Vチューバー事業会社に勧告 下請けに不当に無償でやり直し
アニメやCGのキャラクターを使って動画を配信する「Vチューバー」の事業を行う都内の会社が、下請け業者に対し、およそ240回にわたりキャラクターの動きの作成などのやり直しを不当に無償でさせていたとして、公正取引委員会は代金の支払いや再発防止を求める勧告を行いました。
勧告を受けたのは、東京・港区の「Vチューバー」が所属する大手事務所の運営会社で、アニメやCGのキャラクターの作成や動画配信を行っている「カバー」です。
公正取引委員会によりますと、「カバー」はおととし4月から去年12月までの間、「Vチューバー」の動画などで使うイラストやキャラクターの動きの作成を委託していた下請け業者に対し、発注書などでは示されていない不当なやり直しを無償でさせていたということです。
やり直しは23の業者に対し、あわせて243回にのぼり、1回の取り引きで7回やり直しを求められたケースもあったということです。
公正取引委員会は、下請け法の「不当なやり直しの禁止」に違反するとして、25日、代金のすみやかな支払いや再発防止のための措置などを講じるよう勧告しました。
このほか、「カバー」が、29の業者に対し、期日までに代金を支払っていなかったとして指導も行いました。
業者の大半はフリーランスで活動していて、公正取引委員会は「今回のような行為はデジタルコンテンツの取り引きでは幅広く行われている可能性があり、ほかにも同様の事実があれば、厳正に対処する」としています。
「カバー」は、「今回の勧告を真摯に受け止めた上で、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。