「調査書を出さないで指名する例はあまりない。指名する可能性がある選手には送りますからね」とは在京球団スカウト。大学から野球を再開しながら、甲子園出場組など野球エリートが集う慶大でレギュラーの座をつかむと、今春リーグ戦で一塁のベストナインを獲得するなど、豊かな素質と驚異の成長力を見せてきたが、やはりまだプロのレベルには達していないのか。
過去に東京六大学からドラフトで指名された大物2世選手では、長嶋茂雄の長男の立大・長嶋一茂がリーグ通算101試合出場で86安打、11本塁打、54打点、打率・225をマークしてヤクルト1位、野村克也を父に持つ明大・野村克則は76試合で72安打、3本塁打、33打点、打率・281でヤクルト3位だった。
清原はここまで29試合で24安打、2本塁打、11打点、打率・226と実績では大きく水を開けられているが、堀井監督は「今のうちの打線の中では、長打力、勝負強さがあって4番に置く選手。恐らく本人は結果について満足いかないところもあると思いますが、信頼して使っている。(2試合)たまたまノーヒットでしたけど、相手の警戒もある」と評価。本人も「六大学で戦えるレベルにはなってきている」とレベルアップを実感している。
慶大など名門校では、上位指名でなければOBのツテで社会人野球に進む、いわゆる〝順位縛り〟が不文律とされてきたが、近年は大幅緩和で下位指名や育成契約での入団に応じる例も出てきている。堀井監督も過去に慶大から2選手が育成で入団しているとし、清原についても「志望届を出した時点で制限はかけていない。指名があった時点で、(プロの)話は聞きます。支配下でも育成でも考えがあるでしょうから」と可能性を否定しなかった。
調査書も届かなければ内々で話ができているわけでもない〝ガチンコ〟で、運命の一日に臨む清原ジュニアに吉報は届くのか。今年のドラフトは育成最後の指名まで目が離せそうにない。