核兵器、西側諸国に要求していない ゼレンスキー氏
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【10月23日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は21日、メディアに対し、同国は西側諸国に自衛用の核兵器を要求していないと明言した。先週開かれた欧州連合(EU)首脳会議での、「ウクライナは自衛のための核兵器を保有するか、何らかの同盟を結ぶ必要がある」との発言について釈明した形。
ゼレンスキー氏は同日夜に出したメディア向けのコメントで、「われわれは核兵器の供与を求めていない」と述べた。コメントは22日に公開された。
ゼレンスキー氏はコメントで、「われわれは核兵器を放棄したが、NATO(北大西洋条約機構)は得られなかった」「もたらされたのは全面戦争と多数の犠牲者だけだ。今のわれわれに残された道は一つだけだ」と主張。
ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に言及し、「われわれはプーチンを阻止できる兵器を保有していない。だからこそNATOが必要だ」と訴えた。
ウクライナは1991年のソ連崩壊に伴い、核兵器の一部を継承し、世界第3位の核兵器保有国となった。だがその3年後、ロシアと米国に安全保障を確約されたのを受け、核兵器を放棄。その際の取り決めは「ブダペスト覚書(Budapest Memorandum)」と呼ばれ、署名国がウクライナをはじめとする旧ソ連構成国の領土保全と独立を尊重することを求めている。(c)AFP