イスラエルがイランに報復攻撃 ミサイル施設など 混迷深まる中東

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イスタンブール=根本晃 ワシントン=下司佳代子
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 イスラエル軍は26日未明、イラン国内のミサイル製造施設など複数の軍事目標に絞った「精密攻撃」を実施したと発表した。今月1日にイランから大規模なミサイル攻撃を受けたことへの報復措置。懸念されていた核施設や石油施設への攻撃はなかったとみられるが、イランメディアは同国の兵士2人が死亡したと報じており、イラン側の出方が焦点となる。中東の軍事大国同士が4月に続いて直接攻撃の応酬を繰り広げ、地域の混迷は一層深まっている。

 イスラエル軍は声明で、イランのミサイル製造施設や地対空ミサイル基地などを攻撃したと発表。攻撃は数時間続き、米紙ニューヨーク・タイムズは複数のイスラエル当局者の話として、計100以上の戦闘機やドローン無人機)を使用し、対象は約20カ所に上ると報じた。軍のハガリ報道官は「目的を達成した」とし、「イランが新たなエスカレーションを始めれば、我々は対応せざるを得ないだろう」と述べ、イランに反撃しないよう警告した。

 一方、イラン当局は26日、イスラエル軍が首都テヘラン周辺や南西部の2州の軍事施設を攻撃したと発表。「迎撃に成功した」とした上で、「複数の地域に限定的な被害が生じた」としている。イラン政府系のメヘル通信はイスラエル軍の攻撃で、イランの軍人2人が死亡したと報じた。

 イラン外務省は、イスラエルの攻撃が「国際法および国連憲章の明確な違反」とし、「自国を守る権利と義務を有する」と強調した。

 シリア国営通信は、イスラエ…

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この記事を書いた人
根本晃
イスタンブール支局長|中東・欧州担当
専門・関心分野
国際政治、トルコ、ガザ、ウクライナ、語学
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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2024年10月26日10時41分 投稿
    【視点】

     10月8日のコメントプラスに私はこう記しました。 <本日(10月8日)、私は通信アプリでテルアビブ在住の元イスラエル政府高官と以下のやりとりをしました。 ――レバノン情勢はどうなっているか。 「状況はイスラエルの統制下にある。むしろイ

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