※日経エンタテインメント! 2024年4月号の記事を再構成
アメリカに上陸したゴジラの快進撃が続いている。1980年代には、日本発の「KAIJU」キャラクターとして、世界でコアファンを擁していたゴジラ。それが2010年代に入り、米レジェンダリー・ピクチャーズ製作の『GODZILLA ゴジラ』(14年)から始まった「モンスター・ヴァースシリーズ」が大ヒット。本家である東宝製作の実写ゴジラも、庵野秀明総監督の『シン・ゴジラ』(16年)が全米に進出。そして、7年の時を経て山崎貴監督による令和ゴジラ=ゴジラ70周年記念作品『ゴジラ-1.0』が23年11月に日本で公開。続けて12月に全米で公開されるや、かつてない大ヒットを記録しているのだ。
北米公開から4日目にはデイリーランキングで興行1位となり、その後9週連続のロングランに。公開館数も、邦画実写史上最大規模の2600館以上にまで拡大。全米での歴代邦画実写作品興収を34年ぶりに塗り替え、5641万ドル(2月現在)をたたき出した。また、映画批評サイト「ロッテントマト」や、各種映画レビューサイトなどでも高評価。アメリカ各地で映画批評家協会賞などを受賞し続け、3月10日には邦画初となる米第96回アカデミー賞視覚効果賞に輝いた。
この快挙を支えたのが、東宝国際部事業を継承して23年に新しくスタートした、東宝グループの持つIPの海外展開を統括するTOHO Globalだ。同社は北米配給を担当した子会社TOHO INTERNATIONAL,inc.と連携を取りながら、北米での展開を推し進めた。代表取締役社長の植田浩史氏は、ゴジラ躍進の戦略をどのように立て、現状をどのように分析しているのか(取材は24年2月)。
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コメント1件
kowtamotu
『ゴジラ-1.0』をAmazonプライムで見たが(劇場版との違いはあるが)、『シン・ゴジラ』と比べて、アメリカでの興行収入の違いとアカデミー賞受賞の理由が分からなかった。ストーリー、特撮技術、背景の日本社会の問題点の抉り出し方、キャストなど
『シン・ゴジラ』の方が優れている気がする。アメリカでの高評価はまた別の要素があった事を想像させるが、どうなのか?なぜか専門家は指摘していない。...続きを読むコメント機能はリゾーム登録いただいた日経クロストレンドの会員の方のみお使いいただけます
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