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鶯歌/ゆきみ
@ohkayukimi0419
最近の治安、というかこう強なかんじの奪な行為に割と「こえー……」となってますからね、気が小さいので。
ダミーでもいいからカメラとか置いといたら効果ありやすかね
hachapo
@hachapo
Gレコもターンエーも水星もおもしろいだろ!
AGEおまえはだめだ
まどいがリノート
眞家:_ma::_ka::_ma::_ka:🔞:skeb:
@maka_makamaka
サラダチキン、ファミマの柚子塩味?だったかな?
なんか0.2gとやたら糖質が抑えてあるやつあった
:_ha::_shi::_da: :cool_doggo:
@cometofrom

ノート小説部3日執筆レギュレーション違反 薔薇のイタリアンが食べたいのじゃね/お題「香水」

料理の場に香りを持ち込むのは、あまり良いことではない。

 繊細な野菜の香り、調味料のオリーブ、カウンターの木材、価値あるワイン――
 料理の味に通じる香りを、香水はマスキングしてしまう。

 和食の料理屋に香水を付けてはいけない。
 ワインを出す場でも、香水はご法度だ。

 けれど、この世には奇特な趣向を持つ料理人が居るものである。
 香りを味わう場として、あるイタリアンの巨匠が、山形でバラのフルコースをふるまう機会を設けた。

 ドレスコードの中に、足元からほんのりと香る程度に薔薇の香水を振ってくるという条項があり、物珍しさに釣られた好事家たちが、幾人か集まった。

 当日、十名ちょっとの決して大きな会ではなかったが、貸し切られたレストランに足を踏み入れた彼らは、皆一様に驚いた。

 会場のレストランは広々としており、オープンテラスから見える庭一面に薔薇が咲いていた。

 柔らかな照明が落ち着いた空間を演出する反面純白の内装のあたり一面に薔薇が飾られ、透き通った鮮烈な芳香が満ちている。
 テーブルクロスの白さが瞳に優しく映るテーブルの上には一凛差しの薔薇、なるほど、我々客もこの花と同じなのだろう。

「皆様、お食事の前に、こちらをどうぞ」
 
 かすかに聞こえるクラシック音楽が、これから始まる美食の時間への期待を高めていく中――
 運ばれて来たウェルカムドリンクは、透き通ったミネラルウォーターだった。

「本日は薔薇をテーマにした、ささやかなメニューとなっております。ウェルカムドリンクには、本日皆様が味わってもらうために薔薇を育てたのと同じミネラルウォーターを、アペリティーヴォ(食前酒)にはスパークリングワインからボーモン・デ・クレイエールを。アンティパスト(前菜)には、イタリア産の生ハムと食用の薔薇のジュレのカクテル。プリモ・ピアットに、薔薇と柚子の椀物と、ローズパスタ、サルシッシャと魚卵のクリームソース。メインとなるセコンドには、米沢牛の冷製ローストビーフに地元のお野菜。ローズのソースと、コントルノにエディブルフラワーのローズ、ルッコラ、スモークサーモンのサラダ。フォルマッジには、チーズとバラの香りの赤ワイン。ドルチェには、薔薇のショコラ。ディジェスティーヴォ(食前酒)には、ホワイトローズを用意させて頂いております」

 ソムリエが優雅に頷き、銀のトレイに載せられガラス瓶をから、クリスタルグラスに注いだ。透明度が高く、グラスの中で光を受けて輝いている。
 恭しくグラスを手に取り、鼻を近づけた。目を瞑れば、部屋に香る薔薇のノートが水にも溶け込むよう。

 何より、当たりにいる同志達が思い思いに選んだ薔薇の香りが、嫌らしくなく香る。
 舌に振れれば、冷たさと共に、清々しさが口腔内で花開く。

 香りを飲んでいるかのような気持ちが嬉しい。

 会の方向性を理解したところで、ソムリエが氷を詰めたシルバーのワインクーラーが抱えられていた。
 彼は慎重にコルクの状態を確認し、満足げな表情を浮かべた後、ボーモン・デ・クレイエールを細身のフルートグラスを取り出し慎重に注ぐ。

 グラスの中で、淡い黄金色の色の液体が踊るように泡立つ。
 細かな気泡が連なって上昇し、グラスの縁で小さな花冠のように広がっていく。

 グラスを受け取ると、まずは目で楽しむ。
 光に透かすと、ワインは宝石のように輝き、その中で無数の気泡がはじける。

 ゆっくりとグラスを傾け、ワインの粘性を確認する。程よい粘りが壁面を伝い落ちる様子は、まるで絹のカーテンのよう。
 次に香りを楽しむ。鼻を近づけると、砂糖漬けした果実のような香り、焼きたてのペストリーやブリオッシュの香ばしさ、そしてほのかなバラの花の香りが複雑に絡み合う。

 その一口は、まるで舌の上で花火が弾けるよう。
 繊細な泡が口内で踊り、舌先にピリピリとした刺激を与える。そして、果実の風味が押し寄せてくる。

 白桃やアプリコットプラムのような風味に包まれたドゥミ・セック(半甘口)。
 すっきりとした一口が、後の料理の期待を上げるものだった。

 しばし待っていると、サービスマンが優雅な足取りで近づいてくる。
 彼の手には、艶やかな白い大理石のようなトレイに乗ったカクテルグラスに、芸術作品のような美しさで料理が盛り付けられていた。

「お待たせいたしました。本日の前菜、イタリア産プロシュット・ディ・パルマと食用薔薇のジュレカクテルでございます」

 それは薄くスライスされたプロシュットが、しなやかな曲線を描きながらグラスの内側を飾り、淡いピンク色のジュレ共に満たされ光を通して宝石のように輝くもの。
 アートピースのような一皿を、内に入ったスプーンで掬う。

 鼻に近づけると香るのは、かすかなナッツの香りに似た熟成された肉の芳醇な香りと、決して押しつけがましくない華やかな薔薇の香り。
 口に運ぶと、舌の上で溶ける生ハムと、ジュレの驚くほどなめらかな舌触り。

 清々しい薔薇の風味が口いっぱいに広がる中で、繊細な塩味が受け止められ熟成によって生まれた深い旨味が全てを包む。
 生ハムの塩味が薔薇の香りを引き立てる一方で、ジュレの甘みがハムのうま味を一層際立って離さない。

 なるほど、薔薇は十分に食材となりうるのだろう――

 最後の一切れのプロシュットを口に運び、ジュレの最後の一滴まで味わい尽くしていると――
 サービスマンがトレイに美しい焼き物の器に盛られた、芸術的な一皿をサーブする。

「本日のプリモ・ピアットから、薔薇と柚子の椀物でございます」

 目の前に、天目が映える器に盛られたそれは、立ち昇る湯気と共に、柚子の爽やかな香りが鼻腔をくすぐった。
 椀の中には、薄紅色の薔薇の花びらが優美に浮かんでいる。

 シンプルであるが、唯一無二の一品が底にあった。

 箸を手に取り、まずは椀の中身をよく観察する。
 透明な出汁に、薔薇の花びらが幻想的に揺らめいて、その下には、薄く輪切りにされた柚子が見える。

 スプーンを手に取り、そっと一口すくう。
 この時、自分でも気づかぬうちに息を呑んでいた。

 なるべくじっくりと味わいたいという思いから、ごく小さくすくい、口に含む。

 一口、その瞬間に広がる繊細な味のハーモニーに驚く。薔薇の花びらは、まろやかで少しだけシャクっとした食感の後、舌の上で溶けていく。
 かすかに甘い香りが鼻に抜けるが、味わいは予想以上に控えめだ。むしろ、出汁の旨味を引き立てる脇役としての存在感がある。

 けれど、強く鮮烈に感じるのは、驚くほどの透明感と旨味だ。
 舌の上を滑るように出汁が通り過ぎた直後、その後から押し寄せてくる旨味の波に、思わず目を見開いてしまう。

 昆布と鰹節でひかれた出汁をベースに、どこかかすかに薔薇の香りが感じられる。
 そこに柚子の爽やかさが加わった、複雑で奥深い味わいだ。

 薔薇となり、薔薇の食材としての価値を理解した直後に感じる調和に驚いていると、サービスマンが次の皿を運んでくる。
 
「本日のプリモ・ピアット、ローズパスタ。サルシッシャとキャビアのクリームソースでございます」
 
(続
まどいがリノート
とんこう科学部 RNがリノート
蒼郁龍茅:youtube::love::toyama:がリノート
ノート
2024/10/25 8:08:49