルが得られる学部しか選びません。

勉強ができる子はとりあえず理系。最新トレンドは、AIや情報系です。

 円安も志望動向に大きく影響を与えています。語学系や『国際』と名の付く学部、近年急増するグローバル学部などは安定した人気がありますが、コロナで海外渡航が難しくなり、モチベーションを失う受験生が続出しています。さらに、極端な円安で留学のハードルが上がり、海外留学は現実的でないと、進路を変える生徒もいます。そもそも、全大学生の約半数は奨学金を受けており、経済的に余裕がある家庭は一握り。留学を視野に入れた学部を選べる学生は、同級生から羨望の眼差しで見られるような状態です」(私立高校教師)

 ドルで資産を持っていたり、親がドル建てで給料をもらっていれば話は別だろうが、そんな家庭はごくごく一部。若者の勉学への意欲を削ぐ国に、明るい未来はあるのか……。

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「文春1強」に陰りか? ベテランエース記者が続々と他誌移籍の背景

「週刊文春」11/24日号(文藝春秋)

 寺田稔総務相を、政治とカネの問題で丹念に追及し、辞任に追い込んだ「週刊文春」(文藝春秋)。先日はジャニーズ事務所のKing & Prince分裂騒動も詳報し、“文春砲”は健在だ。

「雑誌の売り上げ1位をキープしつつ、『文春オンライン』『週刊文春電子版』も好調。今の雑誌業界は相変わらずの『文春1強』です」(出版関係者)

 そんな「文春」にも、脱退騒動が起きているという。

 2016年にベッキー不倫、甘利明経済再生担当相をスクープ。“文春砲”ブランドを確立させて以降の新谷学編集長体制での「文春」の快進撃は、説明は不要だろう。

 だが実は、現在の加藤晃彦氏が2018年に編集長に就いたあたりから、潮目は変わり始めていると、「文春」関係者が声を潜めて語る。

「『文春』編集長はこれまで、若手の頃から記者として鳴らし、誰もが納得する人が就いてきた。新谷氏はまさにそうでした。しかし加藤氏は記者経験が少なく、スポーツ誌の『Number』などを渡り歩き、久々に『文春』に戻ってきた時はデスクとしてでした。編集長に昇格が決まると、多くの社員が首を傾げたものです。加藤氏に白羽の矢が立ったのは、コンプライアンスのうるさい世の中で、訴訟対策など、ガバナンスをしっかりしてきた点が評価されたからでしょう」

 これは、“プラプラ呑み歩いてたまに大スクープを放つ”といった「古き良き時代の週刊誌記者」を放逐することとイコールでもあった。

「『文春』といえば、雑誌記者として名を挙げた人が『文春』に引っ張られ、その後、フリーで活躍するのが王道。『プレジデント』から斉藤貴男、『FRIDAY』から麻生幾、『噂の真相』から西岡研介が契約記者として来て、巣立っていった。

かつては力のある記者は、企画会議に出なくてよかったり、莫大な経費を使っても何も言われない時代もあった。ただ、今はそんな記者を囲っている余裕などない。加藤氏はベテラン記者相手にも、忖度なく厳しいことを言っていました。それもあって、加藤氏の編集長就任と前後して、40代の記者3人が一気に辞めたのです」(前出の「文春」関係者)

 契約記者の顔ぶれもさま変わりした。

「”文春砲”のおかげで、大手新聞社という安定した地位を捨てて『文春』の契約記者を志願する若手もいます。かつてなら考えられません。雑誌業界未経験者も積極的に採用するようになった」(同前)

 さらに昨年から、異変が如実に表れてきたというのだ。

「去年、まず甘利大臣スクープをすっぱ抜いた記者が辞め、フリーランスに。さらに、ジャニーズなどの芸能スクープを飛ばしまくった記者は、小学館の『NEWSポストセブン』デスクに就いた。そしてこの10月には、『文春オンライン』の40代の記者2人が、それぞれ集英社と『ポストセブン』に転職しました」(同)

 なぜこうした事態となったのか。彼らを受け入れたある雑誌の編集者が指摘する。

「とりわけ『文春リークス』には上質なタレコミが集まっており、それをきっちり捌ける記者が求められます。

その一方で、自分の人脈でネタをとってきたり、文章にこだわりのあるベテランは敬遠されるようになった。加えて『文春』は厳格な『50歳定年』を敷いており、どれだけ活躍していても例外はない。65歳定年が一般的な世の中で、明らかに逆行しています。記者にも家庭があるわけで、定年を前に、他誌に移籍しておこうとの考えのようです」

 これは「文春1強」の時代に変化をもたらすのでは、と編集者は続ける。

「やはり人材は重要ですから、この歪みは出てくるでしょう。これからはネットを中心に、署名原稿を書きたいライターも増えてくる。そうなるとシビアな『文春』より、企画が通りやすい他誌のネット部門に流れるのでは。実際、『いずれは文春で』と考えるライターは少なくなっています。20年近く販売部数1位を誇ってきた『文春』の陥落もありえるでしょう」

 栄枯盛衰は世の習いでもある。

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