以前も母との問題は「贖罪」
というタイトルで記事を書いた。
ベンゾ薬害問題に向き合ってきた今、
そして元義父と夫に名誉の回復を果たした
今だから、母との問題を新たな視点で
見ることが出来るようになった。
それまでは恐ろしくて触れることが出来なかった。
ベンゾ薬害で私が被った被害、もしかすると
これが一番重いものかもしれない。
私は母に死んで欲しいと思い、実際に
健康と人生を殺してしまったのだから。
前回のブログの続きであるが、
姉がどうもこうも出来なくなってしまったため、
私の実家へと連絡が入った。
私は東京に住んでいて実家の熊本とは
電話でやり取りするしかない。
電話でろくでもない話をするのは危険なのだが、
仕方がなかった。
母は私を説き伏せるように、懸命に話を聞いて
そして私の考えや気持ちを常識に戻そうとした。
しかし私は絶対的な自己の肯定感の元(躁状態~混合状態)
話を譲らなかった。
逆に「誰も私の気持ちを分かってくれない」と怒りを
ぶちまける始末。
本来の私とはかけ離れてしまっていることに
母は強いショックを受けた。
「頭がおかしくなっている…狂ってしまった…」
母は私の人生を何とか守ろうとして、
母として私の知らないところで動いた。
それは冷静になれば、涙が出る程有難いことなのだが、
狂っている時は、逆に「裏でコソコソして!」と
更に怒りが湧いた。
母に強い「敵意の感情」を抱いた。
(当時これが躁うつ混合状態=
境界性パーソナリティ障害とは
全く分からない)
そして電話で母に向かい、数時間に渡って
暴言を吐き続けた。
何を言ったのかは全く記憶がない。
しかしイメージは強く記憶している。
それは、母が棺の中で花に囲まれ横たわって
いるイメージだ。
花がエンドレスに母に降り積もってゆく。
そう、私は母に死んで欲しかったのだ。
それほどの怒りだったのだ。
母はこの電話で精神を病み、精神科へと
連れていかれた。
そして抗うつ薬とベンゾを処方され始めた。
激しい抗うつ薬の副作用で更なる苦痛から
死にそうになったと言っていた。
私は何故狂ってしまったのか、暴言を吐きながら
「あれ? いつもの私と違う。180度違う。
でも修正出来ない。あれ? あれ?」という気持ちも
少しあった。
それが何故だったのか長く分からなかった。
「ベンゾ薬害」に向き合いやっと腑に落ちたのだが、
それが感情障害。
感情の統制の障害。理性が感情を統制出来ない、
高等感情(大人の私)が機能しない、だから感情が
勝手に意志(理性)に反して180度ずれて暴走する。
(高等)感情のシステムの障害。
それが私がベンゾ一気断薬で負った後遺症だった。
(原爆が落ちたようなあの脳ショックから)
それまで母と私は良好な関係で、問題は何一つ
なかった。
母にとってもまた「自慢の娘」だったそうである。
何も手をかけることもなく、自分で自分の道を
切り開き、生きていく子だと母は私を思って
いたそうだ。
一方私は母を心から尊敬し愛していた。
母はとても心の優しい人である。
そして苦労して生きて来た人でもある。
私たちを育てるために懸命に仕事をし、
そして姉を幼い頃には養女に出し、
毎日を泣いて過ごし、そしてやっと私を産んでくれた。
私は母にとって姉の生まれ変わりだったそうだ。
私達母娘の絆は健全で強かった。
世間では「毒親」とか「愛着障害」「発達性トラウマ」
とかの言葉もあるが、母に限っては
パーフェクトな母だった。
いつまでも健康で長生きして欲しいと
いつも願い生きて来た。
事あるごとにプレゼントも贈り、
喜んでもらうことが私の喜びでもあった。
その母に対して、あろうことか私は、
自分のエゴを邪魔されたからと言って、
言葉の暴力で殺そうとしたのである。
今でもその記憶は、最も恐ろしい「トラウマ」
となって私を苦しめている。
傷つけられたことよりも、傷つけてしまった
「心の傷」のほうが深い。
母は、やっと豊かな老後生活に入った矢先だった。
それが私のことによって、死ぬまで苦しい
悲惨な人生を歩むことになる。
それは私の十字架と考えてきた。
しかしその考えは変わった。
その十字架は私が背負うものではない。
意志に反して感情が統制出来ない、暴走する、
相手構わず狂う脳にさせられた私も被害者
だったのである。
「無茶苦茶にしてやる!」と、敢えて自分を傷つける
自己破壊的な行動にも走った。
攻撃性が前面に出て、人も自分も傷つける。
そんなことにそれまでなったことがない。
今振り返っても、自分で自分が恐ろしくて
仕方がない。
「ベンゾ薬害」の視点に立つこと、気付くこと
は重要だ。
ベンゾ薬害の悲劇として、人間関係がズタズタに
崩壊する「悪魔の後遺症」があると私は書いた。
夫との関係、義理の両親との関係、姉との関係、
そして母との関係・・・
大切な人だって殺しかねない。
そして自分と自分との関係も。
ベンゾの恐ろしさを一人でも多くの人に、知って
頂きたい。
処方する際は、副作用と注意事項の説明、
そして同意が絶対に必要な薬物である。
(母のことは書ききれないので、次回に続きを
書いていきます)