公正取引員会は10月25日、バーチャルYouTuber事業を手掛けるカバーが下請代金支払遅延等防止法(下請法)に違反していたとして、勧告や指導を行った。
カバーは2022年4月から23年12月にかけ、動画用の2Dモデルや3Dモデルの制作を委託していた下請事業者に対し、成果物を受領した後、発注書で示された仕様からは作業が必要であることが分からないやり直しを無償でさせていた。公取委によれば、23事業者に対し計243回のやり直しをさせていたという。公取委が公開した具体的な事例は以下の通り。
さらに一連の行為により、22年7月から24年2月にかけて、下請事業者から成果物を受け取っているにもかかわらず、あらかじめ定められた期日までに代金を支払っていなかったという。支払いをしていなかったことによる利息の額は、29事業者に対し計115万2642円。カバーは24年9月17日までに利息を支払った。
さらに、下請法の対象にならない取引先に対しても、同様のやり直しが生じ得る形で業務を委託していたという。
公取委はカバーに対し、無償でやり直しをさせたことによる費用に相当する額を、公取委の確認を得た上で速やかに支払うよう勧告。再発を防止などを求めた。支払いの遅延についても再発を防止するよう指導した。
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