永田陸人被告

  ●東京地裁支部初公判

 昨年1月に東京都狛江市の住宅で高齢女性が死亡した強盗事件など計6事件で実行役を務めたとして、強盗致死罪などに問われた、当時金沢市在住の永田陸人被告(23)の裁判員裁判初公判が18日、東京地裁立川支部で開かれ、永田被告は起訴内容を認めた。被告人質問で趣味の競艇で借金を重ね、闇バイトに応募した経緯を明らかにし「金のため、全て自分の意思だった」と説明した。

 狛江事件は「ルフィ」と名乗る男らが指示したとされる一連の広域強盗のうち、唯一、被害者が亡くなった。実行役として起訴された被告の中で、永田被告はリーダー格だったとされる。

 被告人質問で、永田被告は指示役から広域強盗の計画を知らされた際の心境について「優しい犯行だと思った。怖くて逆らえなかったという思いもなかった」と述べた。

 検察側は冒頭陳述で、永田被告は闇バイトを通じ、いずれの事件でも「キム」を名乗る人物から指示を受けたと指摘。狛江事件では金品の保管場所を明かさない被害女性に対して暴行を繰り返したほか、共犯の男に女性をバールで殴るよう指示したとした。

 広島県の強盗殺人未遂事件では、被告自らが工具「モンキーレンチ」で被害者の後頭部を殴り、重篤なけがを負わせたと非難した。

 これに対し、弁護側は、被告は実行役のリーダー的役割を担っていたものの、「指示役の駒として動いていた」と主張。逮捕後は捜査に協力し、真摯(しんし)に反省しているとして、情状酌量を求めた。

 起訴状によると、永田被告は東京、千葉、神奈川、広島各都県で22年11月~23年1月に起きた計6事件に関与。狛江事件では、当時19歳の元大学生、中西一晟(いっせい)被告(21)=白山市出身、同罪などで懲役23年、控訴=らと共謀し、宅配業者を装って侵入。住民女性=当時(90)=に暴行を加えて腕時計3本などを奪い、死亡させたなどとされる。

 公判は24日の結審まで計4回開かれ、判決は11月7日に言い渡される予定。

 ★「ルフィ」らの広域強盗事件 2021年夏以降、複数人で住宅や店舗を襲って金品を奪う事件が全国で相次いだ。一連の事件を指示したとして、特殊詐欺グループの幹部で、渡辺優樹、今村磨人、藤田聖也の3被告が逮捕、起訴された。3被告は「ルフィ」や「キム」などと名乗り、実行役に指示していたとされる。実行役の多くは交流サイト(SNS)などの「闇バイト」に応募していた。

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